2023年(令和5年) 05月18日(木)付紙面より
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昨年暮れに発生した鶴岡市西目の土砂災害の住民説明会が16日夜、同地区の金山、山口両公民館で開かれ、県と鶴岡市の担当者が災害復旧に向けた今後の予定について説明した。近く入札を経て工事業者が決まる予定。順調に進めば今年8月から崩落した土砂の撤去(運搬)を始める見通しを示した。
災害復旧は県が地滑り防止対策、鶴岡市が崩れた土砂の撤去と倒壊家屋のがれき処理、ふさがれた市道の復旧に当たる。
鶴岡市土木課によると堆積した土砂は約1万7000立方メートル(概算工事費2億3000万円)で、倒壊家屋17棟のがれきは約2・69トン(同2億5000万円)、延長80メートルの市道復旧(同4000万円)を進める。復旧工事は一括的に発注し総額は5億2000万円を見込む。
説明会には県庄内総合支庁建設部の佐藤亨部長、鶴岡市から皆川治市長と担当課の職員が出席。それぞれ担当者が復旧工事について住民に説明した。報道各社の質問に対して皆川市長は「安全を確かめた上で避難指示を解除できるようにしたい」と話した。
金山自治会(24世帯)の安倍長一会長(67)は「崩落した山の上部を高さ6―7メートルにわたって削り取り安全を確保したい、との説明があった。災害発生後、地域全体で生活道の遠回りを強いられている。時間がかかる問題と認識はしているが国道7号に通じる県道の通行止め規制を早く解除してほしい」と語った。住民説明会は18日に竹野浦、草井谷両公民館でも開かれる。
西目土砂災害では今も4世帯の12人が市営団地などで避難生活を送っている。来月下旬で発生から半年が経過する。
2023年(令和5年) 05月18日(木)付紙面より
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県議会は17日、改選後初の議会を開き、正副議長選を行った。県議会の第35代議長に最大会派自民党の森田廣氏(73)=酒田市・飽海郡区、7期=が選出された。副議長は同党の小松伸也氏(60)=最上郡区=に決まった。
正副議長選は議員全員(43人)による無記名投票方式で行われた。議長選は有効投票43票のうち27票を森田氏が獲得。県政クラブ所属の木村忠三氏(57)=米沢市区=に16票が入った。副議長選は有効投票43票のうち小松氏が27票、県政クラブ所属の高橋啓介氏(70)=山形市区=が16票だった。
議長に決まった森田氏は酒田市生まれ。駒澤大経営学部卒。故加藤紘一衆院議員の秘書として防衛庁長官秘書官、内閣官房長官秘書官などを務めた。1999年の県議選で初当選。県議会の予算特別委員長、議会運営委員長、副議長、県監査委員などを歴任。自民党県連政調会長、同幹事長も務めた。
2023年(令和5年) 05月18日(木)付紙面より
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酒田市幸町一丁目のJR酒田駅前で16日、長年にわたって市民に愛された帆船オブジェの解体作業が行われ、道行く人らが足を止めてオブジェの“出航”を見守った。
オブジェの解体はJR酒田駅前で進められている駅周辺整備事業に伴うもの。オブジェは1996年に観光PRのため市が4基目の「歓迎塔」として設置した。土台を含め高さ11・5メートル。アーチ型の土台部分が歩道上をまたぎ、中を歩行者がくぐれる造り。帆の周囲にはウミネコが舞い飛んでいる様子がステンレスで表現されているほか、船体の下に市の観光イベントをPRする掲示板を設置、夜間はライトアップするなど観光客や市民の目を楽しませてきた。
この日は業者が大型クレーンや高所作業車などを使い、午前8時半ごろから作業開始。初めに作業員2人がオブジェに登って2本あるマストのポールを取り外し、周囲の電線などに注意しながら大型クレーンでつり上げて1本ずつ地上に下ろした。その後、オブジェ本体部分をベルトを使いクレーンで固定。土台部分の4脚を電動カッターで切断し、クレーンでつり上げて駅舎側の解体場所に移動させた。
青空の下、約2時間半で作業終了。駅前を通行する市民らは写真や動画を撮ったり、足を止めて作業を見上げたりと、オブジェの“永遠の出航”を見守っていた。