2023年(令和5年) 05月11日(木)付紙面より
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酒田市御成町の本間氏別邸庭園「鶴舞園(かくぶえん)」(国指定名勝)で白ツツジが見頃を迎え、訪れる人の目を楽しませている。
鶴舞園は、本間家第4代当主・光道翁が1813年、港で働く人たちの冬季失業対策事業として造築した池泉回遊式庭園。池の中島に鶴が舞い降りたことにちなみ、時の庄内藩主・酒井忠器(ただかた)公が名付けた。面積は7350平方メートル。赤玉石、青石といった北前船で運ばれてきた銘石、御影石で作られた大小の灯籠などが変化に富んだ地形に配されている。旅行ガイド「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で「二つ星」を得ている。
本間美術館(田中章夫館長)によると、庭園内には約150株の白ツツジが植えられており、今年は大型連休明けから見頃を迎えたという。9日午前には散策を楽しむ人たちが三々五々訪れ、白ツツジが咲く新緑の庭園を散歩していた。見頃は21日(日)ごろまでという。
2023年(令和5年) 05月11日(木)付紙面より
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鶴岡市馬場町の旧風間家住宅・丙申堂(国指定重要文化財)で今年も五月飾りの展示が始まった。江戸末期から明治初期に京都で作られた鎧(よろい)飾りや、“金太郎”こと坂田金時を人形にした「御飾金時」などが来場者の目を楽しませている。
丙申堂は、子どもの健やかな成長を願って飾られた風間家に伝わる人形を多くの人に見てもらおうと、2009年に五月飾りを展示。座敷の床の間に飾られるのは約70年ぶりだったという。以来、毎年端午の節句の時期に合わせて展示しており、今回で15年目。
床の間の中央には鎧と兜(かぶと)を飾り、その後ろには風間家の紋が入った幕や幟(のぼり)が立てられた。前段に置いた人形のうち最も古いのは御飾馬で、収納している箱には「明治31年春に東京にて求む」と記されている。
正面奥に飾られた御飾金時は1928(昭和3)年、風間家8代目の嘉一郎氏が子どもの初節句に東京で買い求めたもの。作は明治を代表する人形の名工・二代目永徳斎によるものという。桃太郎は1934(昭和9)年に東京・高島屋で購入した。金時、桃太郎とも幼い顔立ちで頬のえくぼが目を引くつくり。いずれも色あせず鮮やかな状態で、100年近く大切に保存されてきたことを示している。
9日午後、オーストラリアから里帰りした娘と一緒に訪れた鶴岡市鼠ケ関の80代女性は「若いころ鶴岡に通っていたが、丙申堂の五月人形を見るのは初めて。えくぼがとてもかわいらしい。保存状態も良くてきれい」と話し、じっくりと観賞していた。
展示は来月12日(月)まで。入館料は風間家旧別邸の無量光苑釈迦堂との共通券で大人400円、小中学生200円。
2023年(令和5年) 05月11日(木)付紙面より
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庄内のすてきな景色に出会ってみませんか―。鶴岡市の鶴岡二中(和田恭司校長、生徒416人)の視聴覚室で、生徒と保護者に向けた庄内の名所情報発信展が開かれている。庄内一円の写真“映え”するスポットを季節別に写真とコメントを入れ紹介している。
庄内の良さや美しさを子どもたちに知ってもらおうと、アマチュアカメラマンでもある石崎幸宏元校長と和田現校長が企画した。
展示したのは石崎元校長がこの5、6年間で撮影した写真合わせて178点。このうち鳥海山をバックに満開の桜と庄内町小出新田の小出沼を紹介した「春の響奏」や、美しい紅葉が彩る鶴岡市田麦俣の七ツ滝を捉えた「紅葉の隙間から」などA3やA4サイズの作品33点にはコメントで▽見どころ▽場所や行き方▽駐車場の位置▽ほかの季節の情景▽周辺施設の情報―などを詳細に説明。このほか撮影場所をシールで示した庄内観光地域マップも展示している。
初日の9日は多くの生徒が昼休みに視聴覚室を訪れ、「きれい」「行ってみたい」と目を輝かせていた。
作品の中で遊佐町高瀬地区の菜の花畑が一番気に入ったという3年生の庄司紅心(れの)さん(14)は「受験のことで悩みもあるが、菜の花畑などのきれいな写真を見たら心が癒やされた気がする。もし行ける機会があったら自分も写真を撮りたい」と話した。
石崎元校長は「行きたい場所を親子で一緒に見つけ、実際に足を運んで感動を共有してほしい。その景色をスマートフォンなどで撮り、皆さん自身もフォトジェニックな出会いの発信者となってもらえれば」と語った。
展示は12日(金)までで生徒のみ鑑賞可能。授業参観が行われる最終日は保護者にも開放される。