2023年(令和5年) 09月05日(火)付紙面より
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美しい歌声響かせて 鶴岡市芸術祭
鶴岡市芸術祭の開幕式典が2日、鶴岡アートフォーラムで開かれた。鶴岡南高校の音楽部が合唱を披露。美しい歌声を響かせ「アートの祭典」の幕開けを告げた。
今年で18回目。鶴岡市の文芸、美術、邦楽、民謡・舞踊、洋楽、華道など45団体が参加し、12月上旬まで作品とステージ発表が繰り広げられる。
開幕式典には、関係者合わせて約50人が参加。主催者を代表して市教育委員会の布川敦教育長が「芸術文化を通じて心豊かな地域づくりに寄与することを期待したい」、市芸術文化協会の東山昭子会長が「約3カ月にわたる芸術の祭典が多くの人たちから『良かった』と言われるよう願う」とそれぞれあいさつ。皆川治市長が祝辞を述べ、関係者がテープカットした。
鶴岡南高校音楽部のメンバー33人が定期演奏会のオープニングで披露している「われらうたうとき」と家族の絆を込めた「心の瞳」を合唱し、美しいハーモニーを響かせた。
芸術祭は白甕社美術展(会場・アートフォーラム)を皮切りに田川民話の会の昔ばなしの語り(9日、第一コミセン)や表千家同門会山形県支部庄内地区の茶会(10日、致道館)などが行われる。
19団体200人ステージ発表 庄内町芸術祭
第19回庄内町芸術祭の開幕式典が3日、同町の響ホールで行われ、町内や同町の友好町・宮城県南三陸町の踊り団体などが華やかなステージを繰り広げた。
庄内町の芸術祭は町芸術祭実行委員会(委員長・大瀧日登美町芸術文化協会長)と町が主催。「めぐり会い、支え合う日々」をテーマに、11月26日までの期間中、響ホールと町立川複合拠点施設「タチヨリ」を会場に展示やステージ発表など計18事業が行われる。
この日の開幕式典には町民ら約100人が参加。主催者あいさつで大瀧委員長は「つながりや支え合いを再び確認し、コロナ禍で交流ができなかった他団体と手を携えて芸術祭を盛り上げてほしい」、富樫透町長が「芸術文化は心を豊かにするもの。自分の好きなことを通じて健康長寿につなげてもらいたい」とそれぞれあいさつ。引き続き行われた開幕記念発表では町内と南三陸町の歌や踊り、楽器演奏など19団体約200人が多彩なステージを展開した。
一方、響ホール正面入り口前広場では「なんでろ市」が初開催。キッチンカーや工芸販売など約30店舗が出店し、にぎわっていた。
2023年(令和5年) 09月05日(火)付紙面より
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鶴岡市の鶴岡北高の同窓会「如松(じょしょう)同窓会」の総会と懇親会が2日、同市の東京第一ホテル鶴岡で開かれた。鶴岡南高との統合による中高一貫校「県立致道館中学校・高校」の来春開校を控え、鶴岡北高としては“最後の総会・懇親会”となった。堀朋同窓会長は「明治30(1897)年の開校から126年の歴史と伝統を重ねた母校がなくなるのは本当に残念だが、鶴岡南高の鶴翔同窓会と一緒になる新たな同窓会、致道館高校とも前途に幸あれと祈念したい」と述べ、県内で最初、東北で2番目の開校だった高等女学校時代からの歴史に思いをはせてあいさつした。
コロナ禍のため対面形式では4年ぶりの総会・懇親会で、しかも最後ということもあり、30代から90代まで幅広い年代の会員が首都圏や関西圏からも含めて約220人出席した。同窓会歌、校歌斉唱に続き堀会長は「皆さん、ごきげんよろしゅうございます。多くの方々の出席に、母校に対する熱い思いと強い絆を感じます」とあいさつ。8月22日、母校の校庭にある「如松の松」の下に、校訓「氣品潑溂(きひんはつらつ)」の文字を刻んだ記念碑を建立・除幕したことに触れ、「母校は歴史を閉じて致道館中学校の校舎となるが、『鶴岡北高ここにあり』の思いを込めた」と報告した。来賓の難波理校長はあいさつで、今春の入学者117人のうち男子が45人だったことを紹介し、「これまで1学年10人、20人だった男子が一気に増え、統合による中高一貫校へのうねりを感じる」と述べた。
総会では本年度の事業計画などが報告され、母校の閉校式が10月17日に荘銀タクト鶴岡で開かれ、来年3月に同窓会閉会の集いを予定していることが説明された。2007年、卒業生の故・笹原操さんの遺言により4000万円の寄贈を受けて設立した如松育英会(笹原基金)の奨学金貸与制度については、鶴翔同窓会と統合後も笹原さんの遺志を継いで名称を残した上で、貸与型から給付型に移行して継続する方向で検討している。統合による同窓会「山形県立致道館高等学校同窓会」の第1回総会・懇親会は来年7月9日の開催で、如松同窓会側では鶴北31回生と41回生が当番となる。
総会終了後は、全日本合唱コンクール東北支部大会出場を決めた音楽部が演奏を披露し、鶴岡市史編纂(へんさん)委員の阿部博行さんが前身の鶴岡高等女学校を中心にした鶴岡北高の歴史について記念講演した。
2023年(令和5年) 09月03日(日)付紙面より
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庄内沖の底引き網漁が1日、解禁された。鶴岡市の県漁協由良総括支所では、漁業者たちが水揚げされた魚を仕分けする光景が見られ、由良漁港は2カ月ぶりに活気にあふれた。一方で福島原発の処理水放出を巡る風評被害や燃料高などに加え、海水温が高いため例年より漁獲量が減少しているなど、漁業者にとって頭を悩ませる課題が山積している。
底引き網漁は9月から翌年の6月まで行われる。資源保護のため7~8月の2カ月間は休漁となっている。
由良総括支所ではこの日午前1時前に6隻の底引き網船が出港。沖合約20キロで漁を行い、午後2時半を回ったころから順次帰港した。各船からは魚が詰まった木箱が次々と降ろされ、午後5時からの競りに向けて漁業者たちが魚種や大小を選別する作業に追われた。
この日水揚げされたのはマダイやヒラメ、ノドグロ、ヤナギガレイ、カワハギ、アマダイ、アンコウ、カナガシラなどのほか、高級魚のアラなども見られた。
午後3時ごろ帰港した第21輝修丸の石塚修船長(54)=鶴岡市三瀬=は「例年と比べて漁初日としてはあまり良くなかった。海水の表面温が30度と、今までなかったような高さが影響しているかもしれない。特にクチボソガレイがほとんど見当たらなかった。海水温が下がってからの漁獲量に期待したい」と話していた。
一方、魚の選別をしていた漁業者の一人は「燃料高騰でどの漁業者も苦しい状況。行政の対応は十分と言えない」と、ぶぜんとした表情で話していた。また、同支所の田中寿幸支所長(46)は「福島原発の処理水の風評被害で、今後は市場における魚のだぶつきや価格低迷が懸念される。影響が大きくなるなら県漁協として県など行政に訴える必要がある」と語った。