2023年(令和5年) 05月05日(金)付紙面より
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鶴岡市山五十川の河内神社の春祭典が3日、同地区で行われた。地元に伝わる県指定無形民俗文化財「山戸能」と「山五十川歌舞伎」が神社境内の古典芸能伝承館で奉納上演され、大勢の見物客がステージ上で繰り広げられる演目に見入った。
山戸能は能楽が伝えられた平安時代に始まったとされ、1964年に県の文化財指定を受けた。また、山五十川歌舞伎は300年ほど前の江戸中期、神楽に関連した村芝居として始まったと伝えられ、86年に県の文化財指定を受けた。一つの地域に能と歌舞伎が伝えられているのは全国でも珍しく、現在は山五十川古典芸能保存会が継承と後継者育成に取り組んでいる。
能の上演ではあつみ小学校の児童による「恋慕の舞」、五穀豊穣(ほうじょう)を祈る「式三番」に続き、たおやかな天女と勇壮な龍神の舞が見どころの番能「竹生島(ちくぶじま)」が披露され、観客を魅了した。
続く歌舞伎の演目は、源平合戦を題材にした「一谷嫩(いちのたにふたば)軍記 須磨の浦組討の場」。せりふを決めた役者が見えを切ると、観客は拍手と大きな声援を送った。
地元に住む本間美加さん(59)は「山戸能と山五十川歌舞伎は地域の誇りでかけがえのない伝統芸能。子どもや若い人にこれからも引き継いでいってほしい」と語った。
2023年(令和5年) 05月05日(金)付紙面より
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鶴岡市黒川の春日神社(難波玉記宮司)で3日、例大祭が行われ、地区に500年以上伝わる神事能「黒川能」=国指定重要無形民俗文化財=が奉納上演された。
上演されたのは式三番に続いて能「小鍛冶(こかじ)」と狂言「附子」、能「春日龍神」。平安初期(807年)に創建されたと伝わる春日神社本殿で上座と下座の能役者が伝統の舞を奉納した。
このうち「小鍛冶」は平安時代に京都で実在した刀匠にまつわる話。キレのある舞と快活な謡が特徴で前半から後半まで見どころが多い人気の番組として知られる。コロナ禍の3年間は感染防止対策のため関係者だけで行われてきたが、この日は久しぶりに一般にも公開された。訪れた人たちは舞台の前に座り、笛や小鼓の音が響く中、役者が演じる舞を見つめていた。
春日神社の神事能・黒川能は例年2月1日の王祇祭、3月23日の祈年祭、5月3日の例大祭、11月23日の新嘗(にいなめ)祭で奉納上演される。このほか、7月に櫛引総合運動公園野外ステージで「水焔の能」、10月にはろうそくの明かりの中で演じられる「蝋燭(ろうそく)能」も行われる。
「大御幣」練り歩く 上寺祭り
遊佐町上蕨岡の鳥海山大物忌神社蕨岡口之宮の例大祭(通称・上寺祭り)が3日、境内や参道で繰り広げられた。若衆が担いだ神の依代(よりしろ)「大御幣(だいおんべい)」が参道を練り歩き、祭り客はその勇壮さに拍手や歓声を送っていた。
約300年の歴史がある伝統の祭り。先端に太陽と月の両神を表す扇を付けた竹製で高さ約4メートルの大御幣を威勢よく担いで参道を練り歩くのが特徴で、華やかな花笠舞で知られる同神社吹浦之口宮の例大祭(吹浦祭り)と対比されることが多い。
この日は午後3時すぎから地区公民館「大鳳館」の玄関先に安置された大御幣の前で獅子舞を奉納。雲ひとつない好天の中、法被姿の若衆約20人が大御幣を担いで約250メートル区間を練り歩き、大鳥居前で空高く立てると熱気は最高潮に。行楽客からは拍手と歓声が上がった。
さらに本殿前まで大御幣を運び穴に据え、地区民が五穀豊穣(ほうじょう)などを祈願した。引き続き境内の神楽殿では、県指定無形民俗文化財「蕨岡延年の舞」が奉納上演された。
2023年(令和5年) 05月05日(金)付紙面より
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鶴岡市田麦俣の山形自動車道田麦俣トンネルで車2台が衝突し5人が死傷した交通事故を受け、県警高速道路交通警察隊は3日、大型連休中で通行量が増えた高速道の県内6カ所のサービスエリアで事故防止の啓発活動を行った。
このうち庄内では同市板井川の櫛引パーキングエリア(PA)でドライバーにチラシを配り安全運転を呼び掛けた。同隊の齋藤満鶴岡分駐隊長が櫛引PAに立ち寄ったドライバーに、大型連休中に庄内地方への観光目的だった車同士が衝突した事故概要を説明しながら「運転中に疲れたら無理せず休憩を」などと書かれたチラシを配った。
齋藤分駐隊長は「慣れない長距離運転は疲れやすいのでこまめに休憩を取りながら時間に余裕を持って行動してほしい。トンネル内は視界が単調なので集中して運転してほしい」と話していた。
事故現場は片側1車線で制限速度は70キロ。鶴岡市街地方面に向かって下り線を走行していた車が対向車線にはみ出し、上り線を走っていた車と衝突した。