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2023年(令和5年) 08月30日(水)付紙面より

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「もったいない」を「おいしい」に 鶴岡 未利用魚の活用学ぶセミナー

 あまり市場に出回らない魚「未利用魚・低利用魚」の活用方法について学ぶセミナーが28日、鶴岡市中央公民館で開かれた。未利用魚の加工販売を手掛ける「ベンナーズ」(本社・福岡市中央区)の井口剛志社長(28)が『「もったいない」を「おいしい」に。~未利用魚を全国へ~』をテーマに講演した。

 井口社長は1995年福岡県生まれ。高校を中退後、単身渡米し、メーン州の高校を経てボストン大学に進学、起業学を専攻した。大学を卒業後、祖父が水産加工をしていたこともあり2018年に「ベンナーズ」(資本金9500万円、従業員数40人)を設立。社長に就任し未利用魚を使った加工販売を展開している。

 講演で井口社長は、海の環境変化(海水温の上昇・黒潮の蛇行など)や漁師の高齢化による魚介類の水揚げが全国的に減少していることを指摘。その中で井口社長は「いま獲れる魚で何とかしていかなければならない。中でも未利用魚の一種『アイゴ』という魚をハムに加工して注目を集めている会社もある。自社では和食がブームとなっているタイに向けて販路を開拓していきたい。全国で漁獲量が落ち込む中、未利用魚の価値は今後、ますます高まってくるだろう」と語った。

 セミナーは鶴岡食文化創造都市推進協議会が企画した。地元の水産加工会社の担当者や鮮魚店と飲食店の店主、漁師、県水産研究所の研究員、未利用魚について学習する羽黒高校生徒ら合わせて約30人が参加した。

未利用魚の可能性について語る井口社長
未利用魚の可能性について語る井口社長


2023年(令和5年) 08月30日(水)付紙面より

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無声映画に彩り活弁士佐々木さんライブ まちキネ

 酒田市出身の活動写真弁士・佐々木亜希子さんによる「活弁ライブ」が26日、鶴岡市の鶴岡まちなかキネマで行われた。佐々木さんはチャップリンとロイドの喜劇、小津安二郎監督の日本映画の3本を、さまざまな声色を使ってせりふやナレーションを披露し、無声映画に彩りを添えた。

 「活弁」とは、無声映画に、映画を解説する弁士と音楽を生演奏する楽士が付く上映スタイルのこと。全盛期の頃は日本に数千人いたと言われる弁士も、現在では佐々木さんを含め15人ほどだという。

 蝶ネクタイにタキシード姿で舞台に登場した佐々木さんは軽妙な語り口でコミカルな場面を表現。佐々木さんと20年近くコンビを組んでいる楽士の永田雅代さんも、場面に合った伴奏で盛り上げた。

 チャップリンの「冒険」では、追手を逃れた脱獄囚のチャーリーが、海で溺れた母娘を助け、車で家に送る場面で、運転手役がチャップリンの実際の運転手だった高野虎市だといううんちくをさりげなく披露。さらにお礼に呼ばれたパーティーでは料理に「だだちゃ豆もありますよ」と紹介し、笑いを誘っていた。また、ロイドの「要心無用」では、田舎で待つ恋人との会話を庄内弁で語るなど、喜劇をさらにおもしろくさせる演出で観客を喜ばせていた。

 佐々木さんは「再開したまちキネで、また活弁を披露できてとてもうれしい」と笑顔で語り、活弁を楽しみにしていたという市内の70代の女性は「久しぶりに映画を観て、声を上げて笑った。機会があれば、また参加したい」と話していた。

スクリーンの両端に弁士と楽士が座り、活弁を披露した
スクリーンの両端に弁士と楽士が座り、活弁を披露した

場面に合わせたせりふやナレーションを語る佐々木さん
場面に合わせたせりふやナレーションを語る佐々木さん


2023年(令和5年) 08月30日(水)付紙面より

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関東大震災から100年になる

 「天災は忘れた頃にやってくる」―は、物理学者で随筆家・寺田寅彦博士が1923年9月1日の関東大震災を体験し、その後の災害を教訓にして残した言葉。その関東大震災から100年になる。東京を中心に襲った大震災では10万5000人余の死者・行方不明者を出した。自然災害では日本の歴史で最悪の人的被害で、死者の大多数は火災に巻き込まれたことが原因だった。

 今、首都直下型地震がいずれ起きると警鐘が鳴らされている。地震の周期性や科学者らの研究でそのような予測がされている。しかし「いつ」というピンポイントでの日時は確実に予測はできない。人々にできることは「いざ」に備える防災対策を怠らないことであろう。

◇      ◇

 日本は地震、津波、台風、豪雨、火山噴火などが、過去にも増して想像を超える大災害を引き起こしている。関東大震災を教訓に、国民に防災意識を高めてもらうため設けられた9月1日の「防災の日」を人ごととはせず、自分が住んでいる地域のハザードマップを確認し、非常持ち出し品などを点検したい。

 関東大震災では、本震の3分後に襲ってきた2回目の大きな揺れで被害が拡大した。寺田博士は『地震雑感・津波と人間』で、地震当日の事を「喫茶店の椅子に座っていて突然足の裏を木づちで乱打されたような主要動が襲ってきた」と述べている。博士は天井の揺れ具合を見て、この建物は大丈夫と感じたとも書いている。もちろん避難したが、とっさの時こそ冷静さを失ってはいけないとの指摘にも聞こえる。

 寺田博士は「冷静さを失えば災害とは違った悲劇が生まれ」とも述べている。大震災時のデマによって朝鮮人が虐殺される悲劇が起きた。正しい情報が伝わらず、パニックの中で流言飛語が先走った。博士は「人は恐怖心の反作用として、見境のない常軌を逸した行動に走る」とし、災害時こそ冷静に、正しい情報を得ようとする心を持たねばならないと述べている。

◇      ◇

 災害は起きないに越したことはないが、普段から防災の備えだけはしておきたい。高齢化社会で、人の手助けがなければ避難が容易でない高齢者や体の不自由な人、単身生活者も増えている。町内会で家族構成を調べるケースもある。個人情報を尊重しながら町内の現状を把握し、弱者の避難行動に生かしたい。

 想定外を想定することが危機管理だとも言われる。現代社会ではスマートフォンが重宝され、それがなければ何事もできないような風潮が高まっている。しかし災害で通信障害が起きたらどうするか。あって当たり前のものが使えない時の対処法を考えておくことも、想定外を想定すると言える。身を守るための防災は、普段の心構えから始まることを胸に刻みたい。

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