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2023年(令和5年) 08月27日(日)付紙面より

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戦争の悲惨さ 平和の尊さ 思い込め 酒田 「共創カフェ」公益大生や市民へ語る 三浦さん(鶴岡)広島での被爆体験

 戦争と平和について考える講話「原爆投下から78年 戦争と平和について考える」が25日、酒田市公益研修センターで行われ、旧制中学時代に広島市で被爆した洋画家・三浦恒祺さん(93)=鶴岡市新海町=が参加者に向け、自身の体験と平和への思いを語った。

 戦争の悲惨さと平和の尊さについて考える機会をつくろうと、酒田市の東北公益文科大学4年の大沼蘭さん(21)が企画、「共創カフェ」の一環で公益大地域共創センターが主催した。

 三浦さんは東京都出身で、15歳の時に広島で被爆。戦後両親の古里である鶴岡に移住し、自身の経験を基に抽象画の連作「原爆の形象」や「庄内の憧憬(しょうけい)」をテーマにした風景画などを発表している。「おりづるタワー」(広島市中区)の9層から成るらせん状スロープ「スパイラルスロープ『散歩道』」1層目のデザイン「光に向かって這っていけ」を担当。鶴岡市の致道博物館で現在、75年に及ぶ画家人生の集大成となる個展を開催している。

 この日は学生や市民約20人が参加。初めに立案者の大沼さんが「戦争という物事を他人事にしたくないという思いから立案した。テレビや本から聞くものとは違う、現実味を帯びた体験談を聞いて、後世につなげてほしい」とあいさつ。三浦さんは「勤労奉仕のため爆心地から約4キロ離れた場所で荷物を運ぶ作業をしていた時、原爆が落ちてきた。強い光と地響きを感じた直後、何が起こったか理解できないうちに強い突風に襲われた。きのこ雲が空の雲を押しのけて上がっていく姿はとても恐ろしかった。作業を終えて市街地に戻ると、爆心地から半径約2キロが何もなくなっていた」と「あの日」を振り返った。

 「学校へ戻る途中、焼けただれた体で『水をください』と話しかけてきた人たちのことが今も頭から離れない。何も持っておらず、何もできなかったことをずっと後悔している」と涙をこらえて語る場面もあり、「世界には今約1万3000発もの原爆があるといわれている。原爆は決して人間が持っていいものではない、一日でも早く核のない平和な世界が訪れることを祈っている」と平和についての願いを述べた。

 講話後、大沼さんは「致道博物館で三浦さんの作品を見て感銘を受けた。想像できないほどの熱さの中、亡くなった人たちが大勢いたという現実に、改めて戦争を許せないと感じた。今日聞いた話を、戦争のない未来のためにつなげていきたい」と感想を話した。

 三浦さんの個展は9月18日(月)まで開催している。

自身の被爆体験を語る三浦さん(中央)
自身の被爆体験を語る三浦さん(中央)


2023年(令和5年) 08月26日(土)付紙面より

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「羽黒山のスギ並木」保全へ協定 地元まちづくり協 北海道大研究セ 調査・計画策定事業が始動

 国の天然記念物に指定されている「羽黒山のスギ並木」を守ろうと地元・羽黒町手向集落の住民でつくる羽黒山スギ並木保全まちづくり協議会(会長・阿部良一出羽三山神社宮司)と北海道大学観光学高等研究センター(山村高淑(たかよし)センター長)が24日、連携協定を結んだ。樹齢350―400年が経過し、倒木の危険性があるスギ並木の保全を進める調査・計画策定事業が始動した。

 羽黒山随神門前で行われたセレモニー(始動式)には両団体の関係者や地域の課題について学習する羽黒高校の生徒ら合わせて約50人が参加。交わした協定書を披露した後、スギの「記念モニュメント」を除幕した。スギ並木の現地説明会では今年3月まで出羽三山神社の森林技師を務めた鈴木栄作さん(69)が外観から分かる危険木の特徴について説明した。

 その中で鈴木さんは「国の天然記念物に指定されているため、腐食して倒れそうなスギであっても枯死しなければ伐採できない法律がある。日光東照宮のように幹にワイヤを取り付けて参道側に倒れない処置を施すことが必要。今後、石段沿いにあるスギ558本の健康状態を1本ずつ確かめる作業が求められる」と話した。現在、確認されている枯れたスギは18本。参道に重機が入れないため1本処理するのに約25万円の費用がかかるという。

 山村センター長の代理として参加した北海道大学の天田顕徳博士(41)は「枯れたスギの処理をすべて管理する出羽三山神社に任せればいい、というものではないと思う。地域全体で守ることが大切。保全するための財源をどう確保すればいいのか。今後、(北海道大学の)学生や地域住民と考えていきたい」と語った。セレモニーの冒頭で保全まちづくり協議会長の阿部宮司(66)は「今日は羽黒山スギ並木を後世に残すため具体的な活動がスタートする日。ミシュラングリーンガイドで三つ星を獲得し、多くの人たちに親しまれているスギ並木を皆さんとともに守っていきたい」とあいさつした。

参道で行われた現地説明会。鈴木さん(左)からスギ並木の現状を聞いた
参道で行われた現地説明会。鈴木さん(左)からスギ並木の現状を聞いた

保全まちづくり協議会長の阿部宮司や北大の天田博士が随神門前の記念モニュメントを除幕
保全まちづくり協議会長の阿部宮司や北大の天田博士が随神門前の記念モニュメントを除幕


2023年(令和5年) 08月26日(土)付紙面より

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戦争終結への手立てはないのか

 ロシアの一方的なウクライナ侵攻から24日で1年半。ロシアは「特別軍事作戦」と呼ぶが、これまで両国合わせて約50万人が犠牲になり、民間人や子どもも多い。明らかに侵略戦争にほかならない。ウクライナからの穀物輸送船の航行を妨害し、食料難の国々をも苦しめている。戦争に大義はない。ロシアは一刻も早く戦争をやめるべきだ。

 ロシアをNATO(北大西洋条約機構)諸国の脅威から守るというのがプーチン大統領の言い分だ。だからと言って独立国を侵略してもいい理由はどこにもない。脅威をあおって戦争を仕掛け、犠牲者やそれを悲しむ家族を顧みないとは、愚かとしか言いようがない。

◇      ◇

 ロシアはウクライナ南東部の、4つの州に住む親ロシア派住民を救うためとし、一方的に武力で侵略した。ウクライナの住民を監視しながらロシアに都合よく併合への賛成票を投じさせた。無差別にミサイルを打ち込んで市街地を破壊しているだけでなく、巨大なダムを破壊して600平方キロ(庄内全域の4分の1に相当)の街や農地を水没させた。何よりも「争いの原因は西側諸国にある」とするプーチン大統領の言い分は、詭弁(きべん)に過ぎない。

 米国の有力紙は、複数の当局者の話として、戦争が始まってからロシア側の死者は約12万人、負傷者は最大18万人、ウクライナ側はそれぞれ約7万人と12万人と推計されているという。双方が正確な兵士の死傷者の数を公表していないが、これよりも多い死傷者がいるのは確実であろう。

 戦争は殺人と破壊の何物でもない。ウクライナ国内にある国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産リストに登録されている歴史地区も容赦なく攻撃された。国際刑事裁判所(ICC)は宗教・教育・芸術・歴史的建造物などを攻撃することは戦争犯罪としている。ロシアは武力紛争時の文化材の保護を定めたハーグ条約に加盟しているにもかかわらず、攻撃が国際法違反の侵攻であることを顧みようとしない。破壊は蛮行である。

◇      ◇

 独裁政権で怖いのは、国民に正しい情報を伝えないことだ。政府に批判的なメディアを監視下に置き、国民には政府に都合の良い事しか伝えない。それによって「特別軍事作戦」という名の「戦争」を国民は支持する。太平洋戦争時の、日本の軍部の「大本営発表」と同じ。正しい情報を知らされないことは、間違った方向に進むだけだ。

 愛国心を植え付けるように教科書を書き換えたという。偏った考えを根付かせ、戦争を長引かせて将来的に徴兵、総動員を容易にするためと言われている。ロシアの国防費は倍増して国家予算の3分の1を占めるという。国民生活にも影響が出よう。戦争は最大の無駄遣いと環境破壊であることに、ロシアの人々が気付き、国内から戦争阻止の動きが広がることを願いたい。

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