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荘内日報ニュース


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2023年(令和5年) 04月29日(土)付紙面より

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「致道館中学・高校」作業本格化 来春開校向け準備室開所

 鶴岡市の鶴岡南と鶴岡北の両県立高校を統合し新設の県立中学校を併設して2024年4月に開校する「致道館中学校・高等学校」の開校準備室の開所式が28日、致道館高校の校舎となる鶴岡南高校で行われた。庄内地域で初となる中高一貫校の1年後の開校に向けた作業を本格化させる。

 開所式で、室長の遠田達浩鶴岡南校長、難波理鶴岡北校長、県教育委員会の吉田直史教育次長、吉田武史高校未来創造室長の4人が、4月1日付で設置された準備室の事務室出入り口に木製の看板を掲示。吉田教育次長が「開校準備室は設備・備品の購入、移転の計画・実施、入学者募集など学校運営全般に関する多岐にわたる膨大な作業を担う。県民の期待に応えられる学校として、順風満帆の門出となるよう、協力をお願いする」とあいさつした。

 開校準備室は県教委の開校準備委員会の事務局となり、専任6人を含む両校の教職員ら13人体制。教育計画・施設設備・生徒保健・総務事務の4つの作業班を有し、開校に向けた全体の業務・検討・調整を担う。

 鶴岡北の校舎を活用する致道館中学の入学定員は99人で1学級33人の3クラス、致道館高校の入学定員は普通科200人・理数科80人で、1学級40人の7クラス。致道館中学の1期生となる入学者選抜は24年1月6日に実施する。今年7月末に小学6年の児童・保護者を対象にした学校説明会、9月ごろに入学者選抜説明会を行い、出願期間は11月27日―12月1日。入学定員99人のうち、中学から致道館高校への進学は普通科59人程度、理数科40人程度となる。

 校名は県議会6月定例会の議決を経て正式に決定する。県教委は、6月ごろに校章の公表、作詞・作曲者を選定した上で校歌の公表は12月ごろを予定している。

「致道館中学・高校」開校準備室の看板を掲示した左から吉田高校未来創造室長、吉田教育次長、鶴岡南校長の遠田室長、難波鶴岡北校長=28日、鶴岡南高仮校舎
「致道館中学・高校」開校準備室の看板を掲示した左から吉田高校未来創造室長、吉田教育次長、鶴岡南校長の遠田室長、難波鶴岡北校長=28日、鶴岡南高仮校舎

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2023年(令和5年) 04月29日(土)付紙面より

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青空の下爽快ドライブ 鳥海ブルーライン全線開通

 鳥海山(2236メートル)の中腹を通り、遊佐町と秋田県にかほ市を結ぶ山岳観光道路「鳥海ブルーライン」(延長約35キロ)が28日、全線開通した。青空が広がる穏やかな天候の中、遠くは大分や奈良といった県外ナンバーの車やオートバイが数多く訪れ、最も高い場所では5メートルほどもある雪の壁を見上げながら爽快なドライブを楽しんだ。

 遊佐町側では午前10時から旧小野曽ゲートで開通式。一番乗りした庄内町の30代男性に花束と町特品の詰め合わせが贈られた。ゲートが開くと車列がスタート。同町の大平山荘(標高1000メートル)で、コロナ対策で見送っていた秋田県側との同時開通セレモニーを4年ぶりに開いた。

 時田博機遊佐町長は「環鳥海のみんなが力を合わせ互いに敬意を払いながら鳥海観光を盛り立てよう」、市川雄次にかほ市長は「私たちが鳥海山の観光振興、自然保護に責任を持ち、より良いものにしていこう」と、それぞれ呼び掛けた。引き続き神事が行われ、両市町の関係者が玉串をささげ、シーズン中の無事故・安全を祈った。同ラインは路面凍結の恐れがあるため当面、午後5時から翌朝8時まで封鎖される。

高い雪の壁を見上げるようにしてドライブ
高い雪の壁を見上げるようにしてドライブ


2023年(令和5年) 04月29日(土)付紙面より

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一日一題 図書館と書籍を大切に使いたい

 庄内町立図書館が29日から5月5日まで、除籍本を無料配布する「リサイクルブックフェア」を開く。1回につき1人20冊までもらえ、別の日に行けば再度もらうことができる。同図書館の新築移転で現図書館が閉館することに伴う企画。30日は「図書館記念日」。多くの人に本を大切にし、喜んで読んでもらう機会としたい。

 図書館では、蔵書の入れ替えなどでリサイクルブックフェアを開くことがあるが、そうした機会は多くはない。めったにない機会は、図書館をより有効に活用する時でもある。ただほかの人の利用も考え、本当に読みたい本だけ選びたい。

 図書館記念日は1950年、文化立法とされる図書館法が公布されたことに由来する。併せて5月1カ月間は「図書館振興の月」でもある。同記念日が設けられたのは戦後間もなく。戦時中は軍部などによって制約が多かった出版物は終戦によって復活、新たな雑誌も数多く創刊された。抑圧されていた文化環境が開放され、活字・雑誌に“飢えていた”人々は書籍を求めたという。

 図書館は書籍・活字文化の振興に貢献し、現在は大方の自治体が図書館を運営している。戦前の話になる。作家の藤沢周平さんは金峯山の麓から鶴岡公園内の市の図書館に歩いて出掛け、天井まで届くように書棚に並べられた本を見て興奮したという。しかし、藤沢さんのように遠い距離を通ってくることは、なかなか難しいこともある。鶴岡市立図書館は交通の便が良くない地域の人たちのため、市内50カ所余を図書を積んで巡回する自動車文庫を運行、月1回の貸し出しで、住民の読書に応えている。

 図書館に出掛け、本を見て回るだけでも楽しい。ただ、例えば鶴岡市立図書館の蔵書数は37万冊余。分野別に整理されているとはいえ、求めている本を探すのに難儀することもある。そんな時は図書館の職員に尋ねると短時間で探し出してもらえる。書棚になくても別の書庫に保管されていることもある。尋ねることは図書館をより効率的に利用する方法といえる。

 図書館は個人のものではなく公共のものであることは、言うまでもない。蔵書は大事に扱わなければならないが、文章にアンダーラインが引かれたり、メモが書き込まれている本を見掛けることがある。「本を汚さない」は、本を借りるに当たっての最低限のルール。学習・研究・調査を目的に利用される新聞も、カッターナイフで切り取られていることもある。悲しい話だ。

 日本の識字率は100%近い。幼い頃から本に触れる機会が多いからにほかならない。一方、活字離れが語られて久しいのは、気掛かりな事だ。文章を読むことは生きる力を養う源。その源が図書館にはいっぱい詰まっている。ぜひ図書館に出掛け、本の素晴らしさと出会ってもらいたい。

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