2021年(令和3年) 12月24日(金)付紙面より
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JA庄内たがわ女性部の新余目支部(梅原美恵支部長)と立川支部(太田みつ支部長)の両支部は23日、家庭で余った食品などを集める「フードドライブ」の品物を庄内町社会福祉協議会(奥山賢一会長)に寄贈した。
同女性部では、これまで組織全体でフードドライブを行い、県社協に贈るなど活動してきた。コロナ禍の今年からは各支部が所在地の社協に贈ることになり、両支部では同町社協に贈ることにした。両支部では、先月下旬から今月15日まで計約200人の支部会員に家庭で余っている食料品提供の協力を求め、米やうどん、缶詰、食用油、インスタントコーヒーなど計約50点を集めた。
この日は太田支部長、本間洋子・立川副支部長、梅原支部長の3人が同町社協を訪れ、奥山会長に品物を手渡した。
太田支部長は「善意で集めたものを寄贈させてもらった。生きづらい世の中が少しでも明るくなれば」と話し、奥山会長は「年の瀬も迫っているので、こうした気持ちは大変ありがたい。皆さんの善意が伝わるよう有効に活用したい」とお礼を述べた。
同町社協では、生活困窮者への支援品として活用することにしている。
2021年(令和3年) 12月23日(木)付紙面より
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鶴岡市長の皆川治氏(47)が2017年10月の市長選の選挙期間中、男性支援者(75)から現金100万円の寄付を受け取ったものの、選挙運動費用収支報告書、自身が関係する政治団体の政治資金収支報告書のいずれにも記載せず、今年8月になって支援者に返金していたことが、荘内日報の取材で分かった。収支報告書の不記載などとして公職選挙法や政治資金規正法に抵触していた可能性がある。皆川氏は当初、荘内日報の取材に「それは何とも言えない」と述べていたが、22日になって事実関係を認めた上で、「収支報告書には記載しなければならないとの認識はあったが、忙しくて失念していた」と語った。自身の進退については「引き続き市長職を全うしたい」と述べた。
関係者によると、皆川氏は前回市長選の告示翌日の17年10月9日夜、同市藤島地域での個人演説会の後、移動のため車に乗り込んだ際、100万円が入った封筒を支援者から受け取った。
支援者はその後、全国的に「政治とカネ」に絡んで、収支報告書の記載漏れで辞職する政治家がいることを報道で知り、自身の寄付が収支報告書に記載されなければならないと認識。今夏に皆川氏に報告書の訂正を働き掛けたという。
これに対して皆川氏は、今年10月の市長選を前にした8月28日午前7時半ごろ、自身の選対に携わる元県議の男性と二人で「返金に来た」と支援者宅を訪れた。支援者が受け取りを断ると、現金の入った封筒を玄関に置き、そのまま立ち去ったという。封筒は、支援者が4年前に現金を入れたものとは別の物だった。
支援者は同日に再度、皆川氏に報告書の訂正を求めた。支援者は取材に「報告書を訂正すべきであり、返金を受けたつもりはない。お互いに正々堂々としようと、市長には助け船を出したつもりだったが、4年もたって突然返金されるとは思わなかった。寄付を無かったことにされるのは、悔しい」と語った。
22日午前、皆川氏は市役所で報道陣の取材に応じ、「私の政治活動に関して収支報告書に記載漏れがあり、適正な対応をしてこなかったことに対しておわび申し上げる。今後、訂正を含め適切な対応を取っていく」と陳謝した。寄付の受け取り後、約4年経過し、市長選前の今年8月になって返金したことについては「記載漏れがあると、(私の)耳に入ってきたので、返して理解いただけないものかと考えた」とし、報道陣の「不記載によって、結果的に選挙運動費用の裏金になった」との指摘に対し、「そうした認識はない。私の方が適正に処理することを怠っていた」と釈明した。
法令違反だったことに対する責任については「今後、政治資金の取り扱いを適正にすることが、責任の取り方だと思う」と語った。
政治資金規正法は政治家個人への現金の寄付を禁じているが、選挙運動に関する場合は認められる。選挙運動費用収支報告書への記載漏れや虚偽の記入は、3年以下の禁錮または50万円以下の罰金が科される。4年前の今回の不記載のケースは、既に公訴時効となっている。
2021年(令和3年) 12月23日(木)付紙面より
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山形大農学部(鶴岡市、村山秀樹学部長)は本年度、2019年4月のカリキュラム再編で新設した「地域創生プログラム」を本格始動させ、3年生が分野横断的に授業を選択するとともに、地域に出向きさまざまな体験に取り組んでいる。20日にはその一環で、学生が鶴岡市藤島のJA庄内たがわ農産加工技術研修施設で、農家女性からこんにゃく作りを学んだ。
同学部は19年4月、それまでの1学科6コースから3コース(アグリ、バイオ、エコの各サイエンス)に再編。併せて3年次から各コースの専門性を高める従来型の「基幹プログラム」に加え、他コースの授業も横断的に選択できる「国際展開プログラム」「地域創生プログラム」を新設した。
このうち地域創生プログラムは、食や農を核とした地域ニーズに応えるため、地域の活性化や地域社会マネジメントについて学び、地域課題の解決を目指すもの。地元の産学官でつくる地域定住農業者育成コンソーシアム(会長・村山学部長)による年間162時間の「食と農のビジネス塾」や、地域社会のニーズや地域課題を探る「地域創生プログラム実習」などの授業を選択できる。
3年生がコース横断的に授業を選択できる初年度の本年度は、13人(アグリ9人、バイオ1人、エコ3人)が地域創生プログラムを選択。春から農業の生産や加工、販売の各現場に出向くなどしている。
この日のこんにゃく作りは、地域創生プログラム教育ディレクターの藤科智海准教授(47)が担当する「地域創生プログラム専門演習」で、この春からJA庄内たがわと取り組んでいる共同授業の5回目。3年生9人(うち4人が地域創生プログラム選択)と大学院生2人の計11人が、同JA女性部(蓮池まき部長)メンバーから、蒸したコンニャクイモを水と一緒にミキサーにかけた後、手で練り、凝固剤を入れて煮るなどの作業に取り組んだ。
ともに地域創生プログラムを選択している門脇聖さん(21)=岩手県奥州市出身=は「実家が農家だが、このプログラムで農作業や販売などを体験し、生産者目線から農業のやりがいや可能性を見て、就農への決意が固まった」、横尾桜子さん(21)=東根市出身=は「学外に出て、農業の原点である地元の人と関わる機会は貴重で、楽しい。コース横断的な授業も、視野が広がり、刺激になる」と話した。
藤科准教授は「プログラムには、答えが分からない地域課題に、さまざまな分野の知識を駆使して向き合っていく人材を育てる狙いもある。地域の大学として、地域をフィールドに学びを深めてほしい」と話した。