2018年(平成30年) 09月05日(水)付紙面より
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庄内札所三十三観音拝観や出羽三山巡礼などを盛り込んだ韓国からのモニターツアーが1―4日の3泊4日の日程で実施。一般参加者23人が東北の古刹(こさつ)巡りなどを楽しんだ。
県の「仙台空港?山形・庄内ルート情報発信事業」の一環で行うモニターツアーで、庄交コーポレーション庄交トラベル事業部と、韓国で県のプロモーションを行う現地の旅行業者「BRIGHT SPOON」が企画。韓国から同社の顧客23人と、メディア関係者4人が韓国の仁川空港から仙台空港経由で1日に本県入りした。
初日に天童で1泊後、2日目から庄内へ。湯殿山の火祭り祈願や金剛樹院での説法拝聴、注連寺、羽黒山の国宝五重塔、善寳寺などを巡った。
3日目は、庄内町の光星寺参拝、最上川舟下り、酒田の相馬樓で酒田舞娘演舞鑑賞を経て、庄内札所三十三観音霊場第十二番の洞瀧山總光寺へ。仏教僧のオ・キュウボンさん(64)は同寺の国指定名勝庭園「蓬莱園」などを鑑賞し、「華麗な奈良の寺院とは違った趣で、自然への憧れを感じた」と笑顔。一方で「韓国の一般の方が東北の古刹巡りを楽しむには、日本文化への造詣がある程度は必要になってくると思う」と指摘した。
BRIGHT SPOONの担当者も「韓国では四国お遍路巡りが人気で、体験された方が再び来日して今度は東北へ足を延ばすケースもあるが、庄内三十三観音だけで韓国からの観光客取り込みは難しい。トレッキングなどを盛り込んだ商品で、魅力を売り出す必要がある」とした。
2018年(平成30年) 09月05日(水)付紙面より
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先月に長野県内で開催された第42回全国高校総合文化祭(2018信州総文祭)の写真部門で最高賞「文部科学大臣賞」を受けた県立酒田光陵高校3年の佐藤礼偲さん(18)=同校写真部前部長、酒田市上本町=が3日、市庁舎を訪問し丸山至市長、村上幸太郎教育長に受賞を報告。佐藤さんは「地域の良さを温かみを持った写真で表現していきたい」と抱負を語った。
佐藤さんは祖父の影響で幼少時から写真に親しみ、自ら撮り始めたのは14歳の時。光陵高入学とともに写真部に入部し、昨秋から総文祭終了時まで部長として約50人の部員を束ねた。昨年10月に庄内地域で開催された第41回県高校総合文化祭に「ひだまり」と題した作品を出して最優秀賞を受けた。この作品はさらに第42回全国総文祭に出品され今回、最高賞を受賞した。
作品「ひだまり」(縦40センチ、横50センチ)は由利高原鉄道黒沢駅(秋田県由利本荘市)で撮影したもので、西日を浴びながら線路脇で草刈りをする女性と、女性に向かって手を振る列車の車掌を切り取った。同校写真部顧問の池田正敏教諭によると、全国総文祭で審査員長を務めた、同市の土門拳記念館理事で写真家の大西みつぐさんからは「つながりがよく分かる作品。地域が見える写真」と評価を受けたという。長野県安曇野市の豊科公民館で先月10日に行われた表彰式で、佐藤さんは林芳正文科大臣名の賞状を受け取った。
佐藤さんは3日、鈴木和仁校長、池田教諭と共に市庁舎を訪問。丸山市長は「写真をはじめ芸術文化を地域活性化の核にしたいと考えている。最高賞の受賞はその弾みになる」、村上教育長は「機会を見つけて広く市民に紹介したい」とそれぞれたたえた。
「写真家になりたいと思っており、写真を学ぶことができる専門学校への進学を考えている」と話す佐藤さんは「より多くの地域を訪れ、多くの良い人に出会いたい。写真を通じて特に東北地域の良さを自分の感性で発信していくことができたら」と話した。
2018年(平成30年) 09月04日(火)付紙面より
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第56回県民芸術祭開幕式典が2日、鶴岡市の荘銀タクト鶴岡(市文化会館)で行われ、記念公演で鶴岡市芸術文化協会加盟団体など市内36団体約500人による総合舞台芸術「水のファンタジー いのちの輝き」が上演された。鶴岡の各地域の歴史や文化、風習などを織り込んだ2時間を超える大型舞台で、市民をはじめ県内各地から訪れた芸文関係者を魅了した。
記念公演は、今年3月にグランドオープンした同館の本緞帳(どんちょう)に採用された日本画家・千住博さんの作品「水神」にちなみ、水の精になった子どもたちが水神の力を借りながら宝物探しをする物語。水に関わる山や森、里、雨、海との出会いを通じて、生命の源でもある「水」の大切さを描いた。台本や演出、舞台美術、音響効果、照明プランなどを市民が手掛けた。
山岳信仰や漁業など同市の合併6地域の風土を盛り込み、東栄小児童による藤島地域の獅子踊りや櫛引地域の保存会による丸岡桐箱踊りなどの伝統芸能のほか、保育園児の舞、詩吟や庄内弁の民話、琵琶や管弦楽の演奏、フラメンコやフラの群舞などさまざまな場面に市民が登場。各団体の総力を結集して壮大なファンタジー舞台を繰り広げ、鶴岡の芸術文化の総合力を示す内容ともなった。最後には出演者全員で市民歌を合唱し、記念公演のフィナーレを飾った。
記念公演に先立ち行われた式典は、鶴岡北高音楽部による県民歌「最上川」の合唱で開幕。吉村美栄子知事(代理)、大谷駿雄県芸術文化協会長、皆川治鶴岡市長、開幕事業実行委員長の東山昭子同市芸術文化協会長があいさつ。荘銀タクト鶴岡のエントランスホールでは、オープニングセレモニーとして市芸文協加盟団体による各種作品展示、呈茶なども行われた。