2019年(令和1年) 05月25日(土)付紙面より
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酒田市の鳥海八幡中学校(田中学校長)で23日、車椅子介助の講習会が開かれ、1年生74人が車椅子の構造や操作方法を学んだ。生徒たちは来月2日に予定されている地区運動会の際、会場を訪れるお年寄りたちを介助する。
生徒たちの社会参加を促そうと、旧鳥海中時代の1997年から続く恒例の講習会。同市本楯の老人保健施設「うらら」、同校近くの特別養護老人ホーム「幸楽荘」のスタッフら4人が指導に当たったほか、使用した車椅子は、福祉用品販売・レンタルなどの「福祉用品やまがた」(酒田市亀ケ崎四丁目)が用意した。
講習会は同校体育館で行われ、「うらら」理学療法士の矢島慎也さんが車椅子の構造や操作法、持ち上げ方などを解説し、「乗っている人に不快な思いをさせないよう、細心の注意を払って」「動かす時は必ず声掛けを」と述べた。
引き続き校内で車椅子操作の実地練習。生徒たちは交代で押したり、階段では4人がかりで持ち上げるなど扱い方のこつを学んだ。参加者の一人、佐藤瑠俐さん(13)は「車椅子の操作は初めてで、思っていた以上に大変だった。学んだことを地区運動会での介助に生かしたい」と話した。
2019年(令和1年) 05月24日(金)付紙面より
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国土交通省酒田河川国道事務所は23日、建設中の日本海沿岸東北自動車道(日沿道)酒田みなと―遊佐間12キロのうち、酒田みなとインターチェンジ(IC)―遊佐比子IC(仮称)間5・5キロについて、2020年度までに開通すると発表した。日沿道が秋田県境側に向かって北に延伸する形となり、遊佐町に高速道路が達する。
酒田みなと―遊佐間は2009年度に新規事業化され、国交省が現在、建設工事を本格化させている。全体事業費約310億円。17年度末の事業費ベースの進捗(しんちょく)率は約44%、用地買収の進捗率は約93%。インターチェンジ(いずれも仮称)は「遊佐比子」「遊佐十里塚」「遊佐鳥海」が設けられる。設計速度80キロの2車線で、開通後は無料区間となる予定。
建設は酒田みなとICから遊佐比子ICにかけて集中的に行われ、日向川橋の建設や県道や市道を横断する橋の工事、藤塚地区などで改良工事が進められている。遊佐比子ICは酒田方面との間での乗り降りのハーフインターとなる。本年度は国の当初予算に50億3000万円が盛り込まれた。
酒田みなと―遊佐比子間が開通すれば、重要港湾・酒田港を核とした物流の活性化、観光振興、救急搬送エリア拡大などへの効果が期待される。
2019年(令和1年) 05月24日(金)付紙面より
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鶴岡第五中学校(山口幸一校長)の1年生100人余が22日、地域学習の一環で、日本遺産「北前船寄港地・船主集落」に追加認定された鶴岡市の構成文化財「加茂港周辺の町並み」をテーマに学んだ。
同校では地域に根差した総合学習「たかだて学習」の中で、学区内の環たかだて地域の魅力発信や、地域発展を図る企画、地域を担う人材育成などを目的とした探求型学習「たかだてカンパニー」に取り組む。
体験学習の初日のこの日は、午前中20班に分かれて各地区のコミセンなどを訪問して現状を取材。昼すぎから学校に戻った後、鶴岡市史編纂(さん)委員で、高館山や加茂周辺でのフィールドワークを続けてきた升川繁敏さん(64)=鶴岡市稲生一丁目=から加茂の日本遺産について聞いたほか、山形大農学部の江頭宏昌教授の講話で「地域の魅力発信と在来作物」も学んだ。
升川さんは、北前船航路の起こりや加茂港の変遷について、史料や当時の時代背景と関連させながら解説。荷物の運送や、海運業者と荷送り人との仲介を果たすなどした加茂の船問屋の取引内容や規模を踏まえて「江戸末期には毎月大小合わせて200隻が輸出入で寄港した」などとにぎわいぶりを紹介。明治時代における通信技術や鉄道・陸路の発達、日露戦争による日本海の治安悪化など北前船衰退の背景にも触れた。最後に「地域に目を向けて、これから港をどう生かすかを考えてもらいたい」と呼び掛けた。佐藤孝太さん(12)は「大山小での調べ学習を通して二重構造の立派な蔵が加茂に残っているのは知っていたが、まだまだ知らないことがたくさん。いろいろ調べて魅力発信していきたい」と話した。
生徒たちは今後学んだ内容をポスターにまとめ、6月に発表会を開く予定。