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荘内日報ニュース


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2024年(令和6年) 09月24日(火)付紙面より

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山ぶどうつる籠に魅せられて “クラゲ館長”村上さん(鶴岡)初の個展 退任後10年 独学で編む

 鶴岡市立加茂水族館の前館長で現名誉館長の村上龍男さん(84)=鶴岡市羽黒町野荒町=が、来月5日から同市羽黒町仙道の羽黒・芸術の森今井アートギャラリーで、山ブドウのつるなどを使って自ら編んだ籠の展示会を開く。師匠などは持たず見本を参考にしながら独学で製作しており、村上さんは「プロの作りではないが、素人なりに精魂込めてデザインした。ぜひ多くの方から見に来てもらいたい」と話している。

 自身初の個展で、娘や孫たちが企画したという。展示会のタイトルは「クラゲ館長が編む山ぶどう籠展―ゼロからスタートした独学籠細工―」。展示会の名称も家族が考えた。近作を中心に籠細工約50点のほか、50年ほど前にアケビのつるを使って初めて製作した釣り用の腰ビクなど旧作や、村上さんが手掛けた長さ7メートル前後にもなる庄内竿なども展示する。

 展示は5日(土)~13日(日)で、7、8の両日は休館日。時間は平日が午前11時から午後4時、土日祝日は午前10時から午後4時まで。問い合わせはハヤシワックス=電0235(62)4179=へ。

 村上さんと籠細工の出合いは50年ほど前。知人が持っていた籠を見て「釣り用の腰ビクが欲しい」と考えたが、周囲に作る人がおらず借りた見本を見よう見まねで製作した。「形はゆがんでいて隙間も大きかったが、完成したことがうれしかった」と話す。

 水族館業務の傍らで籠細工の製作を続け独学ながら技術も向上したが、1997年のクラゲとの出合いを機に水族館業務や講演などで多忙となり、籠細工から離れた。

 “クラゲ館長”として忙しい日々を送る中、荘内神社で山ブドウのつるを使った籠を目にし感銘を受けた。2015年に館長を退任するまで籠づくりはできなかったが、「ずっと山ブドウの籠が気になっていた」という。退任後、すぐに山ブドウの籠づくりを開始。イワナ釣りを続けていたため、地元で山ブドウが生えている場所を知っており、材料が手に入りやすかったのも大きかった。「覚えているだけで20個ほどは知人友人にあげた。それでも50個以上が手元に残っている。最近は年を取ったため山ブドウのつるは委託して入手している」と話す。

 独学とは言え、デザインなどは相当な凝りようだ。男性用なら平たくつぶしたつるを一部に用いるなど大胆な編み方をしており、女性用なら細かな編み目に加えて籠の上段、中段、下段で編み方を変えるなどさまざまな手法を使っている。

 村上さんは「館長を引退して10年。素人がゼロから始めた籠づくりだが、自分なりにデザインを考えた。隠居した人間だがこんなこともできるというところをぜひ見てもらいたい」と話していた。

大きめのつるを用いた大胆なデザインや、編み方を変えながら細やかに作り上げた籠を手にする村上さん
大きめのつるを用いた大胆なデザインや、編み方を変えながら細やかに作り上げた籠を手にする村上さん


2024年(令和6年) 09月24日(火)付紙面より

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鹿児島の青年たち来鶴 兄弟都市で研修と交流

 鶴岡市と兄弟都市の盟約を結ぶ鹿児島市の青少年団体リーダー研修の一行が20日来鶴し、市内視察や鶴岡の青年たちとの交流会などを通して兄弟都市への理解を深めている。

 両市は戊辰戦争(1868―69年)をきっかけとした薩摩の西郷隆盛(南洲)翁と庄内の菅実秀(臥牛)翁の「徳」の交わりを縁に、1969(昭和44)年に兄弟都市の盟約を締結。以後、中学生や青年団体の国内研修事業などで相互交流している。

 今回来鶴したのは、鹿児島市のスポーツ少年団指導者協議会の福永俊介さん(39)と勤労青少年ホーム利用者友の会の市來麻妃(いちきまい)さん(39)の研修生2人と、市教育委員会の担当者1人の計3人。22日までの2泊3日の日程で、庄内藩校致道館、松ケ岡開墾場、致道博物館、酒田市の南洲神社などを訪れ、藩校教育や戊辰戦争の歴史、庄内地域に残る南洲翁の功績などに触れて研修。青年交流で鹿児島市に派遣された鶴岡市民でつくる庄鶴鹿維(しょうかくかい)のメンバーとの交流もあり、歓迎会や鹿児島など南九州地方から伝わったともされる灰汁(あく)を使った笹巻作り体験などもある。

 初日は羽田空港経由の空路で庄内入りし、最初の研修先として鶴岡市家中新町の菅家を訪問。現当主の秀二さん(78)から南洲と臥牛両翁の心の交わりや旧庄内藩士たちが編んで全国を回って広めた「南洲翁遺訓」の成り立ちなどを聞き、実秀翁に贈った南洲翁直筆の書を見学。鹿児島と鶴岡の交流の深さに触れていた。この後、市役所で皆川治市長を表敬訪問した。

 今年は兄弟都市盟約55周年に当たり、11月に鶴岡で記念式典が開かれる。

菅家を訪れ、当主の秀二さんから南洲翁が臥牛翁に贈った直筆の書の説明を受ける研修生=20日
菅家を訪れ、当主の秀二さんから南洲翁が臥牛翁に贈った直筆の書の説明を受ける研修生=20日


2024年(令和6年) 09月24日(火)付紙面より

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甘くておいしい!!果汁がたっぷり くしびきフルーツ食べ比べ 櫛引産の魅力発信 自分だけのタルト作りも

 櫛引地域産業振興プロジェクト推進協議会(鈴木光秀会長)主催の「くしびきフルーツ食べ比べ&TEA TIME」(ブドウ編)が21日、鶴岡市末広町のマリカ東館内つるおか食文化市場FOODEVER(フーデバー)文化体験スペースで開かれた。シャインマスカットなど旬の櫛引産ブドウの食べ比べと、ブドウをふんだんに使ったタルト作りなどが行われ、参加者が楽しいひとときを過ごした。

 櫛引産フルーツの魅力発信と地産地消を目的に、同協議会が実施している。本年度は6月の「サクランボ編」、8月の「桃編」に続いて3回目の開催で、庄内一円から女性を中心に子どもから大人まで20人余りが参加した。

 初めに同協議会フルーツの里推進員の馬場合さんが櫛引産ブドウの摘粒など育成方法や豆知識について解説。食べ比べでは人気の「シャインマスカット」や「翠峰」などマスカット系をはじめ、黒紫色の大粒種「ピオーネ」、シャインマスカットの兄弟品種「オリエンタルスター」など18種のブドウが用意された。

 見た目も鮮やかなブドウを口に運んだ参加者たちは「甘くておいしい」「果汁がたっぷり」などと話しながら味の違いを確かめていた。また、探求ゼミで櫛引フルーツをテーマに取り上げている致道館高校の生徒4人がボランティアで参加し、ブドウの準備や参加者への飲み物配布などを手伝った。

 続いて山形大名誉教授で同協議会アドバイザーの平智さんが甲州ブドウについて「甲州は欧州系のブドウで、シルクロードを通って日本に伝わったとされる。他の欧州系と違って病気に強く、近年のDNA解析で中国原産の野生種と欧州系が交雑し、生まれたハーフがさらに欧州系と交雑して誕生した“クオーター”であることが判明した」と説明した。

 その後、タルト台に好きなだけブドウを盛り付ける自分だけのフルーツタルト作りなども行われた。

宝石のように輝く櫛引産ブドウを参加者たちが食べ比べた
宝石のように輝く櫛引産ブドウを参加者たちが食べ比べた



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