2024年(令和6年) 8月9日(金)付紙面より
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東北公益文科大(酒田市)の公立化と機能強化について県と庄内地域の2市3町、公益大を運営している学校法人の7者は8日、公立化の目標時期を2026年4月とするとともに、今年10月をめどに7者で「公立化及び機能強化に関する準備組織」を設置するなどとした基本合意書を締結した。
締結式がこの日午前11時から県庁で行われ、吉村美栄子知事、皆川治鶴岡、矢口明子酒田、阿部誠三川、富樫透庄内、松永裕美遊佐の5市町長、学校法人公益大の新田嘉一理事長が出席し、基本合意書を取り交わした。
公益大は01年4月、県と庄内14市町村(当時)が設置費用を負担する「公設民営方式」で開学した。新田理事長(平田牧場グループ会長)は、定員(235人)割れが続いていた公益大の抜本的な改革を進め、定員充足を実現させた上で、理事長就任から6年目の17年度に知事へ「公立化の検討」を要請していた。基本合意書締結後、報道陣の取材に開口一番で「最高」と述べた新田理事長は、「教育はその地域、その県にとって最も大事なこと。地域の若い人を育ててもらいたい。公立化される大学にいろんな人から来てもらいたい」と語った。
吉村知事は「より魅力的で特色のある大学として地域の課題解決に一層貢献できるよう、公立化と機能強化に向け関係者と一丸になってしっかりと取り組んでいく」、矢口酒田市長は「公益大という素晴らしい大学を庄内地域にこれからもずっと残していく第一歩を踏み出せたことをうれしく思い、ほっとしている。公立化によって大学の財政基盤が安定し、今まで以上に多くの学生が集まり交流することができ、学びを深めることができる」、皆川鶴岡市長は「公益大は庄内地域でつくった大学。公立化で財務基盤を安定させ、機能強化でより魅力的な大学にして学生の確保に努めたい」とそれぞれ述べた。
学校法人公益大は7日、同大で理事会・評議員会合同会議を開き、公立化と機能強化に関する県と2市3町、学校法人による基本合意書締結を議決した。
2024年(令和6年) 8月9日(金)付紙面より
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酒田市の酒田東高校(齋藤一志校長、生徒470人)で6日、課題研究を英語で紹介する「Presentation in English 2024」が行われ、探究科3年生80人がこれまでの成果を英語で発表した。
同校では2018年度、課題を主体的に解決する「探究型学習」に重点を置いた「探究科」を開設。さらに23年度から5カ年、将来の国際的な科学技術人材の育成を図るため、理数系教育に重点を置いた研究開発を行う高校「スーパーサイエンスハイスクール」の指定を文部科学省から受けている。課題研究は、1年次後期に自らが2年次に取り組む研究テーマを設定し、2年次以降、数人のグループに分かれ自主的に学びを深めている。
「Presentation in English」は、探究科の3年生がグループで調査・研究した成果を整理し、英語でプレゼンテーションを行うことによる英語のコミュニケーション能力向上が目的。この日は26グループが英文でまとめた研究成果をポスターやスライドで発表。視聴覚室で行われたスライド発表では、アドバイザーを担う国際教養大(秋田市)や東北公益文科大(酒田市)の教員らと、同校探究科2年生らが見守る中、午前と午後に代表4グループずつが発表した。午前は▽粉末によるダイラタンシー(せん断増粘性)(原題=Dilatancy with powders)▽チェックシステムがあれば、生徒は「宿題を忘れた!」と言えなくなります(同=With our check system,students won’t be able to say“I forgot to do my homework!”)▽マイエンザ(微生物活性酸素)は魔法の水!(同=Maienza is magic water!)▽外国人観光客に酒田を楽しんでもらおう(同=Let foreign tourists enjoy sakata)―の4テーマを全て英語で紹介した。
このうち、地元住民が勧める観光地の魅力と、観光客が期待する魅力の認識の違いに着目したグループは、酒田港に寄港したクルーズ船乗客にインタビューを行い、酒田で訪れた場所や再び訪れたい場所などについて聞き取った調査結果を発表。「山居倉庫や玉簾(たますだれ)の滝など、オプショナルツアーに含まれているスポットは観光客にも好評で認識に違いはなかった一方、食文化についてはラーメン店巡りやせんべい作り体験など、ツアーに組み込まれていない食文化体験の方が魅力的だったという話が多くあり、認識に違いがあることが分かった」などと英語で述べた。各グループの流ちょうで堂々とした英語の発表に、拍手が送られていた。