2023年(令和5年) 6月20日(火)付紙面より
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鶴岡市鼠ケ関にある本県と新潟県の県境で17日、「第1回境目で反復横跳び世界大会in羽越」が開かれた。子どもから大人まで参加者たちが「ヤマガタ!マンナカ!ニイガタ!」の掛け声とともに県境を反復横跳びし、点数を競った。
温海地域で自然体験や環境教育プログラムの提供に取り組むNPO法人の自然体験温海コーディネット(本間洋一会長)の主催。1999(平成11)年から行われた市町村合併(平成の大合併)以来、隣接する自治体相互の交流の減少を受け、「境目を行ったり来たりしながら“見えない壁”を打ち破ろう」という発想から競技が生まれた。
公式ルールは30秒の制限時間内に3本の線の上で反復横跳びをする。線幅は111センチで、全体の幅は222センチ。横跳びの際、線に足が触れていれば1ポイントが入る(ジャンプポイント)。各線をまたぐ時に県境で「マンナカ」、山形側で「ヤマガタ」、新潟側で「ニイガタ」と指定ワードを発する。地名を正確なタイミングではっきり言えれば1ポイント(シャウトポイント)。競技者は両ポイントの合計得点を競う。
この日は前日の雨が上がり暑さを感じる好天となった。大会には山形、新潟の両県在住の8歳から60歳まで男女27人が出場。参加者を代表して泉倖太さん(鶴岡市ほなみ町)が「人口や自治体の減少に伴い、隣同士なのに見えない壁、心の壁が生まれてしまった。そんな状況を打破するため、私たち選手一同は全身全霊で反復横跳びする」と力強く選手宣誓し、午後2時に競技がスタートした。
最初の挑戦者がこれまでの世界記録(104ポイント)を大きく上回る150ポイントを出すと、周囲の見物客からは大きなどよめきが起こった。その後も120?170点台が次々と飛び出し、1人の競技が終わるたびに見物客が大きな拍手を送っていた。
最年少参加者で130点をマークした小野寺朝紀君(8)=京田小3年=は「練習ではジャンプポイントが50点ぐらいだったが、本番で65点を出せた。次は世界記録を狙いたい」と話していた。