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荘内日報ニュース


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2018年(平成30年) 12月16日(日)付け紙面より

野の文化賞に黒羽根さん(鶴岡)

 「真壁仁・野の文化賞」運営委員会(梅津保一委員長)は14日、第34回「真壁仁・野の文化賞」に黒羽根洋司さん(71)=鶴岡市=が刊行した「庄内の女たち」が選ばれたと発表した。昨年、同賞に輝いた戸村雅子さん(鶴岡市)に続き、2年連続で庄内在住者の受賞となった。

 「庄内の女たち」は、2015年10月から16年3月まで荘内日報に22回にわたって連載した同名の文章に加筆、再編集した。作家・横光利一の妻の千代や女流作家の田沢稲舟など、作家を支えた7人と創作者として活躍した2人の計9人の女性を題材とし、明治期から昭和中期にかけての時代的背景を踏まえた評伝に多くの資料を読み込んだ黒羽根さん自身の考察を加え、表現力豊かな文章で書き上げた。

 同日、県庁で記者会見が行われ、選考委員会の阿部博行委員長は「単なる伝記でなく、著者の文学的素養から生まれる想像力がノンフィクションとフィクションのぎりぎりの立ち位置にある作品を作り上げた。凛と生きる9人の女性の美質を巧みに文章へ入り込ませており、底に流れるのは女達を育んだ庄内の風土と人間への愛着。新聞への掲載は字数制限があるが、それがかえって無駄のない凝縮された表現となっている」と黒羽根さんの作品を評価した。

 同席した黒羽根さんは「そうそうたる人たちが選ばれている伝統ある賞に名を刻むことは光栄で、励みになる。これからも面白いものを自分なりに書き、賞の名に恥じないよう歩んでいきたい」と受賞の喜びを語った。

 「真壁仁・野の文化賞」は、詩人で文化運動家、思想家の真壁仁氏(1907―84年)の功績を顕彰し、文化運動を継承しようと85年に創設された。県内在住者の出版物が対象で、第34回の今回は17年10月1日から今年9月30日まで出版された5作品が候補に挙がった。

 黒羽根さんは鶴岡南高、福島県立医科大卒。国際協力事業団(JICA)により医療専門家としてガーナ共和国派遣、福島県内の病院勤務などを経て、1986年に鶴岡市で黒羽根整形外科を開院し30年間にわたり地域医療に貢献した。一昨年、同院は閉院となったが患者のために整形外科医を続けている。医療業務の傍らで「懐かしき人びと―父の父たちの物語―」(荘内日報社刊、1999年)や「病者の心を心として―庄内の医人たち―」(メディア・パブリッシング刊、2010年)など多くの著書を執筆している。「茨木のり子 六月の会」代表、「読書のまち 鶴岡」をすすめる会代表。

「真壁仁・野の文化賞」受賞の喜びを語る黒羽根さん
「真壁仁・野の文化賞」受賞の喜びを語る黒羽根さん



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