2025年(令和7年) 1月14日(火)付紙面より
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庄内町千河原地区に伝わる伝統行事「やや祭り」が12日、同地区の八幡神社で行われた。上半身裸の子どもたちが肩口から冷水を浴び、無病息災や身体堅固を願った。
やや祭りは、安産の神様を祭る同神社の歳越祭の異称。弥生時代に在位した第15代応神天皇の皇子・大山守命(おおやまもりのみこと)が跡継ぎの争いで悪臣に追われ、千河原の妊婦にかくまってもらった際に「私は死んでも神となっておまえたちの身を守る。難産のときは私の名前を唱えよ」と言い残した伝説が祭りの起源とされる。
祭りの名前の由来は、若者が手にしたわらで互いに叩き合った風習の掛け声が「ヤー、ヤー」だったという説や、子どもを示す京都なまりの「やや」が元など諸説ある。
子どもたちが主役の祭りで、上半身裸の男の子たちがわらを編んだ「けんだい」と呼ばれる腰巻きを身に着け、両手にろうそくを持って冷水を浴び、無病息災や身体堅固を祈願する。今年は阿部玄平君(10)=余目三小4年=と忠鉢陽大君(11)=同小5年=の2人が参加した。
この日は日中の気温が4度前後となる暖かな天候。子どもたちが1人ずつ境内に設置された祭壇に立つと、白装束の大人たちが肩口から勢いよく冷水を浴びせた。歯を食いしばって寒さをこらえる姿に、集まった見物客からは大きな拍手が送られていた。
参加した阿部君は「2回水を浴びてすごく寒かった」、忠鉢君は「冷たかったが、気持ちよく今年一年過ごせる気がした。今年は6年生になるのでスポ少野球の春の地区予選で優勝したい」とそれぞれ話していた。