2025年(令和7年) 3月18日(火)付紙面より
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日本海沿岸東北自動車道(日沿道)の延伸を見据え、遊佐町が遊佐鳥海インターチェンジ(IC、同町北目)隣接地で、新「道の駅」を中心に2027年度初頭の開業を目指す多機能型休憩施設「遊佐パーキングエリアタウン(PAT)」の地域住民向け説明会が15日、同町の鳥海温泉・遊楽里で開かれた。
施設の老朽化や災害発生時の脆弱(ぜいじゃく)性などから「道の駅鳥海・ふらっと」を移転する形で、町では22年12月に「鳥海山のふもとまち」を全体コンセプトに掲げた「遊佐PAT(新道の駅)」整備計画を策定。
整備計画を受けて町では23年度、施設の管理運営などを担う指定管理候補者に庄交コーポレーション(鶴岡市)を代表企業とする3社による共同企業体「ジオ鳥海パートナーズ」を選定。住民対象のワークショップを開催するなどして施設の建築基本設計を進めてきた。
事業概要によると、敷地面積は約3万4000平方メートル、道の駅駅舎本体は鉄骨造り2階建て、延べ床面積は約2877平方メートル。概算整備事業費は約33億円。「地域振興」「道路休憩」「情報発信」「防災拠点」の4つの機能を持ち、1階には農産物や特産品直売所、鳥海山・飛島ジオパークの情報発信施設、フードコート。2階にはコワーキングスペースや鳥海山を眺望する地産地消レストランを備える。屋外には子どもたちも楽しめるプレイグラウンドやキャンプ場を備える多目的広場を整備する計画。
この日は地域住民や町などの担当者ら約70人が参加。松永裕美町長が「新道の駅は山形県の北の玄関口として、また、遊佐町の未来を担う施設として町民と共に育てていきたい」などとあいさつ。その後、町の担当者が事業概要や25年度に駅舎以外の施工、26年度に駅舎建築を行うなどの今後のスケジュール、各担当者が施設の特徴や新道の駅の産直・物販・飲食に関する基本的な方針などを説明した。
質疑応答では「駅舎の工期は1年間で間に合うのか」「事業費のうち補助金が活用できるのはどの程度か」「町内の湧き水の展示や音楽イベントの開催なども計画してほしい」「昨年7月に大雨災害があったばかり。施設の路面排水などの安全性について十分に配慮してもらいたい」などが出されていた。