2022年(令和4年) 8月23日(火)付紙面より
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鶴岡市木野俣の旧福栄保育園が食堂として生まれ変わる。少子化の影響で閉園となった施設を有効利用しようと地域住民が活用方法を検討してきた。店名は「よれっちゃ福栄」。当面は土日と祝日のお昼に営業し、地域の新鮮な食材を使ったメニューを提供する。
福栄保育園は昨年3月に閉園した。当時の卒園児は5人。木造平屋建ての園舎は1995年に完成したもので「まだまだ使える。何もしないのは宝の持ち腐れ」と活用を模索してきた。
「よれっちゃ福栄」は木野俣集落の五十嵐正直さん(73)が代表となり運営する。調理スタッフも地域のベテラン婦人5人を確保した。
今月下旬の開店を前に20日、地域の人たちを招いた試食会が行われ、メニューとして出す「山菜うどん」や「とろろご飯」「弁慶飯」などを会食した。
試食した木野俣自治会の大滝徹さん(74)さんは「地元の食材を使ったもので、どれを食べてもおいしかった。地域ぐるみで応援していきたい」と話した。
米や野菜、山菜などの食材は福栄地区、もしくは温海地域で賄う。食堂では総菜と漬物、地元の山林に自生する「クロモジ」の枝を加工した「くろもじ茶」も販売する。
五十嵐さんは「保育園の閉園を最後に地区全体から『福栄』という名前が消えるのが嫌で店名に付けた。特に冬場の経営は大変だと思うが、何とか地域のオアシスになれるよう頑張っていきたい」と語った。
食堂のほかに施設では温海かぶの収穫と漬物を体験する場としても利用する。秋には地元で収穫したそばも新メニューに加える。雪が多い中山間部に位置するだけに冬期間の営業は様子を見て決めるという。
食堂のオープンは今月27日(土)。営業時間は午前11時から午後2時まで。問い合わせは「よれっちゃ福栄」直通=電0235(26)1810=へ。