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2023年(令和5年) 5月31日(水)付紙面より

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鶴岡の絹文化体験 女子高校生の視点で魅力発信 鶴岡中央 和服姿で市街地巡る

 鶴岡中央高校の女子生徒12人が28日、和服姿で市街地を歩き、鶴岡の絹文化を体験して地元の女子高校生ならではの視点で魅力を発信する課題研究に取り組んだ。

 「つるおかKINU(絹)まちめぐり」と題した課題研究の一環。同市内の4つの呉服店でつくる鶴岡呉友会主催の「きもので雛(ひな)めぐり」が3月下旬に行われ、参加した生徒2人が他の生徒に呼び掛け、今回の取り組みを企画した。

 参加したのは同校総合学科家政科学系列保育系の3年生4人と、和裁を習う同系列被服系の2年生8人。同市の銀座通りにある呉服店「小いけ」で、自分たちで選んだ着物を着付けしてもらい、同じ通りにあるまちづくりスタジオ鶴岡Dadaで帯や髪に着ける繭玉を使ったクラフトを体験した。

 致道博物館に移動し、鶴岡の伝統産業の絹織物の歴史について学んだ後、和服のまま近くの荘内神社を参拝するなど、城下町鶴岡の景色に溶け込みながら「まちめぐり」で着物の良さをアピール。SNSを使って撮影した画像を発信した。

 企画した保育系3年の成澤虹歩さん(17)は「着物を着てお雛様巡りをした時、何だかまちの景色がいつもと違って見えた。着物でまち街歩きするのはとても貴重な体験。これからも女子高校生ならではの感じ方で着物の良さを広めたい」と話した。

着物を着付けしてもらった後、談笑しながらまち歩きする鶴岡中央高生
着物を着付けしてもらった後、談笑しながらまち歩きする鶴岡中央高生


2023年(令和5年) 5月31日(水)付紙面より

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子どもたちの自律と多様性 鶴岡法人会 40周年講演会 工藤さん教育の在り方語る

 公益社団法人鶴岡法人会(佐藤友行会長)の社団化40周年・公益社団移行10周年の記念講演会が27日、鶴岡市の荘内銀行本店ホールで行われた。鶴岡市出身で横浜創英中学・高校長の工藤勇一さん(63)が講師となり、子どもたちの自律と多様性を主体にした教育の在り方について語った。

 工藤さんは鶴岡南高から東京理科大理学部に進み、公立学校教員、東京都教育委員会などを経て、千代田区立麹町中学校長を務めた。子どもの自律を重視した教育改革に取り組み、宿題や定期テスト、固定担任制を全て廃止にするなど学校の「当たり前」を覆し一躍有名となった。

 講演会は市民など約280人が聴講。工藤さんは「地方都市が目指すべき教育?自律と多様性?」と題し、「急激な人口減少や増えない所得など課題を抱える日本は、従来のビジネスモデルがもう通用しない。今までにない価値を商品に加え、世界に市場を求めなくてはならない。この状況は教育現場も同じで、従来の教育モデルはもう通用しない。一つの会社に定年まで勤める人が減る中、『自分の頭で考える人材』の育成が求められている」と説明した。

 また、従来の教育について「一斉指導、規律、集団行動を重視し、同じ内容の勉強を押し付ける教育を続けてきた。手を掛けるほど生徒は自律できなくなり、うまくいかないことを誰かのせいにするようになる。『自律した生徒を育成する』という目的のため『基礎学力を身に付けさせる』のは手段だったが、日本の教育は手段が目的となっている。1割の探求型授業でアクセルを踏み、9割の通常授業でブレーキをかけているのが現状」と指摘。

 さらに「これからは学ぶ側の立場から教育を考えていかなければならない。自身の課題について子ども同士が対話の中で学び合い、主体的に問題を解決する『自律型の教育』こそが効率的だ」と語った。

 実践例として、工藤さんが校長を務める横浜創英中学・高校で行っている「2泊3日でのチームによる対話スキル学習」や「生徒がプランや行き先を決める企画型修学旅行・選択型旅行」などの取り組みを紹介。「生徒1600人に対する1600通りのカリキュラムを実現させる。学年や学級の壁を壊して多様な学年で学び、最少のカリキュラムと最大の自由度を追求していく。生徒が学習活動や学校運営の主体者となり、自ら律し自ら考える人間を育成していく」と話した。

 最後に「間もなく鶴岡市に中高一貫校の致道館中学・高校が開校する。庄内藩校致道館は自学自習を基本とし、驚くほどの自由主義と自己教育力を重視していた。『生徒が自ら学ぼうという気持ちがないのに、先生が教えようとするのは教育ではなく商売であり、生徒のためにならない』という考えは、自分が横浜創英中学・高校でやろうとすることと共通点が多い。致道館中学・高校が詰め込み型の授業をするような学校にならないことを願う」と述べた。

生徒が主体的に問題を解決する「自律型の教育」について語る工藤さん
生徒が主体的に問題を解決する「自律型の教育」について語る工藤さん



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