2023年(令和5年) 6月17日(土)付紙面より
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鶴岡市の致道博物館で企画展「商家に伝わる名品―鶴岡三井家の書画と工芸」が開かれている。城下町鶴岡の旧家・三井弥惣右衛門家に伝わる数々の美術工芸品を展示している。展示は7月30日(日)まで。
鶴岡三井家の出自は伊勢国片野(現在の三重県多気郡多気町)で、初代三井弥惣右衛門(1717―79年)は1740年頃に鶴岡に移り住んだ。その後、数代にわたって商いにいそしみ、財を成した素封家として知られる。
今回展示したのは昨年同家に寄贈を受けた江戸時代前期から昭和初期にかけて制作された絵画や工芸品51点。江戸幕府の御用絵師として活躍した狩野探幽(1602―74年)やその一族による水墨画、明時代の中国絵画に影響を受けた江戸から明治にかけての山水画などを紹介。このほか北前船で運ばれたとみられる肥前磁器や中国の白磁器、木地に大型の貝をはめ込み漆で仕上げられたとっくりなどユニークな作品も展示され、訪れた人は一品一品じっくりと見入っていた。
また7月1日(土)には初代三井弥惣右衛門の孫娘・清野による旅日記の現代文訳著書などで知られる歴史家・金森敦子さん(新潟市)が訪れ、「関所抜け?旅する女たちの大冒険?」と題して江戸時代の女性の旅について紹介する。時間は午後2時から同4時まで。料金無料(入館料別途)。定員は先着50人。問い合わせ、申し込みは致道博物館=電0235(22)1199=へ。