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2023年(令和5年) 9月28日(木)付紙面より

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日本刀物語変遷と魅力伝える 古代の直刀から軍刀まで 致道博物館 多彩な関連イベント開催

 鶴岡市の致道博物館(酒井忠順館長)で日本刀の変遷と魅力を伝える展示会「日本刀物語~変遷と魅力~」が開かれている。古代の直刀から旧日本軍人が使用していた刀まで、同館をはじめ庄内各地に残された刀剣、や古文書など関連資料合わせて40点余りが展示され、大勢のファンが足を運んでいる。

 “鉄(はがね)の美”として世界に誇る日本刀は、古くから武具だけでなく祭具として、近代では価値の高い美術品として現代までその形を残している。反りのある形状となり、多くの刀匠が技を磨きながら継承してきた日本刀の魅力と歴史を伝えようと企画した。展示に当たっては同館所蔵のもののほか、最上義光歴史館(山形市)や本間美術館(酒田市)、酒田市立資料館(同)、本住寺(鶴岡市)、總穏寺(同)の協力を得たほか、個人所有の刀剣も出品されている。

 展示の最初のコーナー「日本刀前夜~古代の刀剣~」では、遊佐町吹浦の三崎山で発見された中国・殷時代(紀元前11世紀)の青銅刀子(複製)や、柄(つか)の部分がワラビのように湾曲した蕨手刀(わらびてとう)などが飾られた。蕨手刀は青銅刀子と同じく三崎山から出土しており、大陸伝来の直刀に反りが取り入れられた「湾刀」で、日本刀の原型とされる。

 続く「日本刀のはじまり」では、平安後期に誕生した日本刀を紹介。同時代の刀は腰(刀部の根本付近)から強く反り、鋒(きっさき)に向かって細くなる日本独自の特徴を持った刀となった。最上義光歴史館所蔵の「刀・朱銘『来国次』」は最上義光の四男・山野辺光茂が所持していたとされる。江戸時代に「来国次」が「来たりて国を次(継)ぐ」と読めることから、将軍の世継ぎの贈り物として喜ばれたと伝えられる。

 また、江戸前期の刀として展示された「銘『藤原貞行』」は、1811(文化8)年9月に總穏寺境内で起きた土屋虎松による敵討ち事件で、虎松の相手となった土屋丑蔵が使用していた刀。この敵討ちは鶴岡市出身の作家・藤沢周平の小説「又蔵の火」のモデルとなった逸話として名高い。

 このほか粟田口藤四郎吉光、相州正宗、越中郷義弘の優れた刀工たちの手で鍛えられた「三作」に関わる刀や、水心子正秀と大慶直胤、源清麿の3刀工による「江戸三作」、庄内町出身で旧日本軍陸軍の佐藤幸徳中将が所持していた軍刀など、歴史的資料として価値が高い逸品がそろった。

 会場には大勢のファンが連日足を運んでおり、秋田や新潟など近隣県や関東圏のほか、遠くは福岡県からの来館者もいた。

 展示は11月5日(日)まで。関連イベントとして10月14日(土)、15日(日)、11月5日には刀匠の上林恒平氏による刀身彫刻の実演が行われる。時間はいずれも午前10時半から午後3時まで。10月29日(日)には体験講座「はじめての刀剣~触って聞いて、見る体験~」が行われる。講師は日本美術刀剣保存協会庄内支部の矢口秀春副支部長で、時間は午後2時から。10月21日(土)はゲーム「刀剣乱舞ONLINE」コラボイベントとして同ゲームの宣伝隊長「おっきいこんのすけ」が致道博物館を訪れる。10月28日(土)は学芸員によるギャラリートークが行われ、時間は午後2時から約1時間。

湾曲した独特のフォルムが美しい日本刀の魅力と歴史を伝える展示会「日本刀物語」
湾曲した独特のフォルムが美しい日本刀の魅力と歴史を伝える展示会「日本刀物語」



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