2022年(令和4年) 12月27日(火)付紙面より
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バスケットボールのウインターカップ(第75回全国高校選手権)は25日、2回戦が行われ、男子の羽黒(5年連続6回目出場)は八王子学園八王子(東京第1代表)に86―84で勝った。スコアは小差だが、激戦の東京(出場3チーム)をトップ通過してきた相手に一度もリードを許さない快勝だった。同校としては2018年以来4年ぶり2度目の大会2勝(16強入り)となった。3回戦(26日)は優勝候補の一角、洛南(京都第1代表)と対戦した。
▽2回戦
22―16 八王子
羽 黒86 24―20 84学園八
23―18 王子
17―30 (東京)
高橋、山岸 立ち向かう
長身の留学生エースを徹底マーク
堂々の戦いぶりだった。試合終了直後、羽黒ベンチは抱き合って沸き立ち、加藤律輝主将(3年)は2階スタンド席の部員・父母らマスク越しの歓呼と拍手に力強いガッツポーズで応えた。
スタートダッシュを利かせた。初戦(23日)の四日市メリノール学院(三重)戦は出だし、もたついた。これを反省するように相手エースでセネガル人留学生ンジャイ・ムハマドゥ・ムスタファ(3年)を最初から徹底マークした。長身2メートル05のムスタファ選手の前に後ろにさらに脇から体を入れ、思うようなプレーをさせなかった。パスが回らないことで相手は次第に焦ってきた。
「今日の殊勲賞ですよ。本当に粘り強く対応してくれた」と齋藤仁監督(49)に称賛されたのはマークした高橋燦璃(きらり)(3年)だ。1メートル83で22センチ差あったが体幹の強さで立ち向かった。「競り合いでは絶対負けない。強い気持ちでやり抜けた」と顔を紅潮させた。第1クオーター(Q)早々に3ポイントシュート(3P)を2回続けて成功させ、自らもチームも勢いづけた。遊佐中出身で「県の一番強いチームで、全国レベルのバスケを体験したい」と羽黒に入学。最終学年で超高校級の相手エースを抑えたことは大きな自信になる。
36点は記録したが、しつこいほどのマークにムスタファは露骨に不機嫌な表情を見せた。試合後の問い掛けにも「ノー」と言ったきり首を横に振った。高橋との交代で1メートル88の1年生・山岸大夢にも食い下がられた。
近藤 小気味良く3P7本
羽黒では近藤蒼(3年)も乗ってきた。チームが怪しいムードになった時に、交代出場し、流れを変える存在だが、この日はフル出場した。実際、相手が点差を詰め寄ってきた時に、小気味良く3Pを決めた。最終的には合計7本。「自分の役割は分かっている。いつも意識している」と心強い。初戦でも延長後、効果的な3Pを放つなど2試合続けての仕事人ぶりだ。
4年ぶりに先輩に並んだ。加藤主将は「みんなが自分の持ち場をきっちり果たしてくれたのが良かった」と喜んだ。それでもこの日の戦いを10点満点で「5」とした。「後半追い上げられましたから。全国8強の目標は全員で共有してきた。満点への残り5点はこの先に取っておきたい」と浮かれムードを引き締めた。
(富樫 嘉美)