2023年(令和5年) 3月3日(金)付紙面より
ツイート
国の特別天然記念物に指定されている羽黒山杉並木の保全に役立ててもらおう―。鶴岡市の羽黒高校(加藤和司校長)の生徒が1日、クラウドファンディング(CF)で集めた102万5280円を出羽三山神社(宮野直生宮司)に寄贈した。
地域の特性や課題について学ぶ「探究学習」の中で3年生の男女12人が「大切な遺産を守ろう」と昨年春から杉並木を管理する出羽三山神社・森林技師の鈴木栄作さん(68)を講師に学習を進めてきた。11月から今年1月までの間、CFを活用して支援を求めたところ、目標額の100万円を上回る115万2000円が集まった。
この日、羽黒山頂の合祭殿で行われた贈呈式では生徒を代表して佐藤翼さん(18)=酒田東部中出身=が宮野宮司にCFの利用手数料と税金を除いた金額の目録を手渡した。
佐藤さんは「最初は集まるかどうか不安だったが目標額に達することができた。多くの人たちの温かな心に感謝したい。杉並木の保全や環境整備に利用してもらえればうれしい」と話した。
宮野宮司は「こうして羽黒高校の生徒の皆さんから杉並木の保全に向けて真剣に考え、取り組んでいただき感謝の念に堪えない。大切に使う」とお礼の言葉を述べた。
フィールド学習で生徒たちは、スギを植林して約400年が経過し老木化が進んでいる現状や、参道の杉並木に重機が入れないため枯れたスギ1本を伐採処理するのに約25万円の費用がかかることを学んだ。
今後はCFの支援者の名前を随神門近くに掲示するほか、協力してくれた人たちに活動報告や感謝のメールを送る。