2023年(令和5年) 8月18日(金)付紙面より
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鶴岡市羽黒町の荒川地区を中心とする「荒川郷」の鎮守・八幡神社(金岡育夫宮司)の例大祭が15日、同神社で行われた。多くの崇敬者が見守る中、神事とともに地元羽黒地域の小学生による巫女(みこ)舞、氏子衆の獅子舞などが奉納された。
地元住民など約60人が参列。祝詞奏上など神事が行われ、巫女舞では羽黒小を中心に羽黒地域の小学3~6年生8人が巫女装束をまとい「浦安の舞」を披露した。猛暑の中で練習を重ねてきたという矢野日詩さん(12)=羽黒小6年=は「昨年に続いて2回目の巫女舞で、今回は手の指先をそろえて舞うように意識した。たくさんの人たちの健康長寿を祈った」と話していた。
このほか若衆による謡曲や氏子の獅子舞が奉納された。この日の日中はやや風が強いものの、30度を超える真夏日。参列者たちは汗を拭きながら神事を見守り、地域の五穀豊穣(ほうじょう)や家内安全などを祈願していた。
【荒川郷・八幡神社】
鎌倉時代に源頼朝の奥州藤原氏征討で戦い敗れた藤原氏の武将・照井氏が現在の荒川地区に流れ着き、代々「荒川舘」に居住したとされる。南北朝時代、時の館主が南朝の繁栄を願い、観応元(1350)年に応神天皇を祭り守護神としたのが始まりという。大正7(1918)年、応神天皇降誕の地・福岡県宇美町の宇美八幡宮から神功皇后と湯方大神を勧請した。現在も戦勝、開運の神として崇敬されている。
2000年12月、落雷による火災で本殿などが焼失したが、氏子たちの尽力により02年7月に新社殿が竣工(しゅんこう)した。