2023年(令和5年) 10月4日(水)付紙面より
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県立遊佐高校(佐藤りか校長、生徒63人)の2年生が遊佐町内の事業所で行った長期就業プログラム「デュアル実践」の成果発表会が29日、同校で行われ、実習生らが計12回の就業体験を通して学んだことなどを発表した。
同プログラムは地元定着促進、将来を担う人材育成などを狙いに同校が2016年度に県教育委員会、町、町商工会などの協力で県内他校に先駆け導入。通常の就業体験は2―5日程度だが、同プログラムは夏季休業中を除く4月下旬から8月下旬まで、毎週水曜にフルタイムで体験する。本年度は地域共生系列を選択する2年生15人が町内15事業所で実施。実習先は接客業や運輸業、工場、農業など多岐にわたり、それぞれの業種への学びを深めた。
発表会には生徒や教職員、受け入れ事業所の代表者、保護者ら約110人が出席。運営委員長を務める高橋冠治同窓会長が「実践を通して、各事業所の仕事への熱意を感じ取ったと思う。発表では受け入れ事業所への感謝の気持ちを忘れず、自信を持って伝えてほしいと思う」とあいさつした。
成果発表はポスターセッション形式で行われ、生徒たちは1人7分間にわたり自らの実習の成果を発表。「保育園では子ども一人一人の対応の仕方や接し方が違い戸惑ったが、とても参考になった」「厨房業務は連携が大切。自分の担当が遅れると他の担当にも影響が出ることを学んだ」など直面した課題、「小さな部品を一つ一つ組み立てるのに魅力を感じた」「接客でお客さんに喜んでもらえることにやりがいを感じた」など、実習で得た経験を堂々と話していた。
町立図書館で実習を行った根本莉寿(りず)さん(17)は「事務作業と接客両方が経験できる図書館を選んだ。本と触れ合いながら人とコミュニケーションできるところにやりがいを感じ、司書の仕事にも興味を持った。将来事務職かホテルで働くホテリエで悩んでいるが、どんな仕事でも生かせる経験ができたと思う」と話した。