2024年(令和6年) 1月21日(日)付紙面より
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洋上風力発電の導入に向けた検討が進み、再エネ海域利用法に基づく「促進区域」となっている遊佐町沖について経済産業省と国土交通省は19日、占有指針を定め発電事業者の公募を開始したと発表した。受け付けは今年7月19日(金)までで、両省によると、審査や評価を経て選定結果の公表は同12月になるという。
全国的な洋上風力発電導入機運の高まりを受けて県は2018年、「県地域協調型洋上風力発電研究・検討会議」と「遊佐沿岸域検討部会(遊佐部会)」を設立して議論を開始。「海洋再生可能エネルギー発電設備整備促進区域指定ガイドライン」に基づき両省は20年7月、事業開始に必要な3段階のうち最初の段階となる「一定の準備段階に進んでいる区域」に遊佐町沖を選定した。
21年9月に具体的な検討を進める2段階目の「有望な区域」の指定を受け翌22年1月、国や県、町、漁業関係者らによる法定協議会を設置。協議を進め昨年10月、「促進区域」となった。想定海域は、鳥海国定公園区域を除いた上、沿岸漁業に配慮し、海岸線から1カイリ(約1・8キロ)離れており、南北約8・3キロ、沖合約5キロに広がる。着床式で発電出力は45万キロワットを見込む。
事業者は▽事業計画の迅速性▽電力の安定供給▽関係行政機関の長との調整能力▽周辺航路、漁業などとの協調・共生▽地域経済波及効果―などを総合的に評価して選定。事業者は同法に基づき最長30年間の海域占有が認められる。
本県ではこのほか、酒田市沖が昨年10月に「有望な区域」の指定を受け、さらにエネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)による洋上風力発電の基本設計に必要な風況や海底地盤に関する調査の対象区域にも選定。県は、港湾法に基づく酒田港の「海洋再生可能エネルギー発電等拠点港湾(基地港湾)」指定に向けた取り組みを進めている。