2018年(平成30年) 2月7日(水)付紙面より
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日本海中部の低気圧の影響で、新潟県から庄内南部に連続して掛かる雪雲により、6日朝にかけて鶴岡市などで大雪となった。同市では同日、鶴岡公園の観測地点での積雪が基準値の70センチを超え、今後も積雪が予想されるなどとして6年ぶりに豪雪対策本部を設置。今シーズン中の旧市内の累計降雪深は同日現在で既に約413センチとなっており、市で統計を取り始めて以降の最高値である、約444センチ(1983年度観測)を更新する勢いで推移している。
山形地方気象台によると、同日午前10時現在の24時間降雪量は鶴岡市櫛引地域で48センチ、庄内町狩川で43センチ、酒田市で1センチとなった。7日は、日本海上の低気圧は北東方向に抜けて西高東低の冬型の気圧配置が強まり、海上は大荒れとなるという。
鶴岡市では、鶴岡公園で6日午前8時半までの24時間降雪量が約38センチとなり、今シーズンでは1月11日の42センチに次ぐ観測値となった。6日朝、旧市街地では市民が雪かきに追われ、通勤の車を出すのに難儀する人の姿もあった。同市道形町の江川健治さん(96)は午前6時ごろから作業。「この冬一番の雪。もしものときのために消火栓も掘り出しておかないと」と話していた。
市危機管理課によると、市が独自に観測している鶴岡公園の観測地点の積雪が同日午前78センチとなり、市地域防災計画に定める対策本部設置基準に達した。市民生活への影響を懸念し、今後も積雪が予想されるとして、本部長を皆川治市長に、市役所本所に本部を設置するとともに各地域庁舎に現地豪雪対策本部を設置した。
同市の除雪対策費は、当初計上した約6億300万円に、1月16日の専決処分で約8億5000万円を増額したが、既に2回目の専決処分も見込まれている。市担当者によると「市で独自に観測している35年間で、最も大雪。除雪対策費の8億円を超える補正は合併以来で過去最高額だったが、それも底を突きそうだ」という。
豪雪対策本部は、高齢者など要援護者世帯に対する雪下ろし支援などの対策や、道路の道幅を確保する排雪作業、道路などの巡回パトロール強化などを進める他、市民からの雪下ろしなどの相談窓口として対応する。
2018年(平成30年) 2月7日(水)付紙面より
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鶴岡市と「ガストロノミー包括連携協定」を結ぶ辻調理師専門学校(大阪、辻芳樹校長)の「鶴岡フィールドスタディ」が5日まで2泊3日の日程で、鶴岡市の羽黒、温海地域を中心に行われ、学生たちが塩蔵の保存食や魚、塩、キノコなどの生産現場を見学。最終日の体験発表では「食材の命を頂くということを学んだ」「土地に足を運んで食べた方がおいしいと知った」など作るだけでない料理の奥にある世界に学びを深めた。
同市が国内唯一のユネスコ食文化創造都市であることを縁に昨年、地域の食文化を支える人材育成と、持続可能な食文化産業の推進のための同協定を締結。この協定に基づいた初の研修として実施。希望した学生から選考を経た東京校の男女学生6人が参加、教員ら5人と共に鶴岡を訪れた。
夜行バスで3日早朝に到着し、初日は羽黒山で山伏修行や斎館で塩蔵山菜など保存食について勉強。翌4日は温海地域でキノコや温海かぶの収穫体験、養豚や塩工房の見学、漁港なども訪れ、夜は地元の食材を使って和、洋食のメニューを考案し調理。山菜のフリット(揚げ物)や塩蔵もだしのクリームパスタ、温海かぶをすりおろしたみぞれあんの載った煮物などが並んだ。
最終日の5日はJR鶴岡駅前のフーデェヴァーで、研修での学びをプレゼンテーション。保存食について「東京では食材は冷蔵庫に入れるだけ。命を頂くことを考えていなかった」、生産の現場を見て「東京で食材は見た目重視。レストランのサービスでどう説明するかで食材を発信できるのでは」などと発表。聴講した在来作物に詳しい山形大農学部の江頭宏昌教授が「料理人は食材の通訳である」、奥田政行アル・ケッチァーノオーナーシェフは「料理ができれば世界中で交流できる」と若い料理人たちにエールを送った。
同校企画部では、新年度から年間を通して鶴岡でのフィールドスタディを展開していく予定という。