2023年(令和5年) 11月23日(木)付紙面より
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アーティストのボイストレーニングや心と体のメンテナンスを行う「ボーカルメンター」として活躍している佐藤涼子さん(Ryon2,s voice farm主宰、庄内町出身)を招いた講演会が20日、同町の余目中学校(佐藤義徳校長、生徒403人)で開かれ、同校OGの佐藤さんが講演や合唱指導を通して後輩たちに自身が指導の際に大切にしていることなどを伝えた。
佐藤さんは1963年生まれ。国立音楽大声楽科卒業。二期会オペラスタジオ32期生として学び、オペラやミュージカルで活躍後、ボイストレーニングを指導。「心技体」全てはつながっているという独自の方法で、プロの歌手や声優、俳優、タレントなど数多くのアーティストを指導している。講演会は同校創立50周年の記念教育講演会として開かれ、全校生徒や保護者ら計約450人が聴講した。
佐藤さんは担当するアーティストのエピソードを紹介しながら「声を出すためには、まず心と体が健康でなくては。顔の表情筋を動かすとお腹に力が入り、腹筋を使って声を出すといい声になる。私は声の指導だけでなく、心と体のケアもやっている心技体全部やるトレーナーで、24時間救急病棟のように対応している」と自身の仕事を紹介。また、「若いアーティストには礼儀の指導もしている。自分を信じ、周囲のメンバーとの関係も良く、スタッフからも愛されていなければ、まず歌を聞いてもらえない。チームワークが重要で、これは音楽業界に限ったことではない。必要なのはコミュニケーションで、自分から話し掛けること。自分と周りの人を大事にして積極的に声を掛けてほしい」と伝えた。
講演終了後、佐藤さんは今月26日の50周年記念式典で全校生徒が歌う『カイト』(嵐)の合唱を指導。「顎を動かすと声がすごく出る」「言葉を大事にして歌詞が聞いている人に伝わるように歌って」などとアドバイスしていた。佐藤さんは「卒業してから余目中を訪れるのは初めて。私のことを知っている生徒が多かったので話しやすかった」と話していた。