2023年(令和5年) 12月9日(土)付紙面より
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東京都内の米屋が審査員となって全国から寄せられたブランド米を審査する「東京米スターセレクションKIWAMIコンテスト2023」で、鶴岡市内の若手農家でつくる鶴岡ファーマーズ(石塚寛一代表)が出品した「プレミアムつや姫」が最高金賞を受賞した。
同コンテストは東京都米穀小売商業組合の主催。都内で「東京米(まい)スター」「東京米スター匠」に認定されている米屋が審査員となり、出品された玄米の品種や状態に合わせてそれぞれ独自に精米、炊飯を行い審査する。
今回、鶴岡ファーマーズが出品した特別栽培米「プレミアムつや姫」は、県の生産者認定制度にある品質や栽培などの基準をクリアした上で、鶴岡市ならではの土づくりにこだわった。だだちゃ豆の枝葉と米ぬかを混ぜて堆肥化し、さらに庄内特産でミネラルが豊富な岩ガキの殻を粉末にしてほ場に施した。2回にわたる審査で、優れた食味に加えて粒張りの良さ、適度な硬さなどが高く評価された。
表彰式は11月26日に東京都内で行われ、鶴岡ファーマーズの福原太一副代表が出席。東米商の須賀稔理事長から表彰状を受け取った。今回、最高金賞に選ばれたのは「プレミアムつや姫」を含めて3点のみ。
福原副代表は「今夏の猛暑で栽培に苦労したが、土づくりと水管理の徹底が功を奏した」、石塚代表は「これまでも米屋から『良い米』と評価をもらっていたが、今回の受賞ではっきりと自信がついた。メンバー全員の励みになる」とそれぞれ喜びの声を語った。
鶴岡ファーマーズは2014年、だだちゃ豆農家の石塚代表と米農家の福原副代表が立ち上げた。現在は市内の生産者5人で構成する。同グループへの問い合わせは2017farmers@gmail.com
2023年(令和5年) 12月9日(土)付紙面より
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庄内町の県立庄内総合高校(猪又義則校長、生徒139人)と近くの町立余目第三小学校(齋藤正典校長、児童183人)の連携授業が7日、庄内総合高校で行われ、高校生が児童たちに体を動かすことの楽しさを伝えた。
両校の連携授業は2007年度から始まった。生徒が児童を指導することで自らの学びを深め、地域交流も深めることが狙い。3年生児童31人が庄総高を訪問。「スポーツ1」を選択している2年生9人が先生役をとなり、児童は3班に分かれトランポリン、エアーマット、マットを使って前転や後転、ジャンプやダッシュなど基礎的な体の動かし方などを学んだ。
このうち、トランポリンを使った運動では「トランポリンの中央で飛んでみて」「腰を真っ直ぐにして垂直にジャンプすると安定する」など指導を受けながら、児童たちが高校生のサポートで、ジャンプしながら足を使ってグー、チョキ、パーを表現したりするなど楽しそうに取り組んでいた。
先生役を務めた体操部の木村柊二さん(16)は「教えることは難しいのかなと思ったが、子どもたちが喜んでくれて楽しかった」、阿部優芽さん(7)は「トランポリンは難しいけど楽しかった。またやってみたい」とそれぞれ話していた。
2023年(令和5年) 12月9日(土)付紙面より
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鶴岡信用金庫(本店・鶴岡市馬場町、佐藤祐司理事長)の新たな異業種交流研修制度「アナザー・ジョブ・トレーニング」(AJT)がスタートした。取引先企業に1~3日職員を派遣し、業務を経験することでキャリア形成やチャレンジ意欲の醸成を図るもの。6日は鶴岡市安丹のトータルクリーニングサービスたこい(蛸井真一社長)で、20代男性職員が洗濯物の集配や乾燥、仕上げなど一連の作業に従事した。
AJT制度は20~40代の職員を対象に、原則エントリー制で行われる。派遣先の企業は、従業員への優遇サービスなどを提供する「ライフサポート協定」を鶴岡信金と締結した上で、職員の受け入れを承諾することで研修開始となる。職員は1人当たり1~3日、派遣先の業務に就き“現場”の理解を深めるとともに、派遣先の従業員と交流を深める。同制度にチャレンジできるのは1年度中に1人1回まで。
この日、入庫7年目で鶴岡信金大山支店勤務の成澤嘉孝さん(29)が、午前8時半から派遣先のトータルクリーニングサービスたこいで業務を開始。同社の車に同乗し鶴岡市内で洗濯物を集配。同社に戻ると分別や洗濯、乾燥、仕上げなど一連の作業を体験した。
成澤さんは「思っていたより肉体労働でいろいろな作業がある。1日だけだが普段の金融業務と全く違う体験をすることで、広い視野を持てるようになると感じている。今後、信金職員としてさまざまな企業を訪れる際、現場の従業員の負担を雇用者に伝えながら、いろいろ提案したい」と話していた。
また、同社の佐藤光工場長(35)は「業務は多いが人手不足の業界。特に男手があるのは助かる。1日だけだが一生懸命頑張ってくれている」と成澤さんの働きぶりを評価していた。
前日の5日も別の20代男性職員が同社で研修を行っており、今月12日には酒田市内の企業で20代女性職員が行う予定。
2023年(令和5年) 12月9日(土)付紙面より
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水稲日本三大品種「亀の尾」発祥の庄内町で、同町産のコメを中心にオリジナル商品の開発やブランドづくりを行う「山形庄内かめこめプロジェクト」(梅木隆一郎代表)の成果報告会が7日、町商工ふれあい会館コア・アルザで開かれ、メンバーがこれまでに磨き上げてきた「つや姫だんご」や「庄内まるもち」など新商品3点がお披露目された。
同町では2022年度より、地元の素材を生かした商品開発や観光事業などに取り組む地域商社・四万十ドラマ(本社・高知県四万十町、畦地履正社長)とタッグを組み、同社からノウハウ提供などを受けながら、「田んぼに水を張り続け、美しい田園風景を守っていく」をビジョンに掲げ、町産品のブランド化事業を進めている。町の主力品目である「コメ」に焦点を当て、オリジナル商品の開発、販路拡大などに取り組むことにし、東京都内にあるコメ商品の小売店や酒販店などの視察、これまで計9回開催しているワークショップなどを通して商品試作を進めてきた。
この日の成果報告会には関係者約30人が参加。ワークショップや議論の経緯などを振り返りながら、十数点の商品案の中から商品化を進めてきた▽電子レンジでも手軽に温められる庄内産つや姫100%の「つや姫だんご」▽庄内ならではの丸餅文化をプチギフトにした「庄内まるもち」▽亀の尾をルーツとするつや姫、雪若丸、はえぬき、玄米(つや姫)を食べ比べできる「庄内米食べ比べセット」―の3商品とパッケージデザインをお披露目した。参加者からは「品物の大きさもちょうどいい。贈答用にいいのでは」「パッケージも細かい部分まで考えられている」などの声が上がっていた。
今後は内容量や価格などの決定、3商品以外の新商品開発、商談会への参加など販路拡大に取り組む。梅木代表は「今ある商品を完成形にして売り出すことを進めたい。早めに成功事例を出して、地元企業などにメンバーを増やして活動を広げていきたい」と話していた。