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荘内日報ニュース


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2024年(令和6年) 2月21日(水)付紙面より

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酒田市 アランマーレのホームアリーナ整備断念 建設資金の調達困難 マザータウンとして相互支援・協力

 バレーボール・Vリーグ女子1部に所属するプレステージ・インターナショナルアランマーレのホームアリーナ整備を検討してきた酒田市は19日、Vリーグ機構による新クラブライセンス「SVライセンス」の規定に沿ったアリーナの建設を断念したと発表した。建設資金の調達が難しいためという。

 市役所内で同日開かれた臨時会見で矢口明子市長が発表した。

 アランマーレは、現行のVリーグを再編し今秋に始まる「SVリーグ」参入を目指している。SVライセンス規定によると、参入条件として30年までに5000人以上が入場可能なホームアリーナの整備が掲げられており、県内にはこれを満たす体育施設がない。

 矢口市長によると、誕生の地・酒田にホームアリーナを建設し市民を挙げて応援しようと昨年4月以降、市とプレステージ・インターナショナル(東京都、玉上進一社長)は候補地や建設方法などさまざまな視点から検討を重ねてきたという。

 基準を満たすアリーナ建設には数十億―100億円余の資金が必要とされ、国や県の支援を受けることが厳しい中、市が調達することは困難と判断、先月21日の意見交換で同社に伝えたところ、玉上社長は「市に無理をさせたくない。アランマーレが誕生した『マザータウン』として、これからも市と共に企業活動に取り組んでいきたい」と話したという。


酒田国体記念体育館で来季も数試合実施予定

 会見で矢口市長は「選手や監督には申し訳ない気持ちでいっぱい。これまでに締結したアランマーレに係る相互支援・協力に関する協定、移住・女性活躍などの連携協定は継続する。チームとの関係も強化しながら共に地域活性化に努めていきたい」と述べた上で、「SVライセンス」に関し「参入条件が地方都市には厳し過ぎないか。地方都市の一意見として、スポーツの素晴らしさを伝えるため条件の再考も必要ではないかということを申し述べていきたい」と話した。

 市の発表を受け、アランマーレは「市の判断を真摯(しんし)に受け止め、これからもチームコンセプト『地域の皆様に愛され、共に成長するチーム』『女性が活躍できる場を増やし、女性応援のシンボルとなるチーム』を体現しながら、世界最高峰のバレーボールリーグに参戦することを目指して活動していく」とコメントした。SVライセンスでは30年までの経過措置として収容人員3000人規模のアリーナが認められており来季以降、約4000人を収容する県総合運動公園総合体育館(天童市)を使用するほか、酒田市国体記念体育館でも数試合を実施する予定。

 一方、アランマーレ設立以来、さまざまな形で支援してきた酒田地区バレーボール協会の鈴木剛一会長は「酒田地区は以前から女子バレーが盛んな土地柄。建設断念は地域振興の面からも協会として非常に残念に思う。今後どのような形になるか分からないが、協会としてはこれからも最大限の支援・協力はしていく」と話した。

会見でアリーナ建設断念を発表する矢口市長
会見でアリーナ建設断念を発表する矢口市長


2024年(令和6年) 2月21日(水)付紙面より

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「えびすくい」の酒井さんですね 両陛下からねぎらいのお言葉 先賢を偲ぶ会 読師の大役エピソード紹介

 西郷南洲(隆盛)翁と菅臥牛(実秀)翁の人徳をたたえる「先賢を偲(しの)ぶ会」が18日、鶴岡市の致道博物館にある旧鶴岡警察署庁舎(国指定重要文化財)で行われた。旧庄内藩主酒井家18代当主の酒井忠久・同館名誉館長が、読師(どくじ)(司会役)の大役を務めた先月19日に皇居・宮殿松の間で行われた「宮中歌会始」について講話し、「(和歌を記された)両陛下をはじめ皇族方の御書は本当に素晴らしかった」と述べ、読師ならではの経験を紹介した。  

 読師は声を出さず、目配せなど所作で歌会の進行をつかさどり、両陛下の歌を拝受する重要な役どころ。忠久さんは昨年の歌会始で読師控(ひかえ)として参列し、所作を確認した。この時の印象について「歌を読み上げられる披講の方々の声が凛(りん)として素晴らしく、まるでライブハウスにでもいるような感覚だった」と紹介した。

 本番となった今年の歌会始では、読師が着席する披講席で皇族方の歌や入選歌が記された懐紙を1枚ずつめくるのに緊張したと話し、「2枚めくると進行が乱れるのでかなり注意した」と述べた。終了後には天皇皇后両陛下からねぎらいのお言葉があり、この際に天皇陛下が「『えびすくい』の酒井さんですね」と話されたエピソードを披露。酒井さんは「陛下も大河ドラマ『どうする家康』をご覧になっていたようだが、まさかそうしたお話がでるとは思わなかったので驚いた」と感想を率直に話し、「さまざまなご縁を頂いて読師を無事に務め上げることができ、大変光栄なことだったと思っている。来年のお題は『夢』。皆さんも詠進してみてください」と呼び掛けた。

 偲ぶ会は(旧西郷・菅先生を偲ぶの会)は両翁の人徳に学び感謝の心をささげようと、旧庄内藩主酒井家を中心に1888(明治21)年に始まり、戦後は致道博物館に引き継がれ、菅翁の命日(2月17日)に合わせて毎年開催。この日は約40人が出席。初めに両翁の肖像と、南洲翁の書を掲げ、酒井名誉館長を先頭に拝礼した後、講話が行われた。

読師の大役を務めた宮中歌会始について講話した酒井さん(左)
読師の大役を務めた宮中歌会始について講話した酒井さん(左)


2024年(令和6年) 2月21日(水)付紙面より

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25年開校へ荘内看護 移転新築工事 鶴岡 現地で安全祈願祭

 鶴岡市が整備する市立荘内看護専門学校移転新築工事の安全祈願祭が20日、現校舎(馬場町)近くの旧鶴岡税務署跡地(泉町)の建設用地で行われた。1学年定員は現行より10人増の30人とし、修業年限は今と同じ3年課程。2025年4月の開校を予定する。

 新校舎は、国の鶴岡第2地方合同庁舎整備に伴う土地交換で市有地となった旧鶴岡税務署跡地に建設する。敷地面積は2829平方メートル。校舎は鉄筋コンクリート造り一部鉄骨造り3階建て、延べ床面積は2679平方メートルとなり、平屋建ての現校舎の約2・5倍に広がる。

 1階に職員室、会議室、演習室、同窓会室など、2階に普通教室や多目的室、図書室、講堂、3階に基礎看護や地域・在宅看護、母性・小児看護の各実習室、実際の病室と同様の備えをして実践的学習ができるシミュレーション室などを配置する。内装材には地元産木材を可能な限り使用する。屋根には太陽光パネルを設置し、蓄電池も導入して省エネルギーと災害に対応する。

 設計・監理を三上建築事務所・石川設計事務所建築関連業務共同企業体(JV)、建築を鶴岡建設・マルゴ・佐藤組特定建設工事JV、電気設備をアベ・大同特定建設工事JV、機械設備を荘和・日栄特定建設工事JVが担う。新校舎建設の工事費は約14億円。

 安全祈願祭には市と市立荘内病院、県庄内保健所、鶴岡地区の医療関係者、地元自治組織、工事関係者ら約50人が出席。神事を行い、皆川治市長、尾形昌彦市議会議長、市の八木実病院事業管理者が鍬(くわ)入れした。発注者あいさつで皆川市長は「看護人材確保のためにも地域にとって重要な事業となる。しっかりと学生を集め、良い人材を育成していきたい」と述べた。

25年4月の開校を目指す荘内看護専門学校の新校舎イメージ図
25年4月の開校を目指す荘内看護専門学校の新校舎イメージ図

安全祈願祭で鍬入れする左から皆川市長、尾形市議会議長、八木病院事業管理者
安全祈願祭で鍬入れする左から皆川市長、尾形市議会議長、八木病院事業管理者


2024年(令和6年) 2月21日(水)付紙面より

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地域おこし協力隊員富樫さんの「麻婆豆腐弁当」 立川複合拠点施設「初出店」 地元食材使用し「新たなファン獲得を」

 月の沢温泉・北月山荘のフレンチ食堂「モン・ヴィペール」で調理を担当するシェフ・富樫一仁さん(42)=鶴岡市出身=が19日、庄内町の立川複合拠点施設に初出店した。提供したのは同町産の食材を使用した「麻婆豆腐弁当」。用意した47個がすぐに完売するなど好評だった。富樫さんは「複合拠点施設に出店することで、北月山荘の新たなファンを獲得できれば」と話している。

 富樫さんは昨年2月から同町の地域おこし協力隊員として北月山荘を拠点に立谷沢地区の観光と誘客促進を担当。これまでシェフとして活躍してきた経歴を買われ、昨年7月からは同施設内の食堂で調理を行っている。

 複合拠点施設では、昨年7月のオープン以降、1階に設置されたカフェ厨房(ちゅうぼう)を活用し、町内の飲食店などが出店。チーズケーキやオリジナルスイーツなどを販売している。

 今回は同町立谷沢産のササニシキのご飯、町内産の豚肉や自家製のとんこつスープを使ったマーボー豆腐のお弁当(1000円)を作った。午前11時の開店から、地区住民らが次々と訪れ、富樫さんが出来上がった弁当を手渡し。予約も含め用意した47個が30分ほどで完売した。

 富樫さんは「北月山荘では朝食と夕食を提供しているが、昼食で何か食べられるものがないかとお客さまに尋ねられることがあった。今後、レトルト商品を開発したいと思っており、今回は実験的な意味もある。本格的なフレンチは北月山荘で楽しんでもらい、それ以外の料理をこちらで提供していきたい」などと話していた。

 複合拠点施設への出店は今後も月1回程度継続していく予定という。

お弁当を手渡す富樫さん(左)
お弁当を手渡す富樫さん(左)



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