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荘内日報ニュース


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2024年(令和6年) 2月22日(木)付紙面より

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山居倉庫5棟耐震診断実施 新年度 秋にケヤキ8本保全施工開始 山居倉庫整備基本計画策定委

 今年1月に登記移転を終え酒田市が公有化した国指定史跡「山居倉庫」(酒田市山居町一丁目)に関する整備基本計画策定委員会(委員長・本中眞奈良文化財研究所長)の第3回会合が20日、同市の希望ホールで開かれ、事務局が整備基本計画案における基本理念案や方針案を説明。また、新年度に12棟ある倉庫棟のうち5棟で耐震診断を実施することなどを了承した。

 2021年3月に国指定史跡となった山居倉庫は1893年、取引所法で定める付属倉庫として7棟を建設したのが起こり。土蔵と屋根の間に空気を通し換気を促す二重構造の屋根、強い西日や強風を避けるためのケヤキ並木など温度を一定に保つ工夫がされている。白い漆喰(しっくい)壁と黒い屋根瓦、1890年代に植栽されたケヤキ並木は酒田を代表する景観にもなっている。

 史跡指定を受けて市は保存活用計画を策定。同計画に基づき整備基本計画をまとめるため、昨年7月に有識者12人で構成する同委員会を立ち上げた。

 この日はリモートも含め委員10人とオブザーバーが出席。事務局が、先月に所有権移転登記を終え、JA全農と庄内倉庫が所有していた土地・建物を取得。史跡指定地の75・3%が市所有となったことを報告。前回会合での意見を踏まえ山居倉庫基本計画案における基本理念、基本方針案を示した。

 案によると「酒田の象徴として守り伝える歴史・文化資源」など3点を基本理念に▽継続的な調査研究及び維持管理による構成文化財の保存と次世代への継承▽市民協働・地域との連携推進―など6点を基本方針とした。詳細は今後の会合で協議するが、「史跡の保存・整備における年代設定」など専門性の高い項目については委員で構成する分科会を設置して協議する。

 前回議論されたケヤキ並木の保全に関しては、樹勢の衰えが特に顕著な1―3号棟西側の8本で新年度秋から施工開始。25年度までを養生期間とし、効果が確認されれば26年度以降に他のケヤキに着手する。

 今回新たに示された耐震診断事業では、保存・活用で優先度が高い倉庫棟のうち2―7号棟(1893年建築)、8―10号棟(94年建築)からそれぞれ1棟、現在休館中で庄内米歴史資料館となっている1号棟、11号棟、12号棟の計5棟で今年5月ごろから地盤調査、6月に耐震診断を実施する。


2024年(令和6年) 2月22日(木)付紙面より

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朝日、温海地域活性化へ提言 東北大大学院生 フィールド調査基に施策

 東北大公共政策大学院(仙台市)修士1年の学生が本年度、鶴岡市の朝日、温海地域で実施したフィールドワーク調査を基に、抽出した課題を解決し地域活性化を図る施策をまとめ19日、鶴岡市に提言として報告した。

 同大学院の講義科目の一つ「公共政策ワークショップ」の一環で、初めて本県の自治体を対象に選んだ。「平成の大合併」で6市町村が広域合併し、東北で1番、全国で10番目の市域を持つ鶴岡市に着目。学生たちは「広域合併自治体の行政体制と旧町村の地域振興に関する研究」をテーマに、昨年1年かけて朝日、温海の両地域や県、先進事例などヒアリングを実施した。さらに文献調査や現地調査などを加えて収集した情報を分析・検討し、地域振興を中心とした報告書を今年1月中にまとめた。

 報告会は鶴岡市役所で行われ、学生と担当教員11人、皆川治市長と幹部職員などが出席した。

 学生たちは朝日地域について「地域の若者を中心に、全ての人が地域づくりに参加する朝日『夢』づくり未来事業で地域の持続的発展を講じては」と提言。事業の例として「行沢のとちもち工場の見学や作成体験などを実施し、“朝日のもの”を食べて文化を大事にする。また、イノシシを食材に活用しジビエによる地域振興と鳥獣害減少による農業振興を図る。朝日地域の良さをまとめ、朝日地域共創プロジェクトホームページと連携した情報発信をする」などを挙げた。

 一方、温海地域については「自治会と若者、地域住民のニーズを中心とした意見交換プラットフォーム『みらい語り会(仮)』を形成し、多様な地域課題の解決を図る。農業振興としては『温海ガストロノミーらぼ(仮)』を新設し、地域の農作物の利活用と販売の多機能型拠点施設とする。また、廃校を有効活用して交流の場の提供や、企業誘致などの事業展開による雇用創出、経済効果を狙う」と提言した。

 提言を受けて皆川市長は「大変勉強になった。朝日、温海の両地域とも観光や移住関連で新しい戦略を練っている。今後とも鶴岡市を訪れ、外からの目で地域活性化に貢献してほしい」と謝辞を述べた。

 同大学院の菅原大翔さんは「参考にしようと思った国の提言は、全国のさまざまな地域に対応できるよう抽象的な部分が多く、地域を歩いて住民の思いを反映した提言との落差を埋めることに苦労した。報告会で多くの称賛を頂き、やってきて良かったと感じた」と話していた。

東北大公共政策大学院の学生代表(左)が、フィールドワークなどを経てまとめた報告書を皆川市長に手渡した
東北大公共政策大学院の学生代表(左)が、フィールドワークなどを経てまとめた報告書を皆川市長に手渡した


2024年(令和6年) 2月22日(木)付紙面より

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最高の栄誉賞に池田兄弟(鳥海八幡中2年)輝く 酒田市教委 児童生徒科学賞 優れた理科研究入賞13点表彰

 酒田市教育委員会科学賞の表彰式が20日、同市の東北公益文科大公益ホールで行われ、優れた理科研究に取り組んだ市内の児童・生徒を表彰した。

 この賞は旧酒田市が1960年、理科振興を狙いに創設。64回目となった本年度は小学生33点、中学生8点、高校生5点の計46点が寄せられ、審査委員会(土門尚三委員長、10人)で審査。その結果、最高賞の栄誉賞1点、奨励賞4点、努力賞8点の入賞作13点が決まった。

 この日は教職員、保護者らが見守る中、鈴木和仁教育長はじめ教育委員が入賞者一人一人に賞状、市内の高校で長年にわたって美術を指導した故齋藤豊氏がデザインした記念トロフィーを贈呈。引き続き栄誉賞に選ばれた鳥海八幡中2年の池田蒼空(そら)さん(13)、澪央(れお)さん(13)兄弟による「よく飛ぶストロー飛行機を作ろう!調べよう!」の記念発表が行われ、前年までの成果を生かし、本年度に取り組んだ実験・検証の結果を報告した。

 主催者あいさつで鈴木教育長は「科学分野に限らず、これからもさまざまなものに興味を持って調べ、自分の力にしてください」、審査委員長を務めた土門さんは「生まれてから死ぬまで勉強は続く。先人が築いた研究にひと工夫を加えることが発展につながる。一生懸命に勉強し、いろいろなことを知ってほしい」とそれぞれ激励した。

 栄誉賞以外の受賞者は次の通り。(敬称略)

 ▽奨励賞=加藤葵(泉小6年)後藤志織(松山小6年)澁谷ひかり(平田小4年)後藤彩李(南平田小2年)

 ▽努力賞=佐藤日輝(酒田一中3年)工藤彩煉、齋藤奏、佐藤史明、佐藤真幸、白旗隼和、早坂彩良、堀勇翔、岡田彪冴、五十嵐柚葉、庄司花音、菅江航太郎、守屋真菜、渋谷耕太朗、鈴木侑愛、吉村莉緒(同1年)本間晴明(松陵小6年)佐藤壮(広野小5年)齋藤希羽(松山小5年)遠藤朝旦(亀ケ崎小3年)佐藤孝志郎(松原小2年)小松晶穂(若浜小1年)

栄誉賞を受ける蒼空さん(左)と澪央さん(中央)
栄誉賞を受ける蒼空さん(左)と澪央さん(中央)


2024年(令和6年) 2月22日(木)付紙面より

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沖縄の歴史や平和を創作劇に 羽黒中2年生 修学旅行前に学びを発表

 今年4月に修学旅行で沖縄県を訪れる鶴岡市の羽黒中学校(高山久校長、生徒190人)の2年生が20日、昨春から学んできた沖縄の歴史や平和を題材にした創作劇を発表した。太平洋戦争末期に日本で唯一地上戦が行われた沖縄で、ガマ(自然洞窟)で集団自決する人たちや、若い命を散らした学徒隊の姿を演技と朗読で表現し、平和を望む強い気持ちを示した。

 同校の2年生は昨年5月から総合学習の一環として沖縄の歴史や文化を調べ、レポートにまとめて発表するなど理解を深めてきた。3年生になってすぐに修学旅行で沖縄へ向かう前に、学びの集大成として2年生62人全員が得意とする合唱や朗読を用いて創作劇を発表することになり、練習に取り組んできた。

 発表会は保護者や高山校長などが見学。初めに修学旅行実行委員長の丸山紗和さん(14)が「沖縄学習の集大成を何とか形にして残したいという思いで、朗読劇と合唱を企画した。目を背けてはいけない沖縄戦の歴史と、平和な世界を私たち一人一人がつくっていくという思いを込めた」と趣旨を説明した。

 住民を巻き込んだ沖縄の地上戦で軍司令部が下した無謀無策な決断や、圧倒的武力で攻めてくる米軍を前にガマの中で集団自決する家族の様子、米軍の包囲網の中で突然解散命令を出され、なすすべもなく若い命を散らしたひめゆり学徒隊の慟哭(どうこく)など、3つの場面を中心に劇が展開された。

 また、2年生全員が代わる代わる場面状況や住民たちの怒り、悲しみを読み上げ、劇の最後に「命の大切さと平和を目指す熱い思いを持ち続け、二度と戦争の起こらない世界を私たちがつくっていく」と述べ、2000年の九州・沖縄サミットで紹介された「HEIWAの鐘」を合唱した。

 保護者たちは生徒たちの堂々とした演技や朗読に大きな拍手を送っていた。

沖縄の文化や歴史を学んだ総合学習の集大成として、羽黒中2年生が創作劇を披露した
沖縄の文化や歴史を学んだ総合学習の集大成として、羽黒中2年生が創作劇を披露した



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