2024年(令和6年) 3月10日(日)付紙面より
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今月23日(土)の開通に向けて急ピッチで工事が進む日本海沿岸東北自動車道遊佐比子インターチェンジ(IC)―遊佐鳥海IC間(延長6・5キロ)の報道関係説明会が8日、現地で行われた。
開通する区間は2009年度に事業化された酒田みなと―遊佐鳥海間12キロの一部で、酒田みなと―遊佐比子間5・5キロは20年12月に開通済み。設計速度80キロの2車線で無料区間。遊佐比子ICは秋田方面のみ、中間にある遊佐菅里ICは新潟方面のみ乗り降りできる、いずれもハーフインター。開通区間には月光川橋(264・0メートル)、比子橋(58・5メートル)など5つの橋を整備したほか、11カ所に「浸透池」を設け、50年に1度の大雨でも冠水することなく処理可能という。中央分離帯構造は約500メートルごとに脱着できるガードレールを採用、交通事故など有事の際には取り外すことで開口として活用する。総事業費は412億円。
開通によって信頼性の高い道路ネットワークが形成され、重要港湾・酒田港を核とした物流の効率化、地域産業の活性化、環鳥海エリアの観光振興、地域救急医療体制の充実といった効果が期待されている。
この日は国土交通省酒田河川国道事務所の職員が遊佐比子、遊佐菅里、遊佐鳥海の3IC、月光川橋付近でそれぞれ概要を説明。「酒田みなとICから月光川付近までは舗装の長寿命化、ライフサイクルコストを考慮しコンクリート舗装を採用。月光川以北は軟弱地盤のためアスファルト舗装」などと紹介した。
同事務所の岡本守副所長は「開通で信頼性の高い道路ネットワークが形成され、物流効率化や救急医療活動など地域経済の活性化、暮らしの利便性向上につながると期待している。通行料金は無料。ぜひ多くの人に利用してもらいたい」と話した。23日午後4時の開通に先立ち、標識など道路施設工事のため日沿道酒田みなとIC―遊佐比子ICは18日(月)午前9時から終日、全面通行止めとなる。
2024年(令和6年) 3月10日(日)付紙面より
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鶴岡市の鶴岡東高校インターアクトクラブ(高宮あづ葉部長、部員16人)の部員が8日、校内でキャンドルを灯(とも)し東日本大震災と能登半島地震で亡くなった人たちを追悼した。
1階スペースに書道部が書いた「祈」と白い折り鶴を飾り、1、2年生の部員や鶴岡地区の各ロータリークラブのメンバーと一緒に黙とうをささげた。高宮部長は「1月1日にあのような大地震が発生し驚いた。亡くなった人たちに祈りを捧げたい。同時にウクライナ侵攻など世界の紛争がなくなり平和が訪れることを願った」と話した。
この日は国際ロータリー第2800地区(山形市)の伊藤三之ガバナーが同校を表敬訪問。「奉仕の心を次の世代へと受け継ぐことが大事。ほほ笑みをもって手を差し伸べて下さい」と部員に呼び掛けた。鶴岡東インターアクトクラブはこれまで第5学区福祉体育レク大会やデイサービスセンターみどりの「涼風まつり」などに参加。各イベントをボランティアで支える活動を繰り広げてきた。活動内容を伊藤ガバナーに報告した高宮部長は「これからも部員たちとさまざまなボランティア活動を通じて支え合う心の大切さを学びたい」と目標を語った。
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鶴岡商工会議所青年部(尾川勝洋会長)は8日、鶴岡市立図書館に大型絵本3冊を寄贈した。来週から貸し出しを始める予定。
同青年部は1975(昭和50)年から毎年、同市に絵本を寄贈しており、今回で累計が1019冊(約158万円相当)に上った。10年ほど前からは子どもたちに人気の大型絵本を寄贈しており、いずれも市立図書館で貸し出している。今回寄贈した絵本はいずれも縦横30センチ以上の「しろくまのパンツ」(ブロンズ新社)、「やさいさん」(学研プラス)、「ぺんぎんたいそう」(福音館書店)の3冊。
贈呈式が市役所で行われ、尾川会長、小池健太郎専務ら5人が出席。尾川会長は「来年度で寄贈開始から50年となり、青年部として先輩たちから引き継いできた歴史ある事業となっている。通常より大きな絵本は、子どもたちが物語の世界に引き込まれると聞いている。この事業を大切にし、青年部の活動を次世代へとつないでいきたい」とあいさつ。皆川治市長が「長年にわたって取り組みをいただき改めて感謝したい。図書館本館改築に向けた検討が始まる。青年部の皆さんの意見も聞いていきたい」とお礼を述べた。
懇談の中で、図書館職員で児童図書担当の成沢亜衣さんが、寄贈絵本の読み聞かせを披露し、青年部メンバーから拍手が送られた。
2024年(令和6年) 3月10日(日)付紙面より
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酒田市の泉小学校(齋藤太校長、児童289人)の3年生が7日夜、これまでのアフリカ学習の総まとめとして、ギニア共和国首都・コナクリの小中高一貫学校「バー・カン校」の児童・生徒とインターネットを通じて交流した。
泉小では、昨年からジャンベ(アフリカ太鼓)の世界的演奏者ソロ・ケイタさんや山形大農学部の留学生、在ギニア日本国大使館の加藤隆一特命全権大使を招くなどアフリカやギニアについて学習。今回のバー・カン校との交流はこれまでの学習の総まとめとして、加藤大使の仲立ちなどで実施した。
この日は泉小3年生約40人と保護者、バー・カン校の児童・生徒が参加。日本との時差が約9時間あるため、一度帰宅した児童が保護者と共に泉小に集まった。両校の児童らは「魚を使った料理やラーメンが有名」「ギニア式とフランス式の2つの教育システムがある」などそれぞれの地域や学校を紹介。
じゃんけんゲームやジャンベを使ったリズムゲームのほか、質疑応答では泉小児童の「どんな時に幸せを感じるか」にバー・カン校側は「身近な人が幸せそうにしている時」「友達や家族と一緒にいる時」などと返答。一方、「好きな漫画は」との問いに泉小児童が「自分はBLEACHが好きだが、NARUTOやブラックジャックが好きな友達もいる」と答えるなど楽しく交流した。瀬尾あさひさん(9)は「質問に熱心に答えてくれてうれしかった。言葉が十分に分からなくても気持ちを伝えられた」と話していた。
2024年(令和6年) 3月10日(日)付紙面より
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鶴岡市板井川の水無川(一級河川)で8日、近くの櫛引南小1、2年生や地域住民によるサケの稚魚放流事業が行われた。約24万匹の稚魚が子どもたちの「元気で帰ってきてね」の声を受けて水中へ身を躍らせた。
この日は櫛引南小の1、2年生26人と市、枡川鮭漁業生産組合(遊佐町)の組合員、地元住民などが放流に参加。開会セレモニーで市職員から「これから放流する稚魚は、枡川鮭漁業生産組合の皆さんが親サケを捕獲し採取した卵をふ化して育てた。10万匹を放流して生き残るのは700匹ほど。さらに川を上る前に海で定置網に掛かるため、川に帰ってくるのは400匹まで減る」と説明を受けた。
その後、水無川に架かる上板井川橋の上から約5メートル下の水面に向けてブルーシートで作った斜面にホースで水を流しながら、児童たちが「元気で帰ってきてね」と声を掛けバケツに入った稚魚を放流した。2年の宮城伶さん(8)は「稚魚は小さくてかわいかった。頑張って生き残り、川に帰ってきてほしいと願いながら放流した」と話していた。
鶴岡市は赤川流域でのサケ資源の増殖に向け、地元住民や枡川鮭漁業生産組合、県などの協力を得て稚魚の放流調査事業を行っている。水無川での放流は2021年度から行われており今回で3回目。3~4年後のサケ遡上(そじょう)状況の確認や親サケ採捕施設(やな場)設置場所の検討など今後の赤川流域のサケ増殖事業に加え、サケを活用した地域活性化事業につなげていく。
今回の放流事業は同じ櫛引地域の馬渡川でも行われ、水無川と合わせて約30万匹が両川に放された。