2024年(令和6年) 4月5日(金)付紙面より
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鶴岡市湯田川のJA鶴岡湯田川催芽場で、温泉の廃湯に種もみを浸して発芽を促す伝統の「芽出し作業」が始まった。連日、早朝から作業員たちが種もみが入った袋をお湯が満たされた水槽へ浸す作業を行っている。
温泉を活用した芽出し作業は1848(嘉永元)年、地元農家が農業にも温泉を生かそうと始めたのが起源とされる。種もみの袋を30~32度の湯に12時間浸した後、水槽の上に渡した木板の上に並べてむしろで覆い、さらに12時間蒸す。専用機器や自宅の浴槽を使う芽出し作業に比べて低コストで農家の負担が少なく、発芽が均等になるという。
今年は庄内一円の農家から約1000件の依頼があり、「はえぬき」や「つや姫」「雪若丸」を中心に約242トンが運び込まれる予定。作業は今月1日に始まり、連日作業員たちが午前5時から袋を水槽に浸けたり、農家が届けた種もみを運んだりしている。一連の工程は早朝と午前、午後の3回行われ、1日平均約26トンを湯に浸けるという。
3日午後は5人の作業員が芽出し作業に従事。作業が最盛期を迎える10日ごろには15人ほどが作業に当たり、JA職員も加わる。JA鶴岡の担当職員は「昨年に比べて今年は天候や気温が安定しており、ちょうど良い状態で農家の皆さんに種もみを渡すことができそうだ」と話した。湯田川催芽場での芽出し作業は今月いっぱい行われる予定。
2024年(令和6年) 4月5日(金)付紙面より
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山形県スポーツ振興21世紀協会(理事長・平山雅之副知事)などが主催したサッカー大会「U14モンテディオ山形サッカーフェスティバル」が2、3の両日、酒田市光ケ丘球技場など2会場で行われ、庄内の2チームを含め東北地方一円、遠くは長野県から参加した中学2年生以下で構成する計8チームが熱戦を繰り広げるとともに、相互に交流の輪を広げた。
試合を通して青少年健全育成、地域社会貢献を図るとともに、選手・指導者相互の交流、レベル向上に向け、同協会とモンテディオ山形アカデミーが初めて企画。タイヤ、ホイールといったカー用品の販売を手掛けるホリ・コーポレーション(酒田市京田四丁目、堀直之社長)が特別協賛した。
本大会にはモンテジュニアユース庄内、SUNFLAP FC(鶴岡市)をはじめ山形、秋田、福島、宮城、長野各県から計8チームがエントリー。4チームずつ2ブロックに分かれ、同球技場、庄内町八幡スポーツ公園サッカー場を会場に初日は予選リーグ、2日目は順位決定リーグが行われた。
両日とも春めいた好天の下、選手たちは日頃の練習成果を発揮。細かなパスワークや素早いドリブルで相手をかわすなどゴール目指して走り回っていた。フェスに先立ち初日午前、地元の小学6年生を対象にしたサッカースクールが光ケ丘球技場で行われ、約40人がモンテアカデミーコーチらの指導を受けた。
モンテアカデミーダイレクターの宮武太さんは「昨夏に村山地域で開催したU13フェスとともに、庄内地域の活性化・スポーツ振興に向けてU14フェスも継続したい」と話した。
2024年(令和6年) 4月5日(金)付紙面より
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鶴岡市高坂の青龍寺川で3日午後、市内の釣り人が体長49センチの「ニジサクラ」を釣り上げた。公益財団法人・県水産振興協会(鶴岡市)が余ったニジサクラの幼魚約1000匹を赤川支流の青龍寺川に放流したうちの1匹とみられる。県のマニュアルでは放流しないよう定めている。生殖能力はなく雑交配などの可能性はないが、自然界への詳しい影響は分かっていない。
ニジサクラはニジマスとサクラマスを交配させた養殖用の淡水魚。山形の特産にしようと2017年に当時の県内水面水産試験場(米沢市)が開発した。昨年に本格デビュー。県から委託を受けた水産振興協会では内水面水産センター(遊佐町)で幼魚を育てて養殖業者に出荷している。臭みは全くなく刺し身にするとサーモンのようにほのかな甘みがあっておいしい。
水産振興協会でニジサクラを放流したのは昨年12月中旬。養殖業者から引き取りのキャンセルがあり水槽の許容量などから約500グラムに育った幼魚を青龍寺川に放した。赤川では例年通り3月からサクラマス釣りが解禁されたが、釣り人のSNS投稿でサクラマスとは違う魚の画像があり、複数の釣り人から県に問い合わせがあった。県が水産振興協会に確認した結果、放流していたことが判明した。
青龍寺川でニジサクラを釣った男性(75)によると市内の釣具店で「ヘリオス」と呼ぶ餌用の虫を買い求め、適度な川の流れとよどみがあるポイントで釣りを始めたところ、間もなくして「強い引き」があったという。男性は「自分の目的はウグイといった小魚。たもを準備しておらず、釣り上げるのに一苦労だった。その時は『何だこの大物は』とびっくりした」と振り返る。釣ったニジサクラは赤川漁業協同組合に送った。同組合では何を食べているのか胃の中を調べるという。
県の「生産・出荷マニュアル」では自然界への散逸防止に努めるよう定めている。ニジサクラに生殖能力はないにしても放流は不適切で焼却などの処分が適切だった、と県は水産振興協会にマニュアルの順守と再発防止を求めた。
2024年(令和6年) 4月5日(金)付紙面より
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鶴岡市の羽黒高校総合情報学科2年の高橋知菜乃さんが、農業機械を取り扱う田村農機(同市宝徳、田村健太郎社長)の新ロゴマークをデザインした。自社サイトなどで使用されている。
田村農機は1900年に農具メーカーとして創業。地元に寄り添いながら農機の販売や修理を手掛けてきた。
時代に即して販路を広げようと、バックホーやトラクター、田植え機などのレンタル事業「キカレン@庄内」を今年新たに始動。インターネットで簡単に予約できるシステムを導入し、その専用サイトで使用するロゴ制作を田村社長の娘が通う羽黒高校に依頼した。
同校では地元企業と一体となって教育に取り組む探究型学習に力を入れており、今回はデザインに関心を持つ有志生徒12人が挑戦。田村社長による審査の結果、バックホーのアームとショベルをモチーフに歯車やボルトを描き「キカレン」のイメージを表現した高橋さんの作品が選ばれた。
同校で2日に開かれた表彰式には田村社長が訪問。「プロが手掛けたのかと思うほど実用的で洗練されたデザイン。とてもありがたい。今回の経験をぜひ将来に役立てて」とお礼の言葉を述べた。新ロゴは現在キカレンの予約サイトで使用されているほか、取扱機に付けるステッカー化も検討しているという。
高橋さんは「ロゴ制作に初めて取り組んでみて、探り探りではあったがいい経験になった。多くの人の目に止まってほしい」と笑顔を見せた。
機械のレンタル「キカレン@庄内」は店頭でも申し込みできるが、手軽なウェブ予約を勧めている。専用サイトは「キカレン」で検索すると表示される。問い合わせなどは田村農機=電(0120)039007=へ。