2024年(令和6年) 4月9日(火)付紙面より
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外航クルーズ船「ウエステルダム」(オランダ船籍、8万2862総トン、乗客定員1964人)が8日、酒田市の酒田港古湊埠頭(ふとう)に初めて寄港した。同港として今年最初のクルーズ船寄港。乗客は欧米を中心とした1929人で、オプショナルツアーで羽黒山や加茂水族館、山居倉庫などを巡ったほか、市中心部では市民の「おもてなし」に触れ、庄内地域での春の一日を満喫した。
2017年8月に「コスタ・ネオロマンチカ」(イタリア船籍)が初めて寄港して以来、同港には外航クルーズ船が多く寄港していたが、コロナ禍の影響で途絶えた。新型コロナ対策の緩和に伴って昨年4月、受け入れが再開。同年は計6隻が訪れ、乗客は庄内地域の四季を堪能した。
アメリカの船社・ホーランド・アメリカラインが運航するウエステルダムは芸術的な内装が特徴で、「洋上の美術館」と称される大型クルーズ船。今回は「春の日本周遊と韓国釜山クルーズ」(14泊15日)で先月30日に横浜港を出港、姫路、韓国・釜山、富山など経て酒田は8カ所の寄港地。午前8時ごろに入港し、同9時ごろから乗客が降り立ち、オプショナルツアーや市内観光を思い思いに楽しんだ。
酒田市中心部の中町モールでは「クルーズマーケット」と銘打ち地場産品や土産物などの物販、キッチンカー出店などが行われ、シャトルバスで訪れる乗客を「おもてなし」。交流を深めていた。同船は同日午後7時、次の停泊地・北海道小樽に向け出港。クルーズは13日(土)まで続く。
一方、10日(水)にダイヤモンド・プリンセス(英国船籍)、11日(木)にル・ソレアル(仏国船籍)がそれぞれ酒田港に寄港。22日(月)にはウエステルダムが再度入港する予定になっている。
2024年(令和6年) 4月9日(火)付紙面より
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日和山公園 平年並み7日開花
「酒田日和山桜まつり」が開かれている日和山公園で酒田市は7日、同市の桜(ソメイヨシノ)の開花を発表した。平年並みで昨年より7日遅い開花。同日夜から基準木が立つ公園内の六角灯台を桜色にライトアップ。池にある千石船もライトアップし、まつりを盛り上げている。
山形地方気象台酒田測候所の無人化に伴い、2015年から市が同公園内に「基準木」を定めて観測している。この日は心地よい青空が広がる中、土井勝市整備課長が正午ごろ、基準木3本のうち「No.3」と呼ばれる木で開花を確認、宣言した。同公園には周辺部も含め計約400本のソメイヨシノが立ち、暖かい日が続けば14日(日)前後が見頃という。
一方、開花宣言前日の6日、桜まつりで5年ぶりとなる酒田地区広域行政組合消防本部(齊藤政晴消防長)職員による消防音楽隊(池田真弥隊長)と、酒田北前太鼓振興会(小松勝会長)による野外コンサートが同公園で行われ、多くの行楽客が見守る中、晴れやかな音が青空に響いた。
鶴岡公園 今週末見頃へ
鶴岡市は8日、鶴岡公園の桜(ソメイヨシノ)の開花を宣言した。市公園緑地係の職員が同日午前10時半、同公園北広場にある基準木で開花を確認した。昨年より8日遅く、1977(昭和52)年からの平均開花日よりは3日早い開花となった。同係の担当者は「今後の天候にもよるが、1週間ほどで満開となりそう」と話し、今週末には見頃を迎えそうだ。
「日本さくら名所100選」に選ばれている鶴岡公園には、ソメイヨシノを中心に約700本の桜があり、毎年県内外から大勢の花見客が訪れている。
8日の鶴岡市は青空が広がり気温が上昇し、午前中に最高気温が23度を超え、初夏の陽気に。公園内を散策する家族連れも多く、基準木前で行われた開花宣言を見守った市民からは拍手が湧き起った。散歩に訪れた保育園児たちは「あった、あった」「見つけた」「かわいい」と咲いたばかりの桜を指さしながら歓声を上げていた。
同公園内では5日から露店の営業も始まり、園内はスイーツを販売する店から甘い香りが漂い、お花見気分を盛り上げ。園内の護国神社前では、6日夜から桜のライトアップ(午後6時―同9時)が始まった。
2024年(令和6年) 4月9日(火)付紙面より
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鶴岡市は、旧庄内藩主酒井家の居城「鶴ケ岡城」の大手門前にあった「馬出(うまだし)」遺構から出土した石を城跡の鶴岡公園内に展示した。16日に展示公開スタートのセレモニーと現地説明会を開く。
馬出は城の出入り口をふさぐように設けられた攻守両面の機能を備えた施設。鶴ケ岡城の古絵図には土塁や石垣、堀が描かれている。1622年の酒井家入部後、二の丸大手門前に、大手門築造後の1650年代頃に造られたとみられる。鶴岡公園と市役所の間の県道拡幅工事現場で2021年12月、馬出の石積みに使ったとみられる石が出土し、絵図でしか分からなかった馬出の姿の一部が判明した。
石は同市の金峯山で採掘された花こう岩類の「金峯石(きんぼういし)」を含め約30個あり、市は遺構近くの公園内のバス優先駐車場南隣に展示スペースを整備し、出土した石を並べた。「鶴ケ岡城の馬出跡」の説明板も設置して城の歴史を感じてもらうとともに、石に腰掛ける休憩スペースとして整備したもので、16日のセレモニー後に区画内に立ち入ることができる。
説明会は同日午前11時からと、午後2時からの2回行い、市社会教育課の担当者が出土の状況や展示内容などを紹介する。参加無料。定員は2回とも事前申し込みで先着20人。申し込みは市社会教育課=電0235(57)4868=へ。
2024年(令和6年) 4月9日(火)付紙面より
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官民一体となりNHK大河ドラマの誘致実現を目指す「庄内町『清河八郎』大河ドラマ誘致協議会」(阿部武敏会長、事務局・町教育委員会社会教育課)は、同町出身の偉人・清河八郎が北辰一刀流を修めた際の免状「兵法免許箇條目録」や清河神社境内の座像をミニチュアにしたカプセルトイを制作した。今月6日に清川グラウンドを会場に行われた「きよかわマルシェ」で初お目見え。同協議会のブースで紙甲冑(かっちゅう)の着付けにチャレンジした児童・生徒が無料で体験し、好評を得た。今年5月には町内6カ所にカプセルトイを設置する予定で、同協議会では「まずは地元の子どもたちに楽しみながら八郎について知ってもらいたい。今後は歴史ファンや観光客に向けてもPRしていきたい」と期待を寄せている。
八郎は1830(天保元)年10月10日、出羽国田川郡清川村(現・庄内町)に生まれた。幕末の激動期、諸外国から日本を守るため、対等な立場で交易を進めるべきと考え、横浜の外国人居留地の焼き打ちを決行するなど尊王攘夷運動を推進。そうした行動があだとなり、34歳の若さで幕府側の刺客に暗殺された。八郎が組織した浪士組を母体に、会津藩による京都警護の「新選組」、庄内藩による江戸警護の「新徴組」が誕生している。
同協議会はドラマ誘致とともに、八郎の人間像を広く伝え、交流人口の拡大を図ろうと2018年に設立。今回は歴史に興味のない子どもたちにも楽しく触れてもらおうと昨年夏ごろから清河八郎記念館(廣田幸記館長)や酒田市の印刷業「コマツ・コーポレーション」と協力し、カプセルトイ制作を進めてきた。
カプセルトイに入っているミニチュアは全10種類。座像のアクリルスタンドやデフォルメキャラクターの缶バッジ、キーホルダーのほか、八郎が使ったと伝わる脇差、1851年に入門した千葉周作道場・玄武館で北辰一刀流を修めた証し「兵法免許箇條目録巻物・初目録」(町指定有形文化財)、道場を開くことができる免状「同・中目録」(同)といった“マニア心”をくすぐるものもある。アクリルやプラスチック、紙製でいずれも大きさは約5センチ。
同協議会では、きよかわマルシェでのお披露目を皮切りに、今年5月ごろ第2弾として町新産業創造館クラッセ、町立図書館、清河八郎記念館、清川関所、ギャラリー温泉「町湯」、道の駅しょうないの計6カ所にカプセルトイを設置する予定。1回価格やシークレットアイテムの有無も含め検討している。