2024年(令和6年) 7月15日(月)付紙面より
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鶴岡市羽黒町の月山8合目付近に広がる弥陀ケ原で、夏の訪れを告げるニッコウキスゲが見頃を迎え、多くの草花と共に登山客の心を癒やしている。
弥陀ケ原は月山の標高約1400メートル地点にある日本有数の湿原地帯で、月山が火山爆発を繰り返していた頃に頂上から吹き上げられた多量の岩くずが一帯に積もり、現在のような緩やかな平坦地になったとされる。130種以上の植物が咲き誇り多くの登山客から人気を集めている。
8合目のレストハウスから月山中の宮の御田原神社に向かって遊歩道を歩くと、かれんな青紫のハクサンフウロや食虫植物のモウセンゴケに交じって黄色の大ぶりなニッコウキスゲが辺り一面に群生している。花は午前中に開き、夕方には閉じてしまう。同市の月山ビジターセンターによると、今年は開花が2週間ほど早く、開山祭前日の先月30日には既に咲き始めていたという。
11日は濃いガスが立ち込める中、バスツアーなどの観光客らが三々五々訪れ、鮮やかに咲く草花に目を奪われながら散策を楽しんでいた。
同センターによると、弥陀ケ原での見頃は7月中旬まで。その後キンコウカやオゼコウホネなどが咲き始め、月山9合目付近のニッコウキスゲはヒナウスユキソウなどの高山植物と共に8月初旬まで楽しめるという。
2024年(令和6年) 7月15日(月)付紙面より
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京都府内で8月に行われる「第9回全日本中学女子軟式野球大会(SPトーナメント)」に、酒田市を拠点として広く庄内地域一円の女子中学生で組織する軟式野球チーム「酒田ビクトリーガールズ」が本県代表として出場する。13日に市内で行われた山形スマイルガールズ(山形市)との代表決定戦に勝利し、昨年に引き続き全国の切符を手にした。関係者は「全国でまずは1勝を挙げたい」と話している。
酒田地区野球連盟(佐藤精一会長)は、2018年に女子小学生を対象にした同名の軟式野球チーム「酒田ビクトリーガールズ」を設立。卒団生の受け皿として21年に中学生チームを立ち上げた。酒田連盟の川守田義則理事長は「『続けたい』という選手は山形まで通っていた。環境がないため、続けたいのに諦めざるを得ないという子どもたちをなくしたかった」と話す。
現在は酒田、鶴岡、遊佐3市町の1―3年14人が酒井健司監督(69)らスタッフの指導でめきめきと力を付けている。酒田市光ケ丘野球場で13日午前に行われた代表決定戦(県野球連盟主催)で、ビクトリーガールズはスマイルガールズを4対0で下し、2年連続で全国への切符を得た。酒井監督は「3年生を中心に頑張ってくれた。守りが固い守備のチーム。全国大会では昨年果たせなかった1勝を挙げたい」と。佐藤寧音(ねね)主将(15)=鶴岡一中3年=は「特に連係プレーを中心に練習を重ねてきた。声を掛け合うことを意識している。全国でまずは1勝を挙げ、一試合でも多く試合をしたい」と話した。
全国大会は府内7野球場で8月22日(木)から7日間にわたって行われる。
2024年(令和6年) 7月15日(月)付紙面より
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庄内町の小中学生と富樫透町長が町の魅力や課題について語り合う「とおるくんの学校に行こう」が12日、余目第一小学校(村上久夫校長、児童205人)で開かれ、6年生が「子どもが気軽に入れるカフェが欲しい」「暑い夏でも子どもが使える場所があればいい」など自らの“活性化案”を富樫町長に提案した。
町長が学校に赴いて子どもたちと対話し、小中学生の目線ならではの意見や課題などを町政に反映させようと昨年度から開催している。本年度は余目一小と余目中学校で実施する。余目一小では6年生が国語の体験学習として町の自慢や課題などについて事前学習し、パンフレットにまとめるなど約1カ月前から学びを深めてきた。
この日は6年生38人が参加。児童たちは5―6人ずつ7つの班に分かれ、ポスターやパソコンを使い「人口減少について」「町にあったらいいなと思う施設」「町の事件・事故」などのテーマで富樫町長にプレゼンテーションした。
このうち、人口減少について発表した班は「田んぼアートやハクチョウの見学ツアーを企画し、田んぼにホテルを造れば全国から多くの人が訪れるのでは」、施設の要望をした班は「屋内プールなど暑い夏でも子どもが使える場所があればいい。庄内町はランドセルなども配布しており、こうした施設があればもっと人が増える」など発表した。富樫町長は「皆さんがいろいろなことにチャレンジできるよう町としても応援していく。庄内町の良さをもっと勉強してもらい、多くの人に発信してもらいたい。今日の提案をまちづくりに生かしていきたい」と応じた。
質疑応答では児童から「町長の給料はいくらですか」「町長はどんな仕事ですか」などが出され、笑いが起こるなど和やかに交流した。
剱持柚夏さん(11)は「私たちは学習を通して町のいろいろな魅力を知ることができた。自分たち自身が町の魅力を発信できる人になりたいと思った」などと感想を話していた。
2024年(令和6年) 7月15日(月)付紙面より
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絵ろうそくの一種「フラワーボール」の制作体験講座が13日、酒田市の浜田コミュニティ防災センターで開かれ、平野屋ローソク(同市浜田一丁目)の店主・平野肇さん(69)の指導で小学生と保護者が球状ろうそくに絵付けし、オリジナルの作品作りに取り組んだ。
県内の小・中学校や特別支援学校の校長、教頭で組織する県教育共励会(高橋禎理事長)が「山形の子ども育成事業」を県内各地で実施。絵ろうそくの制作体験はこの事業の一環。地域の伝統工芸を楽しみながら学んでもらおうと「地域の達人体験講座」として同会飽海地区事務局が企画した。
平野屋ローソクは1696年創業。ろうそくの側面に絵付けする庄内の伝統工芸「絵ろうそく」を現在も手描きで製造し続けている。水に浮くフラワーボールは直径3・5センチの球状ろうそくに絵を手描きしたもので、酒田の土産物として人気がある。
この日は同市や遊佐町の小学3―6年生55人とその保護者ら計104人が参加。平野さんが「ろうそくは奈良時代に仏教とともに中国から伝わった。昔は蜜ろうで作っていた」などとろうそく作りの歴史を紹介した後、「芯を持たない」「触る部分はできるだけ最小限に」「筆の水分を取って濃い絵の具で色をつける」など絵付けのポイントを指導した。
参加した児童らは桜やメロン、猫など好きなものやキャラクターを思い思いの色で描き進め、最後に平野さんからろうで絵をコーティングしてもらいオリジナル作品を完成させていた。宮野浦小3年の菅原優奈さん(8)は「桜の花びらをデザインした。ろうそくの絵付けは初めてだったけど楽しかった」などと話していた。