2018年(平成30年) 10月10日(水)付紙面より
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恋愛の聖地「恋する灯台」に認定されている鶴岡市の鼠ケ関灯台を背景に7日、認定後初となる結婚式が行われた。初デートで同灯台を訪れたという2人が、思い出の場所で人生の新たな一歩を踏み出した。
恋する灯台は、一般社団法人日本ロマンチスト協会(本部・長崎県)が2016年に初めて全国21カ所を認定。日本財団(東京都)と全国のさまざまな推進パートナーの共同による「海と日本プロジェクト」の一環で行うもので、灯台を「2人の未来を見つめる場所」として認定し、海への関心を高める狙い。
認定後、鼠ケ関では婚活イベントなど観光事業の取り組みも展開しており、地元観光振興への期待も寄せられている。
新郎新婦は、鼠ケ関出身の五十嵐海渡さん(23)、酒田市出身の瑞季さん(23)=旧姓・中島。14年3月に友人のつながりで知り合い、同年5月4日に鼠ケ関灯台を訪れ、交際し始めたという。五十嵐さんは「灯台にたどり着くまで、手をつながないと危ない箇所があるので誘った」とはにかむ。
その後16年の恋する灯台認定を受けて、「地域おこしにつながれば」(五十嵐さん)と、灯台を望む厳島神社で結婚式を挙げることにしたという。
挙式当日は親族友人ら約30人が出席。厳かな神前式で、新郎新婦が三々九度の杯を交わし、海渡さんが誓いの言葉を述べた。その後一行は、台風接近に伴う大荒れの中鼠ケ関灯台へ。新郎は、純白のウエディングドレスに身を包んだ新婦をかいがいしくいたわりながら潮風が吹き付ける散策コースを歩いていた。
祝福を受けた2人は「大きな家庭をつくりたい」と笑顔。「波のサラシや夕日に映える美しい場所。愛を育ませてもらった灯台に感謝したい」と話した。
2018年(平成30年) 10月10日(水)付紙面より
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高齢者のささやかな所得や生きがいづくりにもつながる軽作業と、健康づくりを両立させた取り組みが、鶴岡市木野俣で進んでいる。老人クラブを中心に構成する「木野俣いきいき隊」(会長・五十嵐正直自治会長)が主催し、健康に楽しく生活するために、高齢者自らの稼ぎで継続する仕組みづくりを目指す。
いきいき隊は、地域コミュニティーの推進、地域資源を生かした高齢者の生きがいづくり、生活環境の整備といった地域課題に取り組む主体として2011年に結成。木野俣集落センターを拠点に活動する。
特徴的なのが、軽作業で1日1000円を稼ぐ「年金+1000円/1日プロジェクト」。ワラビやミョウガの出荷や、原木ナメコ、焼き畑温海かぶの栽培、同じ福栄地区にある関川集落に伝わる伝統工芸品「しな織」の加工工程の一つ「しなうみ」といった作業を、高齢者がセンター内外で有償ボランティアとして取り組む事業。佐藤兼與さん(90)は「毎日することがなくて、村の中を2周するのが日課だった。これまでナメコの菌打ちや、ドングリの皮むきをやってきた。お金よりも頼りにされることがありがたい」と、高齢者にやりがいをもたらしている。
8日からは「KKP46」(木野俣健康づくりプロジェクト46世帯)と銘打った月1回の定期的な健康教室もスタート。医療特化の連携コワーキングスペース「みどり町文庫」(同市みどり町)を運営する瀬尾医療連携事務所(瀬尾利加子代表)の協力を得て指圧や軽体操、健康食品の開発など健康づくりに関わる内容を扱い、健康の指標として血圧を毎回計測して事業の検証にも役立てる。市の助成金と「年金+1000円―」の収益で、講師の派遣料などを賄う。
1回目の8日は、60代から90代までの35人が参加。管理栄養士監修の芋煮会と、理学療法士の指導でストレッチや筋力向上を図る健康体操を行った。健康体操では「大汗かいた」と食後の運動を楽しんでいた。
五十嵐会長は「ここに住んで良かったと言ってもらえる場所にしたい」と話した。