2019年(令和1年) 8月29日(木)付紙面より
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鶴岡市救難本部(佐藤昭本部長)の海難救助訓練が27日、鶴岡市の加茂港で行われ、185人が参加し有事の対応を確認した。
同市沿岸で発生する海難事故に備えて救難所員に基本的な救助技術を体得させ、自覚と社会奉仕精神を養うことを目的に、毎年実施している。
訓練には同市救難本部の加茂救難所(板垣貢所長)を主体に加茂、由良、豊浦、温海、念珠関の計5救難所から漁師や漁業従事者などで構成された救助員が参加した。
初めに基礎訓練として排水ポンプ操法や心肺蘇生法、救命索発射器操法などを実施。このうち、海難船舶に救助ロープを渡すという救命索発射器操法では、酒田海上保安部による実演後、実際に救助員が標的目掛けて実践。救助員にはロープを正確な位置へ発射させる精度が求められ、交代で発射を繰り返すなど操法を確認していた。
その後の総合訓練では、突風と高波にあおられ防波堤に接触、機関停止した漁船からけが人を救助する想定で訓練開始。救助員は手際よく救命索発射器で漁船へロープを発射。ロープを手繰り、ゴムボートで漁船から救出したけが人を陸に上げ心肺蘇生、救急隊へ引き渡すまでの一連の訓練を行った。
酒田海上保安部によると、今年7、8月の海での行楽シーズンの庄内で発生した海難人身事故は6件。前年同期に比べ4件増となっている。この日、指揮を執った板垣所長は訓練を終え、「万一の事態に備え訓練しているが、有事が起きないことを日々祈っている」と話した。