2019年(令和1年) 9月3日(火)付紙面より
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鶴岡市の出羽三山神社(宮野直生宮司)の「八朔(はっさく)祭」が31日夜、羽黒山頂で執り行われ、山伏修行・秋の峰の修験者たちが護摩壇を囲み、勇壮な火祭りを繰り広げた。
五穀豊穣(ほうじょう)を願うとともに、擬死再生の行に臨む修験者たちが、生命を得て生まれ変わるための自分の葬儀ともされる。今年の秋の峰には海外からも合わせて165人が入峰(にゅうぶ)した。
出羽三山の開祖・蜂子皇子を祭る山頂の蜂子神社で神事が執り行われる中、荒行を遂げて精悍(せいかん)な顔つきとなった修験者の一行が同神社周辺に合流。蜂子皇子にささげる拝詞の大合唱が、境内に響き渡った。
神社前の護摩壇に御神火が放たれると祭りは最高潮に。秋の峰を10回以上経験した「度位の新客」たちが長さ4メートルほどの火ばしで柴燈護摩を突く「火ばし神事」を繰り広げた後、修験者たちは拝詞を唱えながら護摩壇を巡り、祭りを締めくくった。