2019年(令和1年) 9月4日(水)付紙面より
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鶴岡市ゆかりの芥川賞作家、羽田圭介さん(33)を迎えたトークイベント「SHONAI羽田圭介お茶会2019」が1日、三川町文化交流館(アトク先生の館)で開かれ、羽田さんが庄内との関わりや作家を志した理由、職業観など独特な感性で軽妙なトークを繰り広げた。
羽田さんは2015年、「スクラップ・アンド・ビルド」で芥川賞を受賞。テレビ出演やラジオ番組のパーソナリティーなど幅広い分野で活躍している。
父親が鶴岡市大山生まれで、同市内に親類も多く、トークで「幼い頃は夏休みによく父の実家に来て、湯野浜で海水浴をした。海水浴と言えば、庄内のきれいな海と砂浜。神奈川の湘南に行き、なんでこんな泥のような砂浜で泳ぐのかと思っていた」と語った。
中学時代に椎名誠さんのエッセーに触れ、その生活スタイルに憧れて作家を志向し高校生でデビュー。大学卒業後1年半ほどサラリーマン生活をして、専業作家となった。タレント業もこなすスタイルに「小説家という本業とのバランスを考えた上での気分転換」と話し、芥川賞受賞後を振り返り、「頼りにできそうなブレーンを探したけど、誰かに頼るのではなく自分にしかできないことをやっていかねばという思いが強くなってきた。自分を信じてやるしかないと実感している」と作家としての自身の職業観を披歴した。
三川町地域おこし協力隊の伊藤秀和さんが羽田さんと明治大の同じサークルの同期で交友があり、今回のイベントを企画。午前と午後の2回開かれ、庄内地域のほか県内各地や隣接県、北海道、東京などからファンら計約130人が参加した。伊藤さんは「羽田さんも乗り気なので、来年は庄内でキャンプを企画したい」と話した。