2019年(令和1年) 9月8日(日)付紙面より
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鶴岡市のあつみ温泉が、環境省の「国民保養温泉地」に指定された。県内では蔵王(山形市)や銀山(尾花沢市)などに続いて7カ所目、鶴岡市では湯田川、湯野浜に次いで3カ所目の指定。10月4日に東京都で開かれる全国温泉地サミットで指定状が交付される。
国民保養温泉地は、温泉法に基づき温泉の公共的な利用を増進するため、温泉利用の効果が十分期待され、健全な保養地として活用される温泉地を環境大臣が指定するもので、あつみ温泉は全国で80カ所目の指定。選定には▽温泉に効能があり、湯量が豊富▽自然の豊かさ、文化がある▽医師ら入浴方法の指導ができる人材がいる―などの条件がある。
指定に向けあつみ温泉の源泉管理会社や観光協会、自治会などは、市とともに昨秋から計画書策定に着手。温泉療養に適した施設整備と医療スタッフの確保、地元食材を使った療養食の活用、歴史ある温泉地としての調和の取れた地域づくりなどの取り組みを打ち出した。自然や歴史、文化、食文化を生かした多様なプログラムを楽しみ心身ともに元気になる場としての機能を持たせた持続的発展が可能な温泉地づくりを進める。
たちばなや社長で温海温泉源泉有限会社の佐藤佐次右衛門社長は「指定はあつみ温泉にとって、とてもうれしいこと。指定に向け、あつみ温泉が進むべき方向をみんなで見詰め直す機会にもなった」とし、旧温海町とともに進めた温海川沿いの「そぞろ歩きの楽しい温泉街」の取り組みを踏まえ、「四季折々のそぞろ歩きが楽しめる。6月の地震で被害があったが、あつみ温泉は元気だということを、この指定を機会にさらに発信していきたい」と話した。
2019年(令和1年) 9月8日(日)付紙面より
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出羽三山神社(宮野直生宮司)の女性だけの山伏修行「神子修行」が6日、鶴岡市の羽黒山中で始まった。9日まで山中の吹越籠堂(ふきこしこもりどう)を道場に、三山に身を委ね、自分を見つめる。
北海道から鹿児島県まで全国から83人が参加。紅花染めの装束と白い宝冠を身に着けた女性たちが修行の出発地となる羽黒山の随神門前に集った。神事を行った後、列を成して石段を歩き羽黒山頂を目指した。この日は山中の気温も30度を超える厳しい残暑となり、石段を踏みしめる女性たちの顔に汗が光った。
今年、山梨県から鶴岡市に移住し同神社で結婚式を挙げた伊藤桃与さん(30)は、夫の卓朗さん(41)が山伏修行「秋の峰」に入峰し、自分もと初参加した。「災害が少なくなるように願いながら臨みたい」と話した。
神子修行は1993年の出羽三山御開山1400年を機に、女性にも修行の道を開く行事として創設。参加者は朝晩の水ごりや禊(みそぎ)、月山への山駆けなどの修行を積む。