2023年(令和5年) 9月8日(金)付紙面より
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鶴岡市で週末を中心に代行車予約の「争奪戦」が起きている。新型コロナが「5類」となり、飲食する人たちの動きが活発に。それとは反対にコロナ禍の影響を受けて二種免許を持つ運転手が転職、代行のドライバー不足が表面化している。特に金曜日と土曜日の夜は「2、3時間待ち」が当たり前。代行業者は「毎日走っている台数は鶴岡全体でコロナ禍前の3分の1程度。毎週末が一年の中で最も忙しい年末の時期(12月27日ごろから30日)を繰り返しているようなものだ」と話す。こうした中で鶴岡警察署管内では酒気帯び運転の検挙者が急増。先月下旬、鶴岡市内では酒気を帯びて車を運転し自転車とぶつかる事故が発生した。
鶴岡署によると、県公安委員会に登録されている代行業者は27社(今年8月31日現在)。2018年より3社減った。
コロナ禍以降、緊急事態宣言などで飲食店からの電話注文が極端に減り、安定した収入先を求めて転職したドライバーが多い。必然と稼働できる車が限られ業者は「10台以上保有していたところの稼働率はコロナ禍前の半分以下。鶴岡全体で1日平均50台も出ていないと思う。週末は予約をこなすのにフル回転の状態が続いている」と現状を説明する。
鶴岡駅前で居酒屋を経営する店主は「午後8時を過ぎると、代行車の待ち時間が発生する。予約で混み合う対策なのかは分からないが、最近、若いお客さんの間では『お酒を飲まずに送迎する係(1人)』を決めているグループが結構、見受けられる」という。
居酒屋の「2次会先」となるスナックも少なからず影響を受けている。女性経営者は「午後9時ごろ、来店したお客さまにすぐ尋ねることが『代行車は予約していますか―』。お酒を出す前に聞かないといけない。そうしないと、ずるずると閉店できない状態になる。自分が代行を呼んで自宅に戻れるのは午前4時過ぎ。こういうパターンが何日もあった」と苦笑いを浮かべる。
鶴岡署管内では昨年と比べて酒気帯び運転の検挙者が目立つ。交通課の竹岡寛顕課長は「(検挙者数は)昨年同期の約4倍。代行車が少なくなった、増えた、という問題ではない。酒を飲んで事故を起こした場合、ひき逃げに発展するケースが高い。憂慮すべき事態」と表情を曇らせる。先月29日夜には鶴岡市内で酒気を帯びて車を運転した男性(60)が自転車にぶつかった。呼気1リットルにつき0・25ミリグラム未満のアルコールが検知、現行犯逮捕された。
市内の代行業者は「今さら転職したドライバーが(代行に)戻ってくるのはゼロに等しい。若い人は夜中の代行業に対して関心度は低いし稼働できる台数が増えることは考えにくい。これからも2、3時間待ちの状況は続く」とみている。鶴岡署は「酒を飲んで車を運転する悪質なドライバーは根絶させなければならない」と今後も取り締まりを強化する方針だ。
2023年(令和5年) 9月8日(金)付紙面より
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出羽三山神社(阿部良一宮司)の「神子(みこ)修行」が6日、鶴岡市の羽黒山を拠点に始まった。全国から参加した女性が9日までの4日間、山中を駈け巡る「山駈け」や「禊(みそぎ)」などの行を積む。
女性を対象にした「神子修行」は1993年に始まった。今年は23歳から73歳まで73人が参加。コロナ禍で中止となって以来、4年ぶりとなった。
山伏姿に身を包んだ女性は初日の昼前、神社社務所を出発。随神門から参道を下り、各社(やしろ)を参拝しながら山頂の蜂子社と合祭殿を目指した。
修行期間中、湯殿山で滝に打たれる荒行などに挑み多くの人々を苦しみから救おうとした羽黒山の開祖・蜂子皇子の「心」に触れる。
東京から初めて参加した50代の女性会社員は「参道に入った瞬間、神聖さを感じた。最終日までしっかり修行をして新たな自分と出会いたい」と話していた。