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荘内日報ニュース


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2023年(令和5年) 10月17日(火)付紙面より

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五百羅漢像130体修復終える 善寳寺 531体安置 プロジェクト8年目全体の4分の1

 鶴岡市下川の善寳寺・五百羅漢堂で、安置されている羅漢像の修復が進められている。約160年の歳月で傷んだ仏像を後世に残そうと2015年に始まった。今年で8年目。今のところ全531体中、130体の修復が終わった。担当する東北芸術工科大学・文化財保存修復研究センターの笹岡直美准教授(48)は「今後も(東北芸工大の)学生と共に貴重な羅漢像の修復を慎重に進め当時の面影を今に伝えたい」と話している。

 善寳寺境内にある五百羅漢堂は1855(安政2)年に建立した。仏像は北前船で財を築いた豪商が寄進したもので、表情やポーズまで同じものは一つもない。北前航路の繁栄を伝える貴重な文化遺産に位置付けられている。

 かつて「亡くなった人の面影をしのぶ五百羅漢」とうたわれたように、写真のない時代は五百体以上の中から死亡した身内に似た顔を見つけて手を合わせたと伝えられる。堂の正面に「釈迦(しゃか)>三尊」と「十大弟子」がまつられ、柱の上には「風神雷神」、左右の段には東西南北を守る「四天王」が安置されている。

 修復プロジェクトは「龍澤山善寳寺奉賛会」(会長・新田嘉一善寳寺最高顧問)が東北芸工大と業務委託契約を結んでスタートした。当時、不明だった作者は京都の仏師「畑次郎右衛門」と仏像に記された「銘文」から分かった。すべて木造で、スギなどを材質に「寄木づくり」で組み立てられている。長い年月が経過し、ほこりがたまったり、虫に喰われて手足が朽ちた仏像も。プロジェクトチームは「現状修復」という手法で仕上げている。

 コロナ禍以降、中止となっていた修復作業の特別公開が15日に現地で行われ市民ら約40人が参加。筆を使って仏像の肩にたまったほこりを取り除く作業を間近に見学した。

 笹岡准教授は「まだ400体を残し進捗(しんちょく)状況は全体の4分の1だが、羅漢堂正面の『釈迦三尊』や『十大弟子』、西側にある仏像の修復を無事に終えることができた。損傷程度は仏像によって差はあるが、今後も現状修復を進めて歴史の重みと風格を取り戻したい」と語った。今のところ羅漢像は2025年度まで54体(計184体)の修復を終わらせる予定。

公開された修復作業。手掛けているのは四天王の中の一体「広目天(こうもくてん)」
公開された修復作業。手掛けているのは四天王の中の一体「広目天(こうもくてん)」

修復の一例。左が修復前で右が修復後
修復の一例。左が修復前で右が修復後


2023年(令和5年) 10月17日(火)付紙面より

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白だるま奉納 「合格祈願祭」 鶴岡 七日町観音堂

 観音様のお歳夜「だるま市」で親しまれる鶴岡市本町二丁目の七日町観音堂で14日、「白だるま合格祈願祭」が行われた。高校や大学受験に臨む祈願者が「合格しろ(白)!」の願掛けにちなんだ縁起物の白だるまを奉納し、合格を祈願した。

 この日、祈願者や家族など約60人が観音堂礼拝堂に参列。「大学合格」や「国家試験合格」などと書かれた白だるま約40体が奉納された。定刻を迎えると、お堂内で太鼓の音が響き渡る中、護摩壇の火に白だるまをかざす「精入れ」が行われた。その後、祈願者の名前が読み上げられると、参列者は目を閉じながら合掌し、祈っていた。

 友人と参列した鶴岡三中の佐藤美桜さん(14)は「自分の努力や思いが届けばいいなと思った。初めての受験で不安もあるが、友達と切磋琢磨(せっさたくま)して頑張りたい」と話した。

 合格祈願祭は「だるまの町」をPRしようと七日町町内会(吉川義雄会長)が毎年この時期に行っている。

受験生の願いが込められた白だるまに火をかざす「精入れ」が行われた
受験生の願いが込められた白だるまに火をかざす「精入れ」が行われた


2023年(令和5年) 10月17日(火)付紙面より

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車椅子使用者 駐車スペース 「全面青色塗装活動」紹介 鶴岡市役所1階ホール

全国脊髄損傷者 連合会山形県支部 適切な利用に理解を 取り組み状況伝える写真や必要性訴えたポスター展示


 車椅子使用者のための車両駐車スペースを鮮やかな青色で示す「全面青色塗装活動」を紹介する展示が、鶴岡市役所1階ホールで行われている。現在は全国に広がる活動だが、2004年に車椅子使用者の団体・全国脊髄損傷者連合会山形県支部が庄内地域で始めたのがきっかけ。展示では、同支部がバリアフリー・ユニバーサルデザインの推進功労者として功績を認められて受賞した内閣府特命担当大臣奨励賞の表彰状などを配置し、青地に白色の車椅子マークの駐車スペースの適切な利用を呼び掛けている。

 幅3・5メートル以上を必要とする「車椅子使用者用駐車施設」は以前から設置されていたが、認知不足もあって一般の人の車の駐車が相次いでいた。酒田市在住の県支部会員が04年、「国際シンボルマークを青地に白で塗装すれば不適切な利用を防げるのでは」と提案し、同市内で全国第1号という「全面青色塗装」が実現した。

 活動はその後、先駆けとなった庄内地域から県内全域、今は全国各地に広がり、路面の塗装に協力するボランティア活動も活発に行われている。県支部にはノウハウや車椅子マークの型枠の提供依頼も多くあり、取り組みが普及。昨年12月に大臣表彰を受け、首相官邸で行われた授賞式では岸田文雄首相にも全国に広まった活動状況を紹介した。

 鶴岡市役所での活動紹介では、授賞式の様子や鶴岡市内をはじめ各地の全面青色塗装の実施状況などを伝える写真のファイル、表彰状、車椅子使用者が車両の乗降に広いスペースが必要なことを青色塗装のイラストで示した国土交通省の啓発ポスターなどを展示した。

 当初から活動の中心で強力に取り組みを推進し、首相官邸の授賞式で岸田首相に活動を説明した全国脊髄損傷者連合会副代表理事で県支部青色プロジェクト長の小林光雄さん(75)=鶴岡市板井川=は「展示を通じて青地に白い車椅子マークの塗装が、どういう人たちのための駐車スペースかを改めて知ってもらい、理解が深まるきっかけになれば」と話した。展示は10月31日(火)まで。

「全面青色塗装活動」の取り組み状況を紹介する展示と小林さん=鶴岡市役所
「全面青色塗装活動」の取り組み状況を紹介する展示と小林さん=鶴岡市役所


2023年(令和5年) 10月17日(火)付紙面より

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プロと対局 棋力磨く 日本棋院鶴岡支部「囲碁教室」 山形市在住トルマネン初段と女流棋士の五藤眞奈初段指導

 プロ棋士2人を講師に招いた日本棋院鶴岡支部(酒井忠久支部長)の囲碁教室が14、15の両日、鶴岡市大宝寺町の「囲碁サロン鶴岡」で開かれ、愛好家たちがプロの対局を通して棋力を磨いた。

 日本棋院東京本院所属の山形市在住でフィンランド出身のアンティ・トルマネン初段(34)と、女流棋士の五藤眞奈初段(21)が講師を務め、同時に8人と対局する「8面打ち」の指導などを行った。

 初日の14日は支部の会員ら中学生から80代までの約30人が参加。酒井支部長の歓迎のあいさつに続き、2人が黒石と白石に分かれて、今年2月に行われた庄内地域のアマチュア囲碁界最高位を決める荘内日報社主催「第64期庄内本因坊戦」決勝戦の大判解説を行い、序盤の布石から難解な局面での攻防について丁寧に解説し、参加者がうなずきながら聞き入っていた。

 8面打ちで2人は、各碁盤を回り支部会員と対局。「いい手ですね」「ここに置くと、どうしますか」などと語り掛けながら、指導していた。序盤の布石を学びたいと対局に参加したアマ5段の酒田三中2年、河井奏人さん(13)は「やっぱりプロの方の置き方は違う。一つ一つの石の価値が違い、勉強になった」と話した。プロ棋士2人は、15日に行われた同支部の秋季囲碁大会でも希望者を対象にした指導対局を行った。

 同支部の6月末の会員数は122人で、日本棋院の全国の461支部のうち三重支部(275人)、横浜栄支部(193人)に次いで3位。同棋院には支部会員数上位10位の支部への棋士派遣報奨制度があり、今回の鶴岡支部への派遣が実現した。

庄内本因坊戦決勝戦を大判解説するトルマネン初段(左)と五藤女流初段
庄内本因坊戦決勝戦を大判解説するトルマネン初段(左)と五藤女流初段


2023年(令和5年) 10月17日(火)付紙面より

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「裸足で歩ける海岸」実現目指し 美しいやまがたの海プラットフォーム クリーンアップin湯野浜 企業、市民参加漂着ごみ拾い

 漂着ごみ問題の解決に取り組む「美しいやまがたの海プラットフォーム」(代表・小谷卓鶴岡高専名誉教授)主催の海岸美化運動「クリーンアップin湯野浜」が15日、鶴岡市の湯野浜海岸で行われた。地元企業や団体関係者、一般市民などが参加し、海岸に漂着したごみを拾い集めた。

 同団体は、NPOやボランティア団体、大学など教育機関、漁業団体、企業、国、県、海岸を有する自治体がメンバーとなり、漂着ごみ問題の解決に向けて内陸地域を含む県内全域へ情報発信するとともに、関連団体と連携して情報交換会や河川・海の清掃活動などイベントを実施しており、2011年度から県が策定した“美しいやまがたの海づくりプラン”を基にした普及啓発事業の推進母体として活動している。

 庄内地区では酒田市の最上川河口付近や湯野浜海岸で年に各1回のクリーン作戦を実施している。今回は鶴岡「小さな親切」の会に加盟している地元企業の関係者や家族、一般市民など250人余りが参加した。

 この日は午前7時に開会式が行われ、小谷代表が「漂着物が湯野浜をはじめ庄内各地の海岸に打ち上げられる状況が続いている。皆さんの協力で『裸足で歩ける海岸』の実現を目指したい」とあいさつした。

 その後、市立湯野浜小学校の西側付近を中心に、ごみ袋とごみ収集用のトングを手にした参加者が海岸で約1時間にわたりごみ拾いを行った。ロープや網、ブイなど漁業用具が多く見られたほか、ポリタンクやバーベキュー用の鉄製こんろ、ペットボトルなども落ちていた。

 6歳の長男と一緒に参加した鶴岡市の30代女性は「少し寒いけど、地元民なので海岸がきれいになると気持ちいいです」と笑顔で話していた。

「裸足で歩ける海岸」を目指して清掃活動が行われ、親子連れでの参加も多く見られた
「裸足で歩ける海岸」を目指して清掃活動が行われ、親子連れでの参加も多く見られた



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