2023年(令和5年) 11月28日(火)付紙面より
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鶴岡工業高等専門学校(太田道也校長)の学生が夏休みを利用して製造業で働いた成果を発表する会が24日、鶴岡市井岡の同校で行われた。
キャリア能力の向上につなげようと同校では3、4年生の学生を対象に企業で働く機会を提供する「CO―OP(コーオプ)教育」を進めている。今回は3年生16人と4年生4人の合わせて20人が参加。夏休みを活用し10―14日間かけてモーターを製造している企業など県内外10社で就業体験した。
この日は▽就業に参加した目的▽どんな仕事をしたか▽実際に働いて学んだこと▽今回の体験を今後どのように生かしたいか―をポスター大の用紙にまとめて報告した。会場には各企業の担当者が訪れ、学生にアドバイスを送った。
男子学生は「報告、連絡、相談と社会でよく言われる『報連相(ほうれんそう)』が身に付いた。会社で働く責任の重さとコミュニケーションの大切さも学んだ」「実際に働いて学生と社会人との違いを認識することができた」と話した。
受け入れ企業の担当者は「わずか10日ほどの就業期間だったが、よく会社のことや製品について勉強しているな、と感心した。次のステップにつなげてほしい」とエールを送った。
「CO―OP教育」で学生の受け入れに協力した企業は次の通り。
▽アライドマテリアル酒田製作所▽ウチヤ・サーモスタット▽オリエンタルモーター▽片桐製作所▽シンクロン▽スズモト精密▽東北電機鉄工▽山形メタル▽山本製作所▽JVCケンウッド山形
2023年(令和5年) 11月28日(火)付紙面より
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日本の歴史や伝統技術に着目し服作りを行っている服飾ブランド「matohu」(まとう)の2024年春夏コレクション「命の糸」特別展示会が鶴岡市の松ケ岡開墾場「シルクミライ館」で開かれている。鶴岡シルクとコラボし手掛けた、上質で軽やかなファッションアイテムが並んでいる。25日には同館でmatohuのデザイナー2人がトークイベントを行い、鶴岡の絹産業への思いや今回の新作にまつわるエピソードを語った。
matohuはファッションデザイナーの堀畑裕之さんと関口真希子さんが09年に設立。2人で現地を訪ね、実際に歴史や風土に触れて制作を行っている。
布の原点である糸に立ち返ろうと、今年春から数回にわたって鶴岡を訪れ養蚕、製糸、染織など絹産業の一連の行程に触れた。蚕の命から生まれるシルクを「命の糸」と表現し、鶴岡シルクとのコラボ作品を発表。企画展を東京や大阪、名古屋などで開き、鶴岡を最終開催地に選んだ。
25日のトークイベントには市内外から約30人が集まった。堀畑さんと関口さんは鶴岡のシルク産業の伝統などに触れ、心に刻まれたことをロードムービーを通して紹介。堀畑さんは「繭から糸ができるまでの行程を初めて見た時は衝撃を受けた。命を頂くありがたさを再認識しなければと感じた」、関口さんは「養蚕から染織まで全ての行程を一つの土地で行っている所は日本では鶴岡しか残っていない。デザイナーにできることでこの伝統をいつまでも守っていきたい」とそれぞれ語った。
展示は30日(木)まで。時間は午前9時―午後4時。水曜定休。