2024年(令和6年) 3月26日(火)付紙面より
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宇宙の魅力を伝える企画展「庄内から宇宙へ」が23、24の両日、鶴岡市の鶴岡アートフォーラムで開かれた。小惑星探査機「はやぶさ2」の実物大模型や火星探査機「MMX」の縮小模型の展示などが行われ、多くの家族連れが訪れた。
ISS日本実験棟「きぼう」の実験運用管制官として働いた経験のある東京都出身の佐藤涼子さん(38)=鶴岡市在住=が代表を務める「鶴岡スペースステーション」の主催。庄内の人に宇宙を身近に感じてもらおうと、荘内銀行ふるさと創造基金の助成を受け開催した。
「はやぶさ2」は2014年、地球の生命の起源を探るため小惑星「Ryugu」に打ち上げられた。サンプルを採取し、20年12月に地球に帰還した。現在は到着に10年以上かかるといわれる小惑星を目指し、飛行を続けている。
はやぶさ2の模型は、愛知県武豊市のNPO法人「ギガスター」(間瀬康文理事長)が製作した。幅約6メートル。太陽電池パドルや採取したサンプルを地上に送る「再突入カプセル」が忠実に再現されている。26年打ち上げ予定の火星探査機「MMX」と、長野県佐久市にある探査機からのデータを受信する「美笹アンテナ」の縮小模型も解説文とともに展示した。
23日に行われたギャラリートークで間瀬さんははやぶさ2について「鋼の塊を惑星の表面に衝突させ、表面と地下の2カ所のサンプルを計5・4グラム採取した。2カ所から採取したサンプルは非常に価値があり、日本が誇れる成果の一つ」と解説した。
藤島中1年の疋田琉莉さん(13)は「模型がリアルで迫力があった。はやぶさ2が10年もの長い時間をかけて次のミッションに向かっていると聞いて宇宙探査は大変だと感じた」と話していた。
会場では、宇宙に関するクイズラリーや月面探査車「YAOKI」の操縦体験、宇宙食の販売も行われた。