2024年(令和6年) 3月29日(金)付紙面より
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観光振興を手掛ける「DEGAM鶴岡ツーリズムビューロー」は、台北―山形空港のチャーター便で鶴岡市に訪れた台湾人の観光客数をまとめた。それによると往復31便(今年1月17日から今月7日まで)の就航で約4300人が山形空港に降り立ち、そのうち約1500人が鶴岡の温泉地に宿泊したことが分かった。関係者は「全体の3割を超える台湾観光客が鶴岡に来てくれたが、昨年の夏、台北市に行って現地の旅行会社にセールスしたことが功を奏した」とみている。
昨夏の台湾セールスでは冬の誘客(インバウンド)を図ろうと鶴岡4温泉観光協会の会長やDEGAMの担当者合わせて6人が台北市を訪問した。旅行会社11社を訪れ「山形チャーター便就航の際は鶴岡の温泉地や観光地にも来てほしい」とアピールした。今回のチャーター便実績を受けて今月上旬、鶴岡市の国際観光親善大使を務めるベンジャミン・リャオさん(台北市在住)とともに現地旅行会社の担当者と交流し感謝の気持ちを伝えた。
話し合いの中で台湾旅行会社の担当者からは「鶴岡は個性あふれる温泉地と自然、食べ物が魅力」「旅行者のニーズに合わせたコースを組みやすいが、もっと知名度を上げてほしい」といった意見が出された。
庄内への台湾観光客調べはDEGAMで各温泉旅館に聞き取りして取りまとめた。台北―山形チャーター便以外にも今年1月から今月にかけて仙台、秋田、新潟空港に降りた台湾観光客合わせて約2000人が鶴岡に泊まった。
DEGAMの担当者は「台湾人が喜ぶ『雪』をテーマに『たらのきだいスキー場』でそり遊びナイトツアー、羽黒山で『冬の石段詣で』を商品化し台湾旅行会社に企画提案したい」と話している。プロモーションは今年も行う予定。現地旅行会社とさらに連携を深め誘客拡大を目指す。
2024年(令和6年) 3月29日(金)付紙面より
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鶴岡市の湯田川温泉梅林公園で梅の開花が進み、来園者たちの目を楽しませている。見頃を迎える今月30(土)、31(日)の両日には同公園で「梅まつり」が行われる。
同公園に植えられた梅は紅梅、白梅など約300本。同温泉観光協会によると今年は2月中旬ごろから咲き始めたものの、3月中の寒さで開花は足踏み。27日は園内全体で七分ほどの開花状況という。
この日は暖かい日差しが降り注ぐ春めいた天候となり、昼過ぎから公園内は梅を楽しむ家族連れの姿が見られた。木によっては九分咲きとなっており、大きく開いた梅に「わあ、きれい」と声を上げ、スマートフォンで撮影する人もいた。妻と7カ月の長男の家族3人で酒田市から訪れた枝祐輔さん(30)は「初めて来たが、(公園に向かう)階段からたくさんの梅が見えてとてもきれい。ほのかな良い香りも漂っている」と話していた。
梅まつりでは、公園内で温泉旅館特製の梅見弁当「ウメミデランチ」を販売する。30、31日とも午前11時から売り切れまで。31日は公園内で旅館の女将による「梅林の野点」(午前11時~午後2時)や、湯田川温泉神楽(午後2時~)が行われる。
問い合わせは湯田川温泉観光協会=電0235(35)4111=へ。
2024年(令和6年) 3月29日(金)付紙面より
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鶴岡市の桜の名所・鶴岡公園で夜桜を演出する花見ぼんぼりの設置が進められている。市都市計画課公園緑地係によると「3月の寒さが影響してつぼみがまだ小さい。開花宣言は4月10日ごろの見込み」という。
ぼんぼりは鶴岡商工会議所が地元企業の協賛で桜の開花期に合わせ毎年設置している。今年は協賛企業名や「桜まつり」などの文字が入ったぼんぼり計159基を設置する。
ぼんぼりの設置は26日に始まり、27日は公園南側の県道沿いで委託を受けた市内の建設会社の作業員3人が作業を進めた。ぼんぼりと約3メートルの支柱をくぎやワイヤで固定し、1本ずつ地面に差していた。
設置作業は28日まで行われ、開花宣言に合わせて点灯する。点灯時間は午後5時半から同9時までで、点灯期間は4月中旬ごろまで。
花見の期間中、同公園内の護国神社前庭で4月上旬から中旬にかけて桜のライトアップが行われるほか、山形交響楽団の夜桜演奏会(6日午後6時、荘内神社参集殿、参加無料)や花見茶会(7日午前11時~午後3時、荘内神社境内、参加費700円)など各イベントが予定されている。
2024年(令和6年) 3月29日(金)付紙面より
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「みづほの子ども食堂お料理教室」が24日、鶴岡市大山二丁目のキッチンレンタル「コワーキングキッチン花蓮」で開かれた。公募で集まった小学生親子5組が参加。キッチンFutabaの渡部英俊シェフを講師に「塩だれ豚バラ丼」など3品にチャレンジした。
3年前から毎月、鶴岡と酒田で交互に「子ども食堂」を展開している「みづほ産業」が「サスティナ鶴岡」とキッチンFutabaの協力を得て「料理の面白さとみんなで食べる楽しさを伝えよう」と企画した。
教室には小学1年から6年の女子児童がエプロンを着てオープンキッチンに立ち、渡部シェフから豚バラ丼のほかに豆腐とワカメのみそ汁、デザートのチョコカップケーキの作り方を教わった。
渡部シェフは「タマネギはなるべく薄めに切って」と子どもたちにアドバイス。鶴岡市から参加した櫻井まおさん(6年)は「本格的な手料理は初めて。最初にしてはうまくできたと思う」と笑顔を見せた。
今回は母親の手助けが全くない料理教室で、お昼に子どもたちが作った3品を会食。お母さんたちは料理を食べながら娘の成長に目を細めていた。
2024年(令和6年) 3月29日(金)付紙面より
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学校法人慶應義塾と県、鶴岡市は27日、慶應大先端生命研究所(同市)を核とした研究教育活動プロジェクトを今後も共同で推進するための協定を締結した。期間は2024―28年の5年間。協定は今回で6期目。今期は、研究成果の活用による多様な地域活性化の取り組みを県内全域に幅広く普及させることも盛り込んだ。
協定に基づき、慶應義塾は世界的なバイオ研究拠点の形成に向けた研究教育活動を展開するほか、県、鶴岡市と連携して▽地域産業の振興に向けた産学官連携事業▽県内の高校などとの連携による将来の地域を担う人材の育成▽地域との連携による国内外との交流拡大―を柱に掲げ地域活性化に取り組む。先端研は01年に開設され、これまで先端研発のベンチャー企業も8社が生まれている。先端研が立地する鶴岡サイエンスパークでは現在、ベンチャー企業や研究機関など含め約580人の雇用を創出している。県と鶴岡市は引き続き毎年計7億円を拠出し、先端研の研究教育活動を支援する。
県庁で締結式が行われ、慶應義塾の伊藤公平塾長、吉村美栄子知事、皆川治鶴岡市長が協定書に署名した。伊藤塾長は「先端研は学術だけでなく実社会で新しい価値を生み出す源泉になる。地元企業との共同研究やベンチャー企業の創出、雇用創出により地域活性化に寄与していきたい」と述べ、吉村知事は「さらなる研究の進展、地域との連携交流を期待している。本県産業の振興につなげていきたい」、皆川市長は「ベンチャー企業の次の事業ステージに応じた支援を図り、さらなる雇用創出を目指したい」とそれぞれ語った。