2016年(平成28年) 11月22日(火)付紙面より
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酒田市の次期総合計画策定に向けた市民ワークショップ「市総合計画未来会議」の第5回(本年度最終)会合が19日、酒田勤労者福祉センターで開かれ、老若男女が酒田の「未来の新聞」作りを通じて、夢と希望に満ちた酒田の将来像を考えた。
総合計画は、市の数多いまちづくり計画の中で最上位にあるもの。現計画は2008―17年度の10カ年を計画期間にしたもので、市は本年度から次期(18―27年度)の計画策定に着手。未来会議は「市民参画のまちづくり」を重視する丸山至市長の意向で、今年6月に10代の中・高校生や大学生をはじめ、会社員、経済団体、金融機関の関係者、主婦ら市民約100人で立ち上げ、同市の現状や課題を掘り起こし、将来展望を探っている。この日は約80人が参加した。
初めに、アドバイザーとなっている加留部貴行九州大大学院統合新領域学府客員教授が過去4回の取り組みを振り返った上、「未来の酒田市が周りからうらやましがられるまちや暮らしになっているとしたら、その時の新聞は」というこの日の作業テーマを説明。参加者は5、6人ずつの14グループに分かれ、それぞれ取り上げる記事のテーマ3つを検討。模造紙に見出しや記事を手書きし、市広報などの写真を切り張りしたりして壁新聞を作り上げていった。
記事テーマの検討では、参加者が付箋に「鳥海山が世界遺産に登録」「ミシュランの星を獲得するレストランが誕生」「I・Uターンの受け入れ数が全国1位」「日本酒のメッカとして全国的に有名に」「子供から高齢者までみんなが主役で活動」「文化・芸術の香り、歴史、伝統が感じられるまちとして注目」「地域内交通が充実し、山形市までの直通列車が運行」などのテーマを書き、一人ずつ意見発表。和気あいあいと酒田の未来像を語り合っていた。
加留部客員教授は「壁新聞作りは誰でも経験している。そうした身近な方法で、自分たちのまちの未来像を形にし、共有していければ」と狙いを話した。
市政策推進課によると、ワークショップの取り組みは、総合計画策定の母体として今年6月に立ち上げた市総合計画審議会(会長・吉村昇東北公益文科大学長、委員25人)に報告し、策定の参考にされる。総合計画の基本計画策定に入る来年度は、あらためてワークショップを5回程度開き、市民の意見をより細かく形にしていく計画。