2016年(平成28年) 11月30日(水)付紙面より
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「初心者のための能楽入門講座」が27日、酒田市浜松町の庄内能楽館で開かれ、同能楽館の仕舞教室受講生による発表会、宝生流第12代宗家・宝生和英さんによる能の上演を通じ、幽玄の世界に触れた。
庄内能楽館は1976年、公益財団法人庄内能楽館(池田宏理事長)が能楽の普及を狙いに開設した。地方都市で民間が運営する異色の施設で、季節ごとに中央の能楽師を招いて公演や仕舞教室、その発表会など普及事業を展開している。
この日、第1部の仕舞教室発表会では、年間10回ほどの仕舞教室に参加した庄内一円の幼児から80代までの計約30人が、仕舞と、囃子(はやし)を付けた舞囃子など合わせて22演目を次々と披露。子どもがりりしいはかま姿で登場し、大きな声で口上を述べたり、謡に合わせて優雅に舞うと、ひときわ大きな拍手が送られた。
ともに酒田市の亀ケ崎小2年生で、3年ほど前から仕舞を習っているという齊藤歌乃さん(7)は「いろんな振り付けがあって面白い。特にヒラキ(両手を開きながら後退する所作)が好き。これからも続けたい」、本間拓真君(7)は「大きな声を出せるのがいい。今日はうまくできた」と話した。
第2部では宝生和英宗家が天女役のシテとなって能「羽衣(バンシキ)」を披露した。