2017年(平成29年) 1月18日(水)付紙面より
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薄紅色の小さな花が華やかに開き「早春を告げる花」として人気の高い啓翁桜(けいおうざくら)の出荷が盛期を迎えている。酒田市北沢にある高橋正幸さん(50)のハウスでは、ほんのりピンク色に色づいたつぼみをたくさんつけた啓翁桜が出荷の時を待っている。
真冬に咲く桜として知られる啓翁桜はミザクラを台木にし、ヒガンザクラの枝変わりとして誕生。太い幹はなく、枝が何本もまとまって一つの株をつくる。正月の迎春花やフラワーアレンジメントの材料、贈答品に用いられるなど人気が高い。
庄内では高橋さんの父・春樹さん(75)が啓翁桜生産の先駆者。現在は正幸さんが後を継いで、首都圏や大阪、北海道など全国各地の市場に年間6―7万本を出荷している。
畑で栽培している啓翁桜を125センチに切りそろえ、ハウスに入れ、日中は約20度、夜間は5―8度で保温。20日ほどで花芽が膨らみ、色づいたものを出荷する。注文主の要望に応じて花芽が大きく膨らんでから出荷することもあるという。今季は昨年12月18日から出荷がスタートし、4月初旬ごろまで続くという。
正幸さんは「花はもちろん、咲くまでの間や散ってからも葉桜として、1カ月ほど楽しめる。一日一日変わる姿を長く楽しみ、癒やされてほしい」と話していた。