2017年(平成29年) 3月4日(土)付紙面より
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元気でね―。酒田市の西荒瀬小学校(佐藤文雄校長、児童107人)の全校児童が2日、昨年10月からこれまで大切に育ててきたサケの稚魚約1万匹を学校近くを流れる日向川に放流。児童たちは見えなくなるまで稚魚を目で追い掛け、4年後の再会を約束していた。
同校児童によるサケの飼育・放流活動は、先月27日に86歳で死去した日向川鮭漁業生産組合(酒田市)の故大場昇組合長の協力で1981年にスタート。以来、4―6年の児童有志で組織する「さけ研究室」(さけ研、佐藤佳歩室長)が中心となって毎年、取り組んでいる。
今シーズンは、昨年10月に6年児童がそ上してきたサケを捕獲して採卵・受精。ふ化するまでは校内のふ化水槽で、その後は飼育池で計134日間、観察を続けるながら大切に育ててきた。
この日は、さけ研メンバーが体長5センチ前後まで成長した稚魚を飼育池で捕獲した後、全校児童が同川左岸へ。児童たちは川岸まで足を運び、「元気で帰ってきてね」と声を掛けながら稚魚を丁寧に放した。
佐藤室長(6年)は「どんどん成長するので毎日観察するのが楽しかった。4年間頑張って、元気に戻ってきてほしい」、今井晴琉副室長(同)も「小学校最後の観察なので気合を入れて育ててきた。戻ってくるのは今の2年生が6年生になった時。学校の伝統行事として歴史をつないでもらいたい」とそれぞれ話した。