2023年(令和5年) 3月21日(火)付紙面より
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急速な少子化・人口減少に伴って企業の人材不足が喫緊の課題となっている酒田市で、行政と民間の新たな「協働」でその解決策を探るセミナー「人材確保!多田所長の次なる一手」が17日、市産業振興まちづくりセンター・サンロクで開かれた。ハローワーク酒田の多田輝彦所長と、リクルートメディア「ショウナイズカン」を運営するヤマガタデザイン(鶴岡市)の山中大介社長の対談を通し、聴講者が「次なる一手」を考察した。
ハローワーク酒田管内では有効求人倍率が1・8倍前後で推移し、企業の人材不足は顕著。これに加えて酒田市は7年後には人口が9万人を割り込むことが予想されており、地元企業における人材確保は「待ったなし」の状況となっている。対談は、この課題の解決策を探っていく上で、官民が「協働」することの重要性を多くの市民から理解してもらおうと、ハローワーク酒田とサンロクがヤマガタデザインの協力で実施した。
この日は市商工港湾課の堀賀泉課長の進行で多田所長、山中社長が▽人が採れている企業▽採用がうまくいかない企業▽これからのハローワーク▽今後の連携の次なる一手―の4項目で対談。「確保にあたって若い世代は奪い合い」という共通認識を基に、多田所長は「求人はハローワークにとって『商品』。求職者から買ってもらえるよう、われわれが求人企業をサポートしていかなければいけない」と述べ、これに対し山中社長は「ハローワークとリクルートメディアの連携はおもしろい実験。どう機能するか。この形は全国に広がるのでは」と応えた。
具体的な「協働」について多田所長は▽ハローワーク酒田でのショウナイズカン案内リーフレットなどの配架▽ショウナイズカンでのハローワーク求人追記▽ハローワーク酒田求人受付案内でのショウナイズカンのサービス説明―など挙げ、「この地域に人材を増やすという同じ目的に向け、互いの強み・弱みを補完し合いながら実施していきたい」と続けた。
会場に事業主や人事担当者約20人が訪れたほか、オンラインでも配信。これからの人材確保に生かそうと熱心に聴講していた。