2023年(令和5年) 3月26日(日)付紙面より
ツイート
酒田市幸町一丁目のJR酒田駅前で進む駅周辺整備事業に伴い、長年にわたって市民から愛され、一帯のシンボルとなっていた帆船のオブジェが撤去されることになった。来月下旬に予定されている“永遠の出航”を前に現在、新たなカラーでペイントされ、市民や観光客らの目を引いている。
同市の酒田駅前交流拠点施設「ミライニ」から広く市内へアートを広げ、アートに関する興味・関心を育むことを目的に実施しているアートプロジェクト「SAKATART(サカタート)」の一環。
帆船オブジェは1996年、観光PRのため市が4基目の「歓迎塔」として設置。土台と合わせ高さが11・5メートル。アーチ形の土台部分が歩道上をまたぎ、中を歩行者がくぐれるようになっている。帆の周囲には無数のウミネコが舞い飛んでいる様子がステンレスで表現されているほか、船体の下に市の観光イベントをPRする掲示板を付け、夜間はライトアップ。今回の整備事業では駅前交差点を改良し駅とミライニを最短距離で結ぶため、動線上にあるオブジェは撤去されることになった。
新たなペイントは、ミライニを含む光の湊一帯のデザインを手掛けた東北芸術工科大グラフィックデザイン学科の原高史学科長・教授(現代美術)がディレクターとなり、時空を行き来するシルエットをイメージして黒を基調とした配色に塗り替えられた。生まれ変わった帆船に、行き交う市民らが足を止めて見入っていた。
SAKATARTは来月16日(日)まで。ミライニのテーマカラー「ブルー」「月白」「イエロー」を使った12種のポスターを市内各所に掲示したほか、「本の解体」をテーマに同学科1年生が制作した立体・映像などの作品14点をミライニ内の中央図書館で紹介している。ポスターの掲示施設は次の通り。
▽ミライニ▽JR酒田駅▽東北公益文科大学▽市民会館希望ホール▽酒田市美術館▽土門拳記念館▽酒田市役所▽市総合文化センター▽月のホテル