2023年(令和5年) 5月16日(火)付紙面より
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酒田市中心部を華やかに彩る酒田まつり(本祭・20日)の神宿(とや)開きが15日、上、下両神宿で行われ、住民が所蔵する珍しい美術品、受け継がれてきた工芸品の数々が訪れた人の目を楽しませている。
酒田まつりは、上日枝神社(浜田一丁目)、下日枝神社(日吉町一丁目)の例大祭で、江戸時代前期の1609年から一度も欠かさず連綿と続く。今年は、上は3自治会による第三区神宿組合(平野肇委員長)が築後町稲荷神社(浜田一丁目)、下は9自治会による第六神宿組合(白幡二十志委員長)が酒田湊旧廻船問屋「家坂亭」(船場町一丁目)にそれぞれ神宿を設置した。
上神宿は、遊佐町吹浦出身の竹細工師、畠中鳳山さん(1904―91年)によるかご、庄内さお、傘福など酒田の文化を感じることができる宝物が並ぶ。一方、下神宿は北前船舟運で富を築いた家坂家に伝わる「神輿飾り」、雄には一角、雌には宝珠が付いた獅子頭1対などがあり、昔ながらの祭りの風情を再現している。見物客が早速訪れ、見入っていた。
両神宿とも16日午後に鉾立て神事が行われ、設置は21日(日)まで。
2023年(令和5年) 5月16日(火)付紙面より
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酒田市の国指定史跡「山居倉庫」を眺めながら飲食を楽しむ「Sankyo!Bar!(山居バル)2023」が13日、山居倉庫対岸の新井田川岸壁で行われ、好天に誘われて市民らが大勢来場。心地よい風を浴びながら各種料理に舌鼓を打った。
整備が進められている山居倉庫周辺エリアの魅力を生かして中心市街地のにぎわい創出を図ろうと、一般社団法人「元気インターナショナル」(同市中町一丁目、高橋陽子理事長)が市や地元企業などと連携して事務局を設置し、2020年から企画・運営しているイベント。
今回は、市内中心部を流れる新井田川に架かる新内橋―山居橋間を会場に▽さいとう精肉店▽Ravi―WINEBAR&DINING▽酒茶房如意▽JAMPY▽無印良品酒田POP―UPSTORE▽鉄板焼き お好み焼き「神楽」▽kitchen「PHOENIX」―の7店が集まり、それぞれ飲食など提供した。
午後3時のスタートを前に、「倉庫の白壁と調和を図ろう」という同法人の呼び掛けに応じて白っぽい衣服を着用した市民ら約40人が列を作る盛況ぶり、その後も続々と訪れ、各種料理を味わい、山居倉庫を眺め、川面を渡る心地よい風を感じながらビールやワインを傾けていた。
今回初めて、人工芝を敷いた「キッズエリア」を設け、酒田駅前交流拠点施設「ミライニ」の協力でおはなし会を実施した。東北公益文科大学(同市、神田直弥学長)の学生有志でつくる地域おこし団体「Praxis」のメンバー7人がイベント運営に協力した。
同法人の荒沢美和さんは「4年目に入って定着してきたようだ。イベントに対する期待感もあり、大勢から来場してもらった。次回以降、ぜひこの場所に来て、景観や飲食を楽しんでほしい」と話した。次回は7月15日(土)の予定。
2023年(令和5年) 5月16日(火)付紙面より
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市民劇団「劇団このは」(本多元子・平さちひ共同代表)の旗揚げ公演が13日、酒田市寿町の本慶寺(本多芳雄住職)境内で行われ、地元役者のユーモラスな演技に詰め掛けた観客から大きな歓声が送られた。本多共同代表は「お客さんが楽しんでくれて良かった。こうした舞台を今後も続けていきたい」と喜んだ。
本慶寺では、大正から昭和にかけて、歌舞伎が好きだった現住職の祖父に当たる芳壽住職が歌舞伎一座などを呼び、地元の人たちと共に楽しんでいたという。また、現在は「このはせんべい」を販売するお店「工房Conoha(このは)」や、地域住民らと定期的に開いている食事会「つるかめ食堂」も行われており、こうした縁から昨年秋に劇団設立の話が持ち上がった。
庄内一円の10代から60代の男女約30人が参加。今年から本慶寺を練習場所に、月2回ほど集まり、約3時間の稽古を行うなど公演に向け練習を重ねてきた。
演目は「びんぼう神と福の神」。遊佐町に伝わる民話をベースに平さんがアレンジを加えたオリジナルストーリー。貧乏神がすみ着いている一家と、そこに現れた福の神とのやりとりを通じて幸せについて考える物語。
この日は公演の話を聞きつけた市民ら約140人が訪れ、本堂前の特設ステージで観劇を楽しんだ。地元役者たちは「鳥海山に種まきじいさんも出て農作業がはかどったもの」「こだなごっつお、もっけだ」など庄内弁のせりふやコミカルな演技を披露。観客から笑い声や声援が上がるなど盛り上がっていた。本多共同代表は「ここで演じたくてみんな頑張ってきたので夢がかなった。練習の成果が出てお客さんが楽しんでくれたので良かった」などと話していた。